ペンス副大統領、2024年までに有人月着陸を表明

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    Pence Calls for Human Return to the Moon by 2024

     

    アメリカのペンス副大統領は326日にアラバマ州ハンツビルで行われた国家宇宙会議において、「アメリカは5年以内にアメリカ人宇宙飛行士を月に着陸させる」と述べました。

     

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    NASAが提唱していた月を周回する宇宙ステーション、「ゲートウェイ」の建設は今年の連邦予算で認められ、NASA2022年に最初のモジュールを打ち上げるべく動きはじめました。ゲートウェイはアメリカだけでなく、日本、ヨーロッパ、ロシア、カナダの国際パートナーが協力して建設することになっており、2026年に完成予定です。

     

    NASAはこれまで、2026年のゲートウェイ完成後、2028年に宇宙飛行士を月に着陸させることを目標にしていましたが、ペンス副大統領は「NASAはもっと急ぐべきである」と述べました。5年以内ということは、2024年までに有人月着陸を果たすことになります。

     

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    ペンス大統領がここまでNASAの計画を急がせる背景には、月を舞台にした中国との覇権争いがあります。中国は月の有人着陸を目指していることを表明しており、そのための超大型ロケット、長征9号を開発中です。しかし、月着陸を具体的な日程にのせるまでには至っておりません。そのような状況であるにもかかわらず、トランプ政権がここまでアグレッシブな政策をとるのは、「万が一にも中国に後れをとってはいけない」ということと、「中国が絶対に追いつけないだけの技術の差をつけたい」と考えているからです。特に後者は、アメリカの軍事技術開発戦略の根幹となっている考え方です。

     

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    かつて冷戦下のアメリカとソ連が月着陸競争を展開し、アポロ計画によってアメリカがこの競争に勝利してから、今年でちょうど50年です。まさにその年に、「宇宙強国」を標榜して宇宙の覇権を狙う中国に対し、アメリカは宇宙を舞台にした新たな競争を展開することを決意したわけです。月をめぐる米中競争の時代がはじまったことになります。

     


    ジュノー探査機が撮影した木星

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      Jupiter Marble

       

      NASAのジュノー探査機が送ってきた木星全球の美しい画像です。NASAはこの素晴らしい画像をJupiter Marble(大理石の木星の玉)と名づけました。

       

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      木星の南半球が写っており、縞模様の複雑な流れや渦がよく見えています。右上に見えているのが赤道付近にある大赤斑です。

       

      ジュノーは212日に17回目の木星接近を行いました。この画像はその時に取得された3枚の画像を合成し、色処理を行って完成させたものです。


      はやぶさ2:タッチダウン成功

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        Hayabusa 2Successfully Touched Down to Asteroid Ryugu

         

        小惑星探査機「はやぶさ2」のリュウグウへのタッチダウンが成功しました。

         

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        はやぶさ2チームは2220614分に、Gate3での自律降下フェーズへの移行を「GO」と判断しました。この時、探査機の状態は正常で、約490m の高度まで降下していました。

        以降の経過は以下の通りです。

        0726

        リュウグウまでの高度は50mを切りました。

        0748

        LGAからの電波のドップラー効果から、はやぶさ2が計画通りに上昇したことが確認されました。

        0807

        LGAからHGAへの切り替えが行われ、探査機とのテレメトリー通信が計画通り回復したことが確認されました。これによってGate5の状況確認作業が開始されました。

        0842

        Gate5でプロジェクタイル(弾丸)発射コマンドの発出、シーケンスが正常、探査機状態が正常であることが確認されました。これにより、タッチダウンが成功としているものと判断されました。

         

        詳細な解析はこれから行われることになりますが、34000kmの彼方のリュウグウ表面の、わずか直径6mの目標へのピンポイント・タッチダウンが成功したわけです。

         

        はやぶさ2ミッションはこれから7月まで息をつけない状況が続きます。インパクターをリュウグウに発射して人工クレーターをつくり、そこにタッチダウンして、宇宙風化にさらされていないリュウグウの新鮮なサンプルの回収にもチャレンジします。今後を見守りたいと思います。


        はやぶさ2:タッチダウン運用開始

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          Hayabusa 2Touchdown Sequence Began

           

          小惑星リュウグウに向けた「はやぶさ2」のタッチダウン運用が、220日朝にはじまりました。リュウグウへのタッチダウンは22208時頃の予定です。同日11時に予定されている記者会見で、タッチダウン運用が成功したかどうかの発表があります。

           

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          リュウグウの表面はボルダーとよばれる岩塊が非常に多く、はやぶさ2が安全に降りられる場所がほとんどありません。最終的に決定されたタッチダウンの目標ポイントは、すでにターゲットマーカを投下してあった場所のすぐ近くで、直径6mの円内へのピンポイント着陸を目指します。

           

