新型コロナウイルスは環境中に長時間残存

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    新型コロナウイルスが環境中にどのくらい残存するかに関する新しい論文が、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン誌に発表されました。

     

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    論文では、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)とSARSウイルス(SARS-CoV-1)を比較しています。これによると、新型コロナウイルスとSARSウイルスの残存性は同じ性質を示す場合と異なる場合があるようです。

     

    新型コロナウイルスがどのくらい残存しているかについては以下の通りです。銅の上では10時間くらいで消滅しますが、ボール紙上では50時間くらいは残存しています。

     

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    ステンレス鋼やプラスチック上ではさらに長く、ステンレス鋼では80時間くらい、プラスチック上では80時間以上残存します。

     

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    したがって、ウイルス感染を防ぐには手洗いだけでなく、日常生活で触れるものについて、できるだけアルコール消毒をする必要があります。

     

    さらに、新型コロナウイルスは空気中にエアロゾルの状態で数時間残っていることもわかりました。

     

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    上は、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン誌に発表された別の論文に掲載されている画像で、会話をしている際に飛び散る細かい飛沫を可視化したものです。飛沫は想像以上のスピードで広範囲に飛び散ります。

     

    したがって、閉ざされた空間あるいはそれに準じる密接した状況での会議、食事会、飲み会などでは新型コロナウイルスを含む飛沫やエアロゾルに持続的にさらされる可能性があり、非常に危険であるといえます。

     


    新型コロナウイルス:100年に1度のパンデミック

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      緊急事態宣言が発令され、日本の新型コロナウイルスとの戦いは新たな段階に入りました。人権を無視してまで感染を封じ込める中国式でも、国家の権限で強制的に感染防止対策を進める欧米型でもなく、国民全員の自覚と団結力でウイルスに立ち向かう日本型の対策が成功するかどうかが問われています。

       

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      すでに欧米の専門家の間では、今回の新型コロナウイルスの流行が100年に1度のパンデミックであるという認識が広がっています。私たちは4度のインフルエンザのパンデミックを経験しています。1918年のスペイン風邪、1957年のアジア風邪、1968年の香港風邪、そして2009年の新型インフルエンザです。これらのうち、100年前のスペイン風邪は規模がけた違いに大きく、世界で5000万人以上が死亡したといわれています。

       

      下の画像は私がアメリカ国立健康医学博物館から提供を受けたものです。1918年のパンデミックで一番有名な写真といっていいでしょう。カンザス州のアメリカ陸軍キャンプ・ファンストンに設置された臨時病床の写真です。

       

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      第二次世界大戦中の19183月にアメリカで始まった感染の第1波は大西洋を渡り、ヨーロッパで拡大しました。第2波の流行は1918年夏に始まりました。第2波のウイルスの感染力は強く、症状が重篤で、世界中に多数の死者をもたらしました。このため、第二次世界大戦が早く終わったともいわれています。

       

      人類は今、この大流行に匹敵するパンデミックと戦っています。上の写真と同じような光景が世界の大都市で見られます。下はマドリッドに設置された臨時病床です。

       

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      ロンドンのエクセル展覧会センターにも臨時病床が設置され、ナイチンゲール病院と命名されました。

       

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      ニューヨークのジャヴィッツ・コンベンション・センターも臨時の病院となりました。

       

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      日本では病床の圧倒的不足という事態はまだ起きていません。今後、このような状況にならないよう最大限の対策を取る必要があります。

       

      海外主要国と日本の医療の状況を比較するために、新型コロナウイルスによる現在の死者数から人口10万対死亡率を計算してみました。イタリアとスペインは28.0、フランスが13.7、イギリスが8.2と、医療の現場が非常に厳しい状態に置かれていることを示しています。アメリカは全土の統計では3.0となりますが、ニューヨーク州のみで計算すると、28.1となります。一方、ドイツは2.0でもちこたえています。

       

      これらに対して日本の人口10万対死亡率は0.06(クルーズ船を除く)と非常に低い水準です。しかし、今後、爆発的な感染拡大が起こってしまえば、日本の医療体制も崩壊の危機に直面することになります。

       

      感染源がわからない孤発例が増えている現在の状況は不気味です。私たちが11人、他人との接触機会を8割削減し、R01以下にしない限り、感染拡大は続いていきます。


      新型コロナウイルス:WHOがパンデミック宣言

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        WHO311日、新型コロナウイルスの流行を「パンデミック」と宣言しました。パンデミックとは「世界的な大流行」を意味します。

         

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        WHOの発表によると、311日現在、113の国と地域で新型コロナウイルスの感染が確認されています。感染者数は全世界で118322人(うち中国8955人、中国以外37367人)、死者は全世界で4292人(うち中国3162人、中国以外1130人)となっています。

         

        20世紀以降、人類はインフルエンザで4回のパンデミックを経験しています。1918年の「スペイン風邪」(スペイン・インフルエンザ)、1957年の「アジア風邪」(アジア・インフルエンザ)、1968年の「香港風邪」(香港インフルエンザ)、2009年の新型インフルエンザです。インフルエンザ・ウイルス以外の流行でWHOがパンデミックを宣言するのははじめてです。

         

        ウイルスの流行を食い止めるための対策は、大きく3つに分けられます。

         

        1つ目はウイルスの侵入を遅らせる水際作戦です。湖北省や浙江省などからの入国制限、クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号の検疫は、このための措置でした。水際作戦はウイルスの侵入を完全に食い止めることはできません。あくまで、ウイルスの侵入を遅らせて、結果として感染者の数を抑えることにその目的があります。

         

        2つ目は、感染の拡大を遅らせるための早期封じ込めです。イベントや集会の自粛要請や小・中・高の休校はそのための措置でした。早期封じ込めも感染の拡大を完全に食い止めることはできません。しかし、この措置を取ることによって、感染の機会は明らかに減ります。

         

        3つ目は医療の介入です。水際対策と早期封じ込めによって、感染の拡大は抑制され、感染者数のカーブはピークが低くなり、なだらかな山になります。流行の開始とともに医療体制を強化し、なだらかな山となった流行に対して必要な医療サービスを行うのです。流行のピークを下げることは、医療への負荷を減らすという重要な意味をもっています。

         

        以上の対策をできる限り早い時期から行うことによって、流行を最小限にとどめることができます。下の図は「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」(2013年閣議決定)に掲載されているもので、この考え方を図式化したものです。

         

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        政府の対策にはその内容や時期について様々な批判もありますが、大筋としては、以上の考え方に則った対策がとられてきました。そのため、日本では爆発的な感染拡大は見られていません。

         

        しかしながら、今後の世界での流行を考えた場合、日本と同じように感染拡大を抑えられる国がどれだけあるか心配です。アメリカやヨーロッパ諸国でさえ、十分な医療サービスを提供できない事態も考えられます。参考までに、2009年の新型インフルエンザのパンデミックの際の人口10万対死亡率を見てみると、カナダ1.32、メキシコ1.05、オーストラリア0.93、イギリス0.76、シンガポール0.57、韓国0.53、フランス0.51、ニュージーランド0.48、タイ0.35、ドイツ0.31に対して、日本はわずか0.16でした(資料・岡部信彦氏)。

         

        今回のパンデミックにいたる過程を見ると、WHOの対応にかなり問題があったといえます。130日の緊急事態宣言はもっと早く出すべきでした。しかも、この緊急事態宣言においても、「旅行または貿易の制限を推奨しない」としていました。そのため、各国の水際作戦が遅れた可能性があります。

         



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