新型コロナウイルスはどこから来たか?

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    From Where New Coronaviruses Came?

     

    新型コロナウイルスの感染者が急増しています。いったい、ウイルスはどこからきたのでしょうか?

     

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    コロナウイルスは遺伝子をRNAでもつウイルスで、電子顕微鏡で撮影すると、表面にある突起が王冠のように見えることから、コロナウイルスという名がつきました。コロナウイルスはヒトに風邪をおこすウイルスとして4種類が知られていました。感染しても多くの場合、症状は軽く、ほとんどの人は子供のころにかかって免疫をもっています。したがって、コロナウイルスは人類にとってそれほど危険なウイルスではなかったのです。

     

    しかしながら、21世紀になってから、ヒトにはげしい症状をもたらすコロナウイルスが出現しています。

     

    最初の出現は2002年のSARS(重症急性呼吸器症候群)コロナウイルスでした。中国の広東省で発生。このときの感染者の合計はWHOによると20312月で8069人、死亡者はこのうち775人でした。次の出現はMARS(中東呼吸器症候群)コロナウイルスで、2012年にサウジアラビアで発生。感染者は27か国におよび、2494人が感染、うち858人が死亡しました。上の画像はMARSウイルスの電顕写真です。

     

    そして3回目の出現が、今回の新型コロナウイルスということになります。すなわち、これまではそれほど深刻な症状を引き起こさなかったウイルスが変異し、波状的に人間の世界に侵入しつつあるということになります。

     

    SARS発生当初はハクビシンが感染減と考えられていました。しかし、その後の中国研究者による調査によって、2017年にキクガシラコウモリが自然宿主であることが明らかにされました。キクガシラコウモリの世界でやりとりされていたウイルスが人に感染するウイルスに変異し、ハクビシンを媒介にして人間の世界にもたらされたと考えられます。

     

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    MARSは、ヒトコブラクダからヒトに感染しましたが、この場合も、ラクダは媒介者で、自然宿主はエジプシャントゥームバットというコウモリであることがわかっています。

     

    コウモリは、人間の世界に突然現れるエマージング・ウイルスの自然宿主となっていることが多いようです。エボラウイルスやマールブルグウイルスなど激烈な症状と高い致死率をもつフィロウイルスの宿主は、アフリカに生息するオオコウモリと考えられいます。

     

    今回出現した新型コロナウイルスは遺伝子がSARSウイルスと80%以上一致しているという報告もあるようで、おそらくキクガシラコウモリを自然宿主とするウイルスでしょう。そのウイルスに感染した家畜もしくは野生動物が市場にもちこまれ、人に接触したことから感染が始まったと考えられます。

     

    感染者が報告された当初は、ヒト・ヒト間の感染は確認されていないという報道がありました。しかし、2週間近いとされるウイルス感染後の潜伏期間を考えると、この考えは甘かったかもしれません。感染者の増加状況を見ていると、おそらく、新型コロナウイルスはヒトに感染してから変異してヒト・ヒト間の感染能力を獲得したのではなく、最初からヒト・ヒト間での感染能力をもっていた可能性があります。


    宇宙開発の未来年表

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      世界の宇宙開発の近未来予測をまとめた『宇宙開発の未来予想』(イースト新書Q)が発売になりました。驚くべき勢いで進んでいる世界の宇宙開発動向が2時間でわかります。

       

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      2020年は世界の宇宙開発にとって、大躍進の年になるでしょう。商業宇宙船スターライナーとクルードラゴンの就航で、アメリカは再び、アメリカの領土からアメリカの宇宙船でアメリカの宇宙飛行士を打ち上げることができるようになります。アルテミス計画では、いよいよアルテミス1(無人月周回ミッション)が行われます。宇宙観光旅行もはじまります。

       

      日本も「はやぶさ2」の地球帰還と、新型基幹ロケットH3の試験機1号機の打ち上げをひかえています。

       

