小惑星ベンヌの超高解像度画像

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    "Super-resolution” View of Asteroid Bennu

     

    NASAの小惑星探査機オサイレス・レックスが目指す小惑星ベンヌの最新画像が公開されました。

     

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    ベンヌはそろばんの珠の形をしており、リュウグウとよく似ていることがわかっていました。今回発表された画像は、オサイレス・レックスが1029日に330kmの距離から撮影したものです。ベンヌは1分間に1.2度のスピードで自転しています。自転につれて少しずつ姿が異なる8枚の画像を特別のアルゴリズムで処理して超高解像度にしたものです。表面にたくさんのボールダー(岩塊)がある点も、リュウグウに似ています。

     

    オサイレス・レックスは現在、ベンヌへの最終アプローチをしているところで、123日に距離20kmのホームポジションに到着する予定です。

     


    ソユーズMS-10打ち上げ失敗の原因はセンサーの異常

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      Soyuz MS-10 Launch Failure Caused by an Errant Sensor

       

      ロシアのガガーリン宇宙飛行士訓練センター所長のセルゲイ・クリカリョフは、1011日のソユーズMS-10の打ち上げ失敗はセンサーの異常によるものだと述べました。第1段の4本のブースターが第2段ロケットから切り離される際、1本のブースターでセンサーが働かず、うまく分離しませんでした。そのため、このブースターが第2段ロケットに衝突して損傷させてしまったのです。これは、ソユーズMS-10 のオンボードカメラからの映像で確認することができます。

       

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      上の画像は打ち上げ直後の映像で、ロケットは順調に上昇しています。しかし、ブースター切り離しの際に異常が起こりました。下の画像はブースター切り離しの瞬間ですが、カメラに写っている3本のブースターのうち、左のブースターが離れていません。

       

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      これは、通常のブースター切り離しの際の映像(下)と比べてみれば、よくわかります。

       

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      左のブースターは下部のストラットは火薬で分離していると思われますが、先端部は第2段に付いたままです。先端部を分離させるために圧搾酸素を噴射するベントバルブが作動していないとみられます。この事象にセンサーの異常が関連しているのでしょう。ブースターは第2段ロケットの燃料タンクの隔壁を破壊したとみられます。下の映像では炎が発生しています。

       

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      次の瞬間、第2段ロケットは炎に包まれました。この直後、緊急脱出システムが作動し、クルーの乗ったカプセルはフェアリングごと切り離されました。

       

      下の画像は、それから1秒もしない時点の映像ですが、左上に地球の縁が写っており、煙を吐く第2段ロケットはあらぬ方向を向いており、制御を失っているのがわかります。

       

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      失敗の原因が明らかになったことを踏まえ、ロシアは12月半ばには次のクルーの打ち上げを考えていると思われます。NASAも、ロシア側の対応に問題がないとすれば、12月の打ち上げに同意するでしょう。国際宇宙ステーションが無人になる事態は避けられるかもしれません。


      ソユーズ・ロケット第1段の分離システム

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        Booster Separation of the Soyuz Rocket

         

        ソユーズMS-10の打ち上げ失敗は、第1段切り離しの際に、第1段の4本のブースターのうちの1本がうまく分離せず、第2段に衝突したことが原因とみられています。第1段のブースターは下の画像のようにコア・ロケット(第2段)にとりつけられています。

         

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        以下はソユーズ第1段分離の際の地上からの映像です。

         

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        左は以前の打ち上げで、分離の様子がわかるように夜間打ち上げの映像から選びました。5つの光の点のうち、中心が第2段エンジンの光、その周囲が分離直後の第1段エンジンの光です。分離したロケットが点対称にきれいに広がっています。右は今回の分離の際の映像で、第2段分離の様子が明らかにおかしいことが分かります。

         

        1段のブースターは2か所で第2段と結合しています。ブースターの下部では2本のストラット(支柱)で第2段と結合しており、分離の際には火薬で切り離すようになっています。

         

        ブースターの先端部は下の画像のようにボールジョイントになっています。

         

