ウルティマ・トゥーレのより詳細な情報

0

    Ultima ThuleFirst Results

     

    ウルティマ・トゥーレのより詳細な情報が発表されました。

     

    20190103_01.jpg

     

    「ボーリングのピン」というよりは「雪だるま」の形状でした。最初の発表では、2つの天体が非常に接近してまわっているという可能性もあるとされていましたが、2つの天体は「首」の部分でつながっていることが分かりました。雪だるまの頭の部分はトゥーレ、胴体の部分はウルティマとよばれることになりました。

     

    20190103_02.jpg

     

    ウルティマ・トゥーレは褐色のようです。表面には明るい部分と暗い部分があります。目立ったクレーターは見当たりません。

     

    20190103_03.jpg

     

    なぜ、このような奇妙な形の天体が誕生したのでしょうか。今から約45億年、太陽系が形成されたごく初期に、太陽系の外縁部には無数の小さな氷天体が分布していました。それらはやがて合体していき、ウルティマとトゥーレが形成されました。ウルティマとトゥーレは互いに相手のまわりをまわりながら次第に接近して合体し、現在に姿になったと考えられます。

     

    C20190103_04.jpg

     

    ウルティマ・トゥーレが非常に古い時代の情報をとどめていることは間違いありません。ニュー・ホライゾンズの科学チームが述べているように、人類は今、時をさかのぼり、太陽系が誕生したばかりの時代に存在した「惑星の材料」を見ていることになります。


    ニュー・ホライゾンズが太陽系の果ての天体を観測

    0

      New Horizons Successfully Explores Ultima Thule

       

      2019年は太陽系の果てからのメッセージとともに明けました。

       

      201911日午前1233分(アメリカ東部時間)、NASAの探査機ニュー・ホライゾンズは太陽系外縁部にあるカイパーベルト天体ウルティマ・トゥーレに接近し、その画像を送ってきました。地球からの距離は約66km。探査機が観測した最も遠くにある天体です。ウルティマ・トゥーレとは「世界の果ての遠い島」という意味です。

       

      20190101_01.jpg

       

      ニュー・ホライゾンズが3500kmの距離から撮影したウルティマ・トゥーレはボーリングのピンのような形をしており、サイズは32×16kmでした。15時間もしくは30時間で自転しているようです。

       

      20190101_05.jpg

       

      太陽系の外縁部には小天体がたくさん分布しており、太陽系外縁天体あるいはカイパーベルト天体とよばれています。2015年に冥王星の探査を終えたニュー・ホライズンズは、次の目標として、2014年に見つかっていたカイパーベルト天体MU69を目指すことになり、MU69にウルティマ・トゥーレという愛称がつけられました。

       

      20190101_03.jpg

       

      20190101_04.jpg

       

      ニュー・ホライゾンズは今後20か月をかけて、ウルティマ・トゥーレの科学データを送ってくることになっています。太陽系初期の姿をとどめるウルティマ・トゥーレがどのような驚きをもたらしてくれるのか楽しみです。


      2019年の主な天文現象

      0

        Astronomical Calendar 2019

         

        2019年もさまざまな天体ショーを楽しむことができます。

         

        すでに肉眼で見えている46/Pウィルタネン彗星は元旦には5等級の明るさです。

         

        20181230_01.jpg

         

        16日には全国で部分日食がみられます。

         

        20181230_02.jpg

         

        717日には西日本でわずかですが部分月食が見られます。

         

        20181230_03.jpg

         

        1226日には全国で部分日食が見られます。

         

        20181230_04.jpg

         

        2020111日に地球に最接近する289/Pブランパン彗星は1231日には4等級になります。

         

        20181230_05.jpg

         

        11

        46/Pウィルタネン彗星が肉眼光度(5等級)

        16

        全国で午前中に部分日食(東京での食分0.42

        16

        金星が西方最大離角(明け方の東天で明けの明星)

        121

        アメリカ方面で皆既月食(北日本で半影月食)