      一方、中国は年末に長征5号がリターン・トゥー・フライトに成功し、今年は独自の宇宙ステーション「天宮」の建設が開始され、月面物質のサンプルリターンをめざす嫦娥5号の打ち上げも行われます。

       

      民間の宇宙活動もますます活発になります。今年は世界の宇宙開発から眼が離せません。


      長征5号:打ち上げ再開に成功

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        Long March 5 LaunchedSuccessful Return-to-Flight

         

        12272045分(北京時間、日本時間2145分)、中国の重量級ロケット「長征5号」が海南島の文昌衛星発射センターから打ち上げられ、技術試験衛星「実践20号」の静止軌道投入に成功しました。

         

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        実践20号はDFH-5衛星バスを使用した重量約8トンの大型通信衛星で、Q/Vバンドでの通信やレーザー通信の試験を行うとのことです。

         

        長征5号は201611月に初打ち上げに成功しましたが、20177月の2回目の打ち上げで、第1段エンジンに不具合が起こり、「実践18号」の打ち上げに失敗しました。今回の打ち上げ成功でリターン・トゥ・フライトを果たしたことになります。

         

        今回の打ち上げ成功により、2020年には長征5号による火星探査機「真容」や、月物質のサンプル・リターンを目指す「嫦娥5号」の打ち上げが行われることになります。また、長征5Bによる中国の宇宙ステーションのコア・モジュール「天和」の打ち上げも行われる可能性があり、中国の宇宙活動に拍車がかかるとみられます。


        スターライナー:ホワイトサンズに帰還

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          Starliner Lands at White Sands

           

          ボーイング社の新型宇宙船スターラーナーは、ニューメキシコ州ホワイトサンズに帰還しました。

           

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          スターライナーは1222日午前723分(日本時間2123分)に軌道離脱のエンジン噴射を行いました。約3分後にサービル・モジュールを分離。

           

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          降下を続けたクルー・モジュールは約20分後に大気圏に再突入するエントリー・インターフェイスに到達しました。748分には地上チームはスターライナーの追跡を開始。地上はまだ夜明け前でしたが、すぐに赤外線映像での捕捉が開始されました。

           

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          赤外線の映像はドラッグ・シュートの開傘、さらにメイン・パラシュートの展開をとらえました。

           

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          その後、ヒートシールドを分離。

           

          758分(日本時間2158分)、スターライナーはホワイトサンズ宇宙港に着陸しました。かつて、スペースシャトルも着陸したことのある場所です。

           

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          地上チームのうち、まずゴールド・チームが有害ガスであるヒドラジン除去のためカプセルに近づく様子は、スペースシャトルの着陸をほうふつとさせるものでした。やがてシルバー・チームに続いてクルー回収のためのブルー・チームも到着しました。

           

          カプセル内の点検作業には、NASAのマイク・フィンク宇宙飛行士、ニコール・マン宇宙飛行士、ボーイング社のクリス・ファーガソンらも参加しました。

           

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          下の写真には、今回の飛行で宇宙飛行士に代わって搭乗したダミー宇宙飛行士、ロージーの顔が見えています。

           

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          素晴らしい着陸でした。久しぶりに、有人仕様の宇宙船がアメリカの大地に着陸したのです。


          スターライナー:ホワイトサンズに着陸へ

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            Starliner Capsule Expected to Land at White Sands Space Harbor

             

            スターライナーを打ち上げた有人宇宙船打ち上げ仕様のアトラス5は、第1段にケロシンを燃料とするRD-180エンジン2基が使われ、これに固体ロケット・ブースターが2本装着されています。上段はRL-10A-4-2エンジン2基を用いた新型のデュアル・エンジン・セントールでした。

             

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            RD-180エンジン点火4秒後に固体ロケット・ブースターが点火され、アトラス5は離昇します。その後、以下のようにシークエンスが進んでいきます。