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        この先端部は下の画像のように、第2段の出っぱりに挿入されています。ブースターが燃焼中、その推力はこの箇所から第2段に伝えられます。先端部の少し下の内側には、先端部を分離させるために圧搾酸素を噴射するベントバルブがあります。

         

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        ブースターが分離される際には、まずブースター下部のストラットが分離されます。

         

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        その後、先端部のベントバルブが作動して、ブースターは切り離されます。

         

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        今回は4本のブースターのうちの1本のベントバルブが作動しなかった可能性があります。そのため、不具合の起こったブースターが第2段を破損させてしまったのではないでしょうか。


        ソユーズ宇宙船打ち上げ時の緊急脱出システム

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          Launch Escape System of the Soyuz Spacecraft

           

          ソユーズMS-10の打ち上げ失敗は、打ち上げ26秒後に行われる第1段切り離しの際に、第1段の4本のブースターのうちの1本がうまく分離せず、第2段に衝突したことが原因とみられています。そのため第2段の推力が低下して軌道投入が不可能となったため、アボート(打ち上げ中断・緊急帰還)となりました。

           

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          ソユーズ宇宙船を収めたフェアリングの先端には緊急脱出用のエスケープタワーが設置されていますが、エスケープタワーは第1段分離の2秒前に切り離されます。したがって今回の緊急脱出にエスケープタワーを使うことはできませんでした。その代わりに、フェアリングの4基の緊急脱出用のロケットが作動しました。フェアリングが分離されるのは第1段切り離しの40秒後です。ソユーズ・ロケットはエスケープタワー分離後の40秒間はフェアリングのロケットで脱出できるように設計されているのです。

           

          下の画像はソユーズ・ロケット組み立て時のもので、ソユーズ宇宙船を収納したフェアリングの先端にエスケープタワーがあります。フェアリングにはこれとは別に緊急脱出用ロケットがついているのが分かります。

           

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          アボートのコマンドが作動し、ソユーズMS-10の軌道モジュールとクルーが乗った帰還モジュールは、フェアリングに収納されたまま第3段ロケットから切り離されました。機器・推進モジュールは第3段についたままです。第3段から十分に離れたところで、帰還モジュールだけがフェアリングから切り離され、弾道軌道で地球に帰還したのです。

           

          ソユーズ・ロケットのエスケープタワーが緊急脱出に使われたことは1度だけあります。19839月のことです。ウラジーミル・チトフとゲンナジー・ストレカロフの乗ったソユーズT10の発射1分前、燃料が漏れだして発射台の基部で火災が発生し、ロケットは炎に包まれました。

           

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          エスケープタワーの緊急脱出システムが作動し、2人の乗ったソユーズ宇宙船の帰還モジュールと軌道モジュールは機器・推進モジュールから切り離され、フェアリングごと急上昇しました。このとき、クルーには20G以上の加速度がかかったといわれています。

           

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          その直後、発射台で大爆発が起こりました。高度約1km4枚の空力安定フィンが開いて速度が落ち、続いてフェアリングが外れ、帰還モジュールが軌道モジュールから分離され、パラシュートが開きました。チトフとストレカロフは発射地点から4kmほど離れた地点に無事着地しました。ソユーズT1019842月に改めて打ち上げられ、チトフとストレカロフの飛行は現在ではソユーズT10-1とよばれています。

           

          ソユーズの打ち上げ途中でアボートとなったことも、これまで1度あります。19754月のワシリー・ラザレフとオレグ・マカロフが搭乗したソユーズ18(現在ではソユーズ18-1とよばれている)です。このときは第2段と第3段の切り離しが完全ではありませんでした。そのため、第3段エンジンの点火4秒後にソユーズ宇宙船は第3段から緊急分離されました。このときはすでにフェアリングは外されていました。通常の地球帰還時と同じように、ソユーズの帰還モジュールは軌道モジュールと機器・推進モジュールから切り離され、弾道軌道で降下。シベリア山中に着地しました。