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          地球からリュウグウまでの現在の距離は34000kmあります。はやぶさ2チームはそれほど遠くにあるわずか直径6mの円に探査機をタッチダウンさせようとしているのです。直径6mの円とは、太陽電池板を広げたはやぶさ2自体とほぼ同じサイズです。この円の中のどこかに、はやぶさ2のサンプラホーンが接地する必要があります。さらにタッチダウンの際には、はやぶさ2の太陽電池板が岩に接触しないように、探査機の姿勢を表面の地形に合わせて少し傾けてタッチダウンするという方法がとられます。

           

          220日の記者説明会で発表されたタッチダウン運用計画は以下の通りです。時刻は地上時刻(JST)です。また以下の時刻は確定したものではなく、状況によって変わる可能性があります。

           

          Gate1:2210743

          降下開始の可否判断開始。降下開始の判断が下されればコマンドがはやぶさ2に送られ、高度20kmのホームポジションからリュウグウへの降下が開始されます。

          Gate22211852

          降下を継続するかどうかの可否確認が開始されます。

          Gate32220602

          最終降下判断(GO/NOGO判断)を開始します。この時点でハヤブサ2はリュウグウ表面から500mの高度まで降下しており、ここでのデータを地球に送ってきます。ハヤブサ2から地球に電波が届くのには約19分かかります。はやぶさ2チームが送られてきたデータから、はやぶさ2が目標ポイントに到達できるかどうかを判断するのに約20分が予定されています。到達できると判断されれば、GOコマンドが送られます。はやぶさ2にコマンドが届くまでにまた約19分かかります。つまり、全部で約1時間かかります。はやぶさ21時間に約360mの速度で降下していますので、GOコマンドが届いた時には、はやぶさ2はリュウグウから高度140mまで降下しています。

          HGALGA2220727

          はやぶさ2のHGA(高利得アンテナ)からLGA(低利得アンテナ)に切り替えます。この時点で、はやぶさ2からのテレメトリーデータは送られてこなくなり、地上局はLGAからのビーコンを受信し、そのドップラー効果からはやぶさ2の速度や加速度を計測するだけになります。

          この時点でリュウグウからの高度は45mです。はやぶさ2はターゲットマーカを捕捉し、これを追尾しながら降下を続けます。リュウグウから高度8.5mまで降下したところで、はやぶさ2は高度を保つホバリングの状態に入ります。着陸のために少し姿勢を傾ける態勢に入り、同時に目標ポイント方向に水平移動します。着陸姿勢が整うと、はやぶさ2はいよいよ最終降下に入ります。

          タッチダウン:2220825

          はやぶさ2のサンプラホーンがリュウグウに接触すると、弾丸が発射され、リュウグウ表面の物質が回収されます。はやぶさ2はすぐに上昇を開始します。

          Gate42220825

          はやぶさ2が上昇したことの確認を開始します。

          LGAHGA2220844

          アンテナをLGAからHGAに切り替えます。

          Gate52220844

          探査機状況確認開始。アンテナをHGAに切り替えたことにより、はやぶさ2のテレメトリーデータが地上に送られるようになり、はやぶさ2チームは探査機の状態を確認することができます。上に述べた各Gateは次のステップに入るための関門であり、ここで何か問題が発生すれば、アボート(緊急上昇)となり、タッチダウン運用を中止してホームポジションに戻ることになります。また、それ以外のチェックポイントでも何か異常が発生すればアボートとなります。したがって、この段階まできて、はやぶさ2の状態が正常であることが確認されれば、それまでのシークエンスはすべて順調に進んだことになり、タッチダウン運用は成功したと考えられます。

          Gate62221837

          はやぶさ2はホームポジションに戻ります。


          オポチュニティの火星ミッションが終了

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            Opportunity Rover Mission on Mars Comes to End

             

            NASAは火星ローバー、オポチュニティのミッション終了を発表しました。

             

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            ここここここに書いたように、オポチュニティは20186月に大規模な砂嵐に遭遇し、以降、地球との通信が途絶えていました。オポチュニティ・チームはこれまでに800回以上、オポチュニティにコマンドを送りまた。2019212日に最後のコマンドを送りましたが返答はなく、NASAはミッション終了を決定しました。、

             

            オポチュニティは200377日に打ち上げられ、2004125日に火星のメリディアニ平原に着陸しました。それ以降、15年にわたって火星探査を行ってきました。その主な成果には以下があります。

             

            2005320日に1日の移動距離220mの記録を達成。

            15枚の360度パノラマを含む217000舞の画像を地球に送ってきた。

            52個の岩石表面に穴をあけ、72個の岩石表面をクリアにして、分光計や顕微鏡カメラによる火星岩石の観測を行った。

            水の存在下で生成されるヘマタイトという鉱物を発見。

            エンデヴァー・クレーターで古代に水の活動があったことを発見。

             

            オポチニティとその双子のローバー、スピリットの火星での活躍は、現在の本格的な火星探査の時代を開いたといえます。


            月にともる火:ノーマン・メイラー、アポロ宇宙飛行士に会う

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              Of a Fire on the MoonNorman Mailer Meets Apollo Astronauts