            06秒:ピッチとヨーのマヌーバー開始

            41秒:最大動圧

            0105秒:音速に到達

            0222秒:固体ロケット・ブースター切り離し

            0429秒:アトラス・エンジン燃焼終了(BECO

            0435秒:アトラス・ロケット切り離し

            0445秒:セントール上段エンジン・スタート(MES-1

            1154秒:セントール上段燃焼終了(MECO

            1454秒:セントール上段切り離し

             

            今回、ここまでは計画通りに行われました。これによってスターラーナーはサブオービタル軌道に投入されました。この後、スターライナーのエンジンンで、国際宇宙ステーション(ISS)への軌道に入る操作が行われます。サブオービタル軌道は放物線軌道なので、宇宙船側で何もしなければ、やがて地上に降下していきます。宇宙船をまずサブオービタル軌道に入れるのは、宇宙船に何か不具合が発生した場合に、何もしなくても地球に帰還できるからです。スペースシャトルでも同じシークエンスがとられていました。

             

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            スターライナーは打ち上げから31分後に、自らの軌道操作エンジンと姿勢制御エンジンの噴射でISSへの軌道に入る予定でした。軌道変更のエンジン噴射は行われたものの、何らかの原因で、計画されたISSへの軌道に入ることができなかったのです。

             

            1222日のスターライナーのホワイトサンズ着陸機会は2回とのことです。午前8時(日本時間22時)、午後350分(日本時間23日午前1050分)です。

             

            大気圏再突入時の温度は1650℃にもなります。ヒートシールドがこの高熱からスターライナーを防護します。高度約9kmで2個のドラグ・パラシュートが展開し、さらに3個のメイン・パラシュートが開きます。その後、ヒートシールドを分離し、高度900mでエアバッグが膨らみ、着地の衝撃を吸収します。

             

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            今回の帰還場所はニューメキシコ州ホワイトサンズ宇宙港ですが、スターライナーは全部で5か所の着陸サイトを設定しています。ホワイトサンズ・ミサイル実験場内にもう1か所、ユタ州にあるダグウェイ実験場、アリゾナ州のウィルコックス・プラヤ乾湖、そしてカリフォルニア州のエドワーズ空軍基地です。


            スターライナー:48時間以内にホワイトサンズに帰還

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              Starliner to Return to White Sands in 48 hours

               

              ボーイング社の新型宇宙船スターライナーは、1220日午前636分(日本時間2036分)、ケープ・カナヴェラルの41射点から打ち上げられました。

               

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              ULAのデルタ5による打ち上げは完ぺきに行われました。しかしながら、セントール上段切り離し後のスターライナー自身の軌道操作エンジンおよび姿勢制御エンジンの噴射が計画通りに行われず、スターライナーは国際宇宙ステーションにドッキングするための軌道に入ることができませんでした。

               

              このため、NASAとボーイング社は国際宇宙ステーションへのドッキングを行わず、スターライナーを48時間以内にホワイトサンズに帰還させることにしました。宇宙船を無事に帰還させることも今回の軌道飛行試験(OFT)の重要な目的です。

               

              私は打ち上げからNASAの記者会見までをNASA TVで見ていました。ISSへのドッキングは行われないことになりましたが、ULAの打ち上げ管制室やNASAヒューストンのミッション・コントロール・センター、そしてボーイング社のミッション・コントロールの様子をみていると、スペースシャトル退役以後、久しく見ることのできなかったNASAの有人宇宙船打ち上げシーンがやっと戻ってきたという思いがわき上がってきました。

               

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              アメリカの宇宙船がアメリカの射場から打ち上げられる時代が、もうすぐ始まろうとしているわけです。

               

              NASAの記者会見にはブライデンスタイン長官のほか、スターライナーに搭乗予定のマイク・フィンク宇宙飛行士やニコール・マン宇宙飛行士も参加しました。

               

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              記者の質問に、言葉を選んで答えなければならない会見となりました。NASAにとって、ここは踏ん張りどころです。



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              『宇宙開発の未来年表』(イースト新書Q) amazonで購入

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