           

          以上のようにソユーズ宇宙船が打ち上げの際に緊急帰還したことは、これまで3度あります。それぞれのケースで、ソユーズの異なる緊急脱出モードが作動し、クルーは無事帰還しています。


          ソユーズMS-10緊急帰還:国際宇宙ステーションが無人になる可能性も

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            Soyuz MS-10 Launch FailureThe ISS will become Unmanned

             

            1011日のソユーズMS-10 の打ち上げ緊急中断により、最悪の場合、国際宇宙ステーション(ISS)は無人になる可能性もあります。

             

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            ソユーズMS-10は打ち上げ約2分後にロケットに問題が生じ、搭乗していたロシアのアレクセイ・オブチニン宇宙飛行士とNASAのニック・ヘイグ宇宙飛行士は緊急帰還しました。ソユーズロケットとソユーズ宇宙船には、打ち上げ時に異常が発生した際の飛行中止・緊急帰還の対応策がいくつも設定されています。今回もそうした安全システムが的確に作動し、1975年以来となる打ち上げ直後の緊急帰還に成功しました。打ち上げから34分後にカプセルが緊急着陸した場所にはすぐに回収チームが到着し、クルーはすぐに救援されました。

             

            ロケットの打ち上げは100%の成功が保証されているわけではありません。緊急事態発生に対応するロシアのシステムの手際の良さは、ロシアの有人ロケット打ち上げの信頼性の高さを示すものでもありますが、一方、いくつかの心配も生起されています。

             

            1つは、ISSが無人になる可能性です。

             

            現在ISSには、第56/57次長期滞在クルーの3名の宇宙飛行士が滞在しています。ESAのアレクサンダー・ゲルスト宇宙飛行士、ロシアのセルゲイ・プロコピエフ宇宙飛行士、NASAのセリーナ・オナン・チャンセラー宇宙飛行士です。第55/56長期滞在クルーは地球に帰還したところであり、代わりに第57/58次長期滞在クルーの2名がISSに到着するはずでした。ソユーズ宇宙船の性能保証日数は約200日であり、今年の611日にISSに到着した第56/57次長期滞在クルーは12月に帰還しなければなりません。帰還を多少先に延ばすことは可能ですが、ソユーズ宇宙船の耐用日数のほか、帰還地であるカザフスタンの真冬の気候は非常に厳しいため、気象条件の面でも帰還のリスクが高くなります。

             

            ISSへクルーを輸送する手段は、現在ソユーズ宇宙船しかありません。NASAが進めている民間の宇宙船によるISSクルーの輸送計画は最終段階に入っていますが、ボーイング社、スペースX社とも、ISSへの人員輸送サービスを開始するのは2019年第2四半期になる模様です。したがって、もしも今回の打ち上げ失敗の原因調査の結果、ソユーズロケットの打ち上げ再開に時間がかかることになれば、ISSは無人となってしまいます。

             

            2つ目は、ロシアの宇宙開発体制に対する不安です。

             

            ロシアの有人宇宙開発は長い歴史をもち、非常に信頼性の高い技術を持っています。しかしながら、長期にわたる予算不足などにより、新しい計画への取り組みの遅れや現場での士気の低下が進んでいます。829日にISSで空気漏れが発生しましたが、原因はドッキングしているソユーズ宇宙船に小さな穴が空いていたためでした。ロシア側は、この穴はソユーズ宇宙船製造時に宇宙船内部からドリルによって空けられており、工場での「サボタージュ」によるものとしています。空気漏れの原因となった穴は緊急処置でふさがれていますが、宇宙船の外側がどうなっているかは分からず、近く船外活動によって確認する予定でした。今回の打ち上げ失敗は、この船外活動にも影響を与えることになると思われます。

             

            ISSの安全な運用や今後の月周回宇宙ステーションの建設に、ロシアは大きな役割を果たすことが期待されています。しかし、ロシアの宇宙開発は構造的問題を抱えているのが実情です。