        21

        夜明け前の東天で細い月と金星が接近(南米で金星食)

        49

        ヒアデス星団の食(夕方の西天)

        529

        準惑星ケレスが衝(さそり座で7.0等)

        611

        木星が衝(へびつかい座)

        616

        準惑星ケレスの食(月齢は12、ケレスは7.4等)

        74

        火星食(昼間の現象)

        710

        土星が衝(いて座)

        717

        部分月食(西日本で月入帯食のみ)

        81

        金星食(新月)

        813

        ペルセウス座流星群が極大(月没後は好条件)

        813

        金星が外合(以後は夕方の西天で宵の明星)

        94

        火星が合(以後は2020106日の準大接近へ向け接近開始)

        910

        海王星が衝(みずがめ座φ星に大接近)

        913

        中秋の名月

        1028

        天王星が衝(おひつじ座)

        117

        くじら座の長周期変光星ミラが極大

        1111~12

        アメリカ方面で水星の日面経過(日本では見えない)

        1120

        289/Pブランパン彗星(8等級)とみずがめ座の惑星状星雲NGC7293が接近

        1215

        ふたご座流星群が極大(月明がある)

        1226

        全国で部分日食(東南アジアで金環日食)

        1229

        夕空で月(月齢2.9)と金星が大接近(南極で金星食)

        1231

        289/Pブランパン彗星が4等級の肉眼彗星に

        2020111

        289/Pブランパン彗星(4等級)が地球に最接近(0.091天文単位)

         

        天体写真家の藤井旭さんから送っていただいた「2019年天文現象カレンダー」に掲載されている情報を使わせていただきました。


        アナク・クラタカウ火山のSAR画像

        0

          SAR Images of Anak Krakatau

           

          国土地理院がアナク・クラタカウ火山を合成開口レーダー(SAR)で観測した画像を発表しました。JAXAの「だいち2号」に搭載されているPALSAR-2が取得したものです。

           

          下の画像は、噴火前の1220日の画像です。赤い破線内の暗い部分が火口です。

           

          20181227_01.jpg

           

          噴火後の1224日の画像が下です。

           

          20181227_02.jpg

           

          赤い破線内の地形が変わっています。火山島の半分は噴き飛んで完全になくなり、火口は海面すれすれか海面下になっています。

           

          クラタカウ火山はインドプレートがユーラシア・プレートの下にもぐりこむ場所にあり、地下のマグマだまりに常に熱が供給されています。現在の活動の中心であるアナク・クラタカウの活動は今後も続くと考えられます。


          アナク・クラカタウ火山の噴火

          0

            Eruption of Anak Krakatau Volcano

             

            12月22日にインドネシアで発生した津波はスマトラ島とジャワ島の沿岸部を襲い、死者数は現時点で400人を超えています。津波はスンダ海峡にある火山島アナク・クラカタウの噴火が原因でした。噴火によって山体が崩壊して海中で大規模な地滑りが発生し、津波を発生させたとみられています。

             

            20181226_01.jpg

             

            アナク・クラカタウの火山活動は現在も続いています。高さ約300mの山体は大部分が噴き飛んでなくなり、島の形が変わっていると思われます。

             

            アナク・クラカタウは1883年に有史以来最大といわれる火山噴火を起こしたクラタカウ火山のカルデラにある中央火口です。下の画像は噴火前のクラカタウ火山です。

             

            20181226_02.jpg

             

            ここには古い時代、直径約10km、高さ約2劼竜霏腓扮濘躱の火山島がありました。この古クラカタウ火山は今から約6万年前に大噴火し、山体の大部分が吹き飛び、カルデラが形成されました。ラカタ島、セルトゥン(ヴェルラーテン)島、パンジャン(ラング)島はカルデラの縁にあたる島々です。17世紀になると、カルデラの内部にダナン島、ペルゴアタン島が出現し、ラカタ島と陸続きになりました。ここが当時クラカタウ火山とよばれていました。1883年に大噴火したのは、ダナン島とペルゴアタン島の部分です。噴火によって生じたカルデラによって、ラカタ島の北西部分もえぐられて陥没しました。