               

              アポロ11号のクルー、ニール・アームストロング、バズ・オルドリン、マイケル・コリンズは打ち上げ11日前の196975日、ヒューストンで記者会見に臨みました。すでにアームストロングが月面に下りる最初の人間になることは公表されており、会場には多くの記者が集まりました。

               

              20190211_01.jpg

               

              ジェームズ・R・ハンセンのアームストロングの伝記”FIRST MAN”にも、この時の様子が描かれています。しかし、ハンセンはこの箇所で、アームストロングらが記者会見で語ったことそのものよりは、ノーマン・メイラーが『ライフ』誌に書き、その後『月にともる火』(Of a Fire on the Moon、山西英一訳、早川書房)に収録された文章について多くを割いています。実は、その記者会見の場に、『裸者と死者』、『なぜぼくらはヴェトナムへ行くのか?』、『夜の軍隊』などで知られた作家であるノーマン・メイラーがいたのです。

               

              『月にともる火』によると、メイラーは3本の映画制作のために莫大な借金ができてしまい、それを返すために、アポロ11号について書いてほしいという『ライフ』誌のオファーを受けたのでした。メイラーにとって、最初は金を稼ぐための仕事であったかもしれませんが、やがて、彼はこれが「恐ろしい、手ごわい仕事」であり、「半端仕事から解放してくれるような大きさの仕事になるだろう」と思うようになります。実際、『月にともる火』はアポロ11号について書かれた最良の本の1つとなりました。それは単なる事実の記録ではなく、戦争や環境破壊の黙示録的世紀において、人類が月にいくことがどのような意味を持つのかを突き詰めて考えた書物ということができます。

               

              75日の記者会見は、取材を始めたメイラーが初めて宇宙飛行士が語る言葉を聞いた日であり、『月にともる火』では第1部第2章「宇宙飛行士たちの心理」がそれにあてられています。さすがにハンセンはこの章が『月にともる火』で重要な位置を占めていることを知っており、メイラーがこの記者会見で宇宙飛行士の言葉をどのように受け止めたのかを紹介しているのです。

               

              記者会見ではまずアームストロングが、言葉を選びながら、慎重に話を進めました。ところがこれが、メイラーにはアームストロングが緊張して固くなっていると感じられたようです。この点について、ハンセンはアームストロングが公式の場ではそのような話し方をすることをメイラーは知らなかったのだろうと書いています。ただし、メイラーはアームストロングに最初から何か特別なものを感じていました。「アームストロングは全くほかの人間とは違っていた」と、メイラーは書いています。「かれは明らかに、他のものが弾じてみようと考えてもみない、宇宙の中のある弦と霊的共感していた」。

               

              一方、理路整然とよどみなく話すオルドリンについては、メイラーは「トラクターみたいに頼りになる」逞しい肉体の男で、「激しく動くドリルのように話した」と書いています。またコリンズについては、「気楽」で「冷静」で、「パーティで会えば、ほとんどだれでもみんな喜ぶような男だった」としています。

               

              この日の記者会見は取材者側をグループ分けして何度も行われ、記者たちの質問がえんえんと続きます。メイラーは記者たちが「個人的告白をさせ、感情を打ち明けさせ、どうしようもない不安をみとめさせようと、どこまでも追いつづけた」と書いています。しかし3人の答はどれもNASA流の優等生的なもので、オルドリンとコリンズがいくらかの個人的なエピソードをまじえるだけでした。

               

              こうしたやりとりを聞きながら、メイラーはやがて、月に行くなどというこれまで誰もしたことのない任務を担う宇宙飛行士とはどのような人間なのかを考えはじめ、「宇宙飛行士たちの心理」を理解するためには、何か新しいものが必要だと気付くのです。「かれらこそは古い人間の最後であるか、それとも新しい人間の最初であって、新しい心理学の輪郭がひかれるまでは、かれらを測る尺度は何一つないからである」とメイラーは書いています。

               

              「かれらこそは古い人間の最後であるか、それとも新しい人間の最初であって」という箇所は、ひどく私の印象に残りました。ハンセンも同様だったらしく、やはりこの箇所を紹介しています。

               

              映画『ファースト・マン』にも7月5日の記者会見のシーンはでてきますが、残念ながらメイラーやハンセンのような宇宙飛行士についての深い考察はありませんでした。

               

              宇宙飛行士は古い人間の最後なのか? それとも新しい人間の最初なのか? 私は世界の宇宙開発の進展を見ながら、いつもそれを考え続けてきました。私の考えでは、かつて海に生きていた生物が陸上への進出を果たすために数知れない挑戦をしたように、今の宇宙開発はまだ挑戦の時代であり、宇宙飛行士は今後もしばらくの間は古い人間の代表として宇宙へ向うでしょう。しかし同時に、宇宙飛行士たちの考え方や行動規範は、来るべき新しい時代の人間の原型になる要素をもっているのではないかと考えています。その意味では、宇宙飛行士は新しい人間の最初なのでしょう。



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