            ソユーズMS-10:打ち上げを中断し緊急帰還

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              Soyuz MS-10Crew Lands in Kazakhstan after Launch Failure

               

              ロシアのアレクセイ・オブチニン宇宙飛行士とNASAのニック・ヘイグ宇宙飛行士が搭乗したソユーズMS-101011日午後240分(現地時間)にカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられました。打ち上げ直後は順調でしたが、約2分後に異常が発生し、クルーは緊急帰還しました。

               

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              詳細が発表されていないため、今回の打ち上げ緊急中断が今後のソユーズ宇宙船やプログレス補給船の打ち上げにどのような影響を与えるかは分かりません。もしかすると、国際宇宙ステーション(ISS)の今後の運用に影響がでるかもしれません。

               

              通常、ソユーズ宇宙船の打ち上げはクルー3名で行われますが、今回は2名でした。ロシア側の発表によると、ロシアがISSに設置予定の科学実験モジュールの打ち上げが遅れ、当初予定していた作業がなくなったため、搭乗させるロシア人クルーを2名から1名に減らしたとのことです。

               

              打ち上げの映像を見ていると、問題は打ち上げ約2分後の第1段の4本のロケットを分離する際に起きたようです。地上に送られてくるソユーズ船内の映像はロケット分離の際に少し乱れるのですが、今回はその乱れがいつもより強く、また船内にかなり振動が伝わっているように見えました。

               

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              また、その直後に地上のカメラがとらえた第1段分離後の映像も、いつもと比べて明らかに違っていました。いつもは4本のロケットがきれいに離れていくのですが、今回は離れ方が不規則でした。

               

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              この直後に船内からの映像はなくなり、音声のみが流れてきました。約40秒後にエマージェンシーの警告音がひびき、モスクワの管制センター(TsUP)は「ブースターの不調」をソユーズに伝えました。この場合のブースターは第2段ロケットのことです。続いて「分離」が伝えられ、ソユーズMS-10は第3段ロケットから分離し、弾道軌道での帰還モードに入りました。クルーは「われわれは無重量状態」とTsUPに伝えてきました。TsUPからは着地にそなえ「ストラップを締めるように」という指示が送られました。

               

              ソユーズMS-10はカザフスタンのジェスカスガン市から20kmほど東の地点に無事着陸しました。ソユーズ宇宙船の通常の帰還地域です。クルーは回収チームによってモスクワ郊外のガガーリン宇宙飛行士訓練センターに運ばれました。2人とも元気です。

               

              以上の経緯をみると、第1段分離直後に第2段ロケットに異常が発生して推力不足となり、地球周回軌道に達することが不可能になったため、ソユーズ宇宙船を第3段から分離させて地上に緊急帰還させたものとみられます。分離されたブースターが第2段にぶつかり、第2段を破損させたためではないかという観測があります。

               

              ソユーズ宇宙船が打ち上げ時にトラブルを起こし、クルーが緊急帰還したのは1975年以来のことです。この年の45日、ワシリー・ラザレフとオレグ・マカロフの乗ったソユーズ18号が打ち上げられました。打ち上げから450秒後、第2段エンジンの燃焼が終了し、第3段のエンジンが点火されました。ところが第2段と第3段の切り離しが完全でなかったため、ロケットは予定の方向をそれました。ロケットのセンサーが異常を検知し、第3段の点火4秒後にソユーズ18号は緊急分離されました。高度は145kmでした。

               

              ソユーズの帰還モジュールは軌道モジュールと機器・推進モジュールから切り離され、弾道軌道で降下。ラザレフとマカロフには18Gもの加速度がかかったといわれています。帰還モジュールは中国国境から約800kmのシベリア山中に降下し、斜面を転げ落ちて停止しました。2人は雪の山中でまる1日、回収チームの到着を待つことになりました。

               

              ソユーズ18号は改めて524日に、ピョートル・クリムクとビタリ・セバスチャノフによって打ち上げられたため、ラザレフとマカロフの飛行は、現在ではソユーズ18-1号とよばれています。



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