             

            20181226_03.jpg

             

            1883年の噴火では、高さ30m以上の津波が発生し、3万6000人以上の死者が出たといわれています。噴き上げられた大量の火山灰は高度80劼肪し、80万平方kmの地域に2日半にわたって暗黒の日をもたらしたといわれています。火山灰はさらに全球をおおい、日傘効果によって世界の平均気温は5年間にわたって0.5度C低下しました。

             

            1927年にカルデラの中心部に新たな火山島が誕生しました。それがアナク・クラカタウです。アナク・クラカタウは「クラカタウの子供」という意味です。アナク・クラカタウは噴火をくり返しながら成長してきました。2018年は7月から活動がはげしくなり、溶岩の流出やはげしい噴煙が観測されていました。


            月からのメリー・クリスマス:アポロ8号から50年

            0

              Merry Christmas from the Moon50th Anniversary of Apollo 8

               

              今から50年前、アポロ8号は初めて月を周回する軌道に到達しました。クルーはジェームズ・ラヴェル、ウィリアム・アンダース、フランク・ボーマンの3人(下の画像で左から)でした。私たちにとっては当たり前になってしまった宇宙空間に浮かぶ青い地球や、月面から上る地球(アースライズ)の映像はアポロ8号によって人類に初めてもたらされたのです。

               

              20181223_01.jpg

               

              アポロ8号は19681221日に打ち上げられました。

               

              20181223_02.jpg

               

              下の画像はアポロ8号が地球の軌道を離れて月に向かった際に撮影したものです。

               

              20181223_03.jpg

               

              当時アメリカとソ連は月着陸競争を繰り広げていました。アメリカは月着陸を目指す大型ロケット、サターン5型を開発していました。アポロ8号はサターン5型に人間を載せる最初のミッションでした。一方、ソ連も巨大ロケットN-1を開発しており、196812月にN-1 で初の有人月周回を目指す宇宙船を打ち上げそうだという報告がCIAからもたらされました。しかし、N-1 12月に発射台を離れることはありませんでした。そこで、NASAはアポロ8号を地球周回軌道はなく、月周回軌道に送ることを決断したのです。このあたりのことは『ファイナル・フロンティア――有人宇宙開拓全史』に詳しく書きましたが、きわめて危険に満ちたミッションでもありました。

               

              アポロ8号は1224日に月を周回する軌道に達し、人類は初めて月の裏側を肉眼で見ました。月はいつも同じ面を地球に向けています。そのため、月面からは地球はいつも同じ位置に見えます。月の地平線から地球が上るシーンは、月を周回している宇宙船からしか撮影できません。下は、アポロ8号が撮影したアースライズの1シーンです。

               

              20181223_04.jpg

               

              地球はクリスマス・イヴを迎えていました。地球への2度目のテレビ放送で、アポロ8号は月の地平線に浮かぶ地球の映像を送ってきました。「地球の皆さまに、アポロ8号のクルーからメッセージがあります」。そして3人は交代で旧約聖書の『創世記』を朗読しました。「初めに、神は天地を創造された。・・・神は言われた。『天の下の水は一つ所に集まれ。乾いた所が現れよ。』そのようになった。神は乾いた所を地と呼び、水の集まった所を海と呼ばれた。神はこれを見て、良しとされた」。

               

              「おやすみなさい。メリー・クリスマス。地球のすべての人に神の御加護がありますように」。アポロ8号のコマンダーのボーマンは、放送をそう締めくくりました。



              calendar

              S M T W T F S
                    1
              2345678
              9101112131415
              16171819202122
              23242526272829
              30      
              << June 2019 >>

              selected entries

              categories

              archives

              links

              profile

              書いた記事数:115 最後に更新した日:2019/06/13

              search this site.

              others

              mobile

              qrcode

              powered

              無料ブログ作成サービス JUGEM