ナスカのミステリー(1):砂漠に広がる巨大な地上絵

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    Nazca’s Mystery (1)Lines on the Desert

     

    ペルーの首都リマから南に約400km。アンデス山脈のふもとのナスカ台地に、巨大な地上絵が残されています。

     

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    ナスカ台地はアンデス山脈からの流れがつくった扇状地が砂漠になった土地で、雨はほとんど降りません。飛行機から見ると、まるで他の惑星に来たような荒涼とした風景が広がっています。面積は220平方kmほどで、北はインヘニオ川に、南はナスカ川によって区切られています。下の画像はナスカ台地の北半分です。

     

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    ナスカ台地には1000本以上の直線や多数の四角形、三角形、渦巻きやジグザグなどの幾何学模様、さらにはさまざまな動植物が描かれています。それらはみな巨大で、直線の中には長さ8km以上におよぶものもあります。くさび型をした四角形の最大のものは長さ1.6km、動物などの絵柄でも全長が100mをこえるものがあります。現在もいくつかの地上絵が新たに発見されています。

     

    地上絵のほとんどは、無数とも思える直線です。これらはランダムに分布しているわけではなく、ある点から放射状に広がる傾向を示しています。このような直線が放射状に広がるポイントとして、合計62か所が確認されているといいます。直線や細長いくさび型をした四角形などはナスカ台地に広く分布しています。

     

    一方、動物や植物の絵柄は、インヘニオ川に近い台地北端約10平方kmの地域に集中しています。そこにはサル、クモ、イヌ、コンドル、ハチドリ、サギ、トカゲ、ヘビ、クモ、トンボ、クジラ、シャチ、トンボ、クモ、サルなどの動物や、花や海藻などの植物、渦巻きなどの模様が描かれています。クモやサル、トリ、渦巻きなどは、アンデス一帯では古くから水に関するシンボルであったといわれています。動物や植物の絵柄はナスカの地上絵全体からみると、その数は少なく、全部で30個ほどです。これらの動植物はみな、古代ナスカの人々の生活に深い関係があったものなのでしょう。

     

    砂漠の上に描かれた動物たちや植物、幾何学模様は、一筆書きの単純な線画ですが、それぞれの特徴がみごとにとらえられており、きわめて印象的です。ナスカの地上絵がわれわれをひきつけてやまないのは、巨大さだけではなく、その芸術性にもあるのです。

     

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    これらの地上絵を描いたのは、紀元前100年ごろから紀元500年ごろまでこの土地に栄えていたナスカ文化をになった人々です。ナスカ文化は独特の装飾やあざやかな色彩をもつ陶器で知られており、それらの陶器には地上絵と同じような模様や動植物が描かれています。ナスカの人々はインヘニオ川やナスカ川両岸の峡谷でトウモロコシや綿花の農耕を営んでいましたが、自生していたキアベの森林を伐採しすぎたため、エコシステムが破壊され、この地から姿を消したと考えられています。

     

    ナスカ台地は表面10cmほどが、酸化して黒味を帯びた小石でおおわれていて、その下の土は白っぽい色をしています。ナスカの地上絵は表面の黒い石を取り除いた白い線で描かれています。取り除いた小石は縁に並べられ、図形の輪郭を強調することに使われていました。ナスカ台地は世界で最も乾燥した場所のひとつであるため、地上絵は2000年にわたってそのままの姿を保ってきました。


    天宮1号の地球落下は3月か

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      China's Tiangong-1 falls to Earth in March

       

      制御不能になっている中国の軌道上実験モジュール、天宮1号は、現在1日に約160mずつ高度を下げています。2017年末の段階では天宮1号の大気圏再突入は20181月か2月と予測されていました。しかし、アメリカの非営利団体エアロスペース・コーポレーションの最近の発表によると、大気圏再突入は3月で、最も確率が高いのは3月中頃とのことです。201813日現在の天宮1号の高度は遠地点が293km、近地点が270kmとなっています。

       

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      天宮1号は全長10.4m、重量8.5tで、大気圏に再突入した際、大部分は分解し、燃えつきてしまいますが、破片の一部は燃えつきずに海上または地上に落下する可能性があります。1997年には、電源に原子炉を使用していたソ連の衛星の一部がカナダに落下したことがあります。また、1998年にはアメリカの宇宙実験室、スカイラブの破片がオーストラリアに落下しました。

       

      天宮1号の軌道傾斜角は約43度です。したがって、赤道をはさんで北緯43度から南緯43度の間のどこかに破片が落下する可能性があります。ただし、大気圏再突入の直前にならないと、どこに落ちてくるかはわかりません。北緯43度というと、北海道の一番南にあたりますので、本州、四国、九州、沖縄が落下領域に含まれます。ただし、日本に落下する確率は1000分の1以下です。

       

      天宮1号は主に神舟宇宙船のドッキング・ターゲットとして用いられた軌道モジュールです。搭載した実験装置や観測装置の数も限られており、燃えつきずに落下してくる破片が多いとは考えられません。また破片は1か所に落ちてくるわけではなく、落下する経路にそってばらばらと落ちてきます。したがって、破片による人命被害や物的被害を過度に心配する必要はありません。

       

      天宮1号の姿勢制御や軌道変更を行うロケットエンジンは、燃料にヒドラジンを使用しています。ヒドラジンは強アルカリ性の有害物質で、これに触れると、皮膚や粘膜はただれたり火傷のような状態になったりします。また、吸いこんだ場合には肺の組織が損傷したり、呼吸困難におちいったりします。1996年には中国の長征3Bロケットの打ち上げが失敗し、ロケットは発射直後に近隣の村に落下しました。燃料のヒドラジンによって多数の死亡者が発生しました。

       

      天宮1号の燃料タンクにはまだヒドラジンが残っている可能性があります。大気圏再突入の際、燃料タンクは破壊され、ヒドラジンはすべて燃えてしまうと考えられますが、タンクが破壊されずに地上に落下した場合は、接触しないように注意が必要です。

       

      天宮1号のような大きな宇宙構造物は、運用終了後、太平洋に制御落下させるのが常識です。2001年、ロシアはソ連時代から運用していた重量120t以上のミール宇宙ステーションを、南太平洋に制御落下させました。燃えつきなかった破片は海上に落下しましたが、何の被害もありませんでした。中国も当初、天宮1号の制御落下を考えていましたが、20163月に制御不能となりました。姿勢制御システムに不具合が生じ、太陽電池パネルが太陽の方向に向けることができなくなったようです。このため、バッテリーに充電できず、電源が落ちてしまいました。中国は今後、独自の宇宙ステーションの建設を計画しています。運用終了後の軌道モジュールを安全かつ確実に制御落下させる能力をもつことは、中国の宇宙開発にとって大きな課題です。

       

      天宮1号が周回しているあたりの宇宙空間にも、ごくわずかですが大気の成分が残っています。その抵抗を受けて、天宮1号は次第に高度を下げているのです。地球をまわる人工衛星や宇宙船などが大気の影響をまったく受けなくなるのは高度600km以上といわれています。天宮1号が現在周回しているあたりの高度では、大気の主成分は酸素原子です。酸素原子の濃度はその時の太陽活動などによって変動するため、天宮1号が受ける大気の抵抗も変動します。したがって再突入時期を正確に予測することは困難です。3月という予測はあるものの、天宮1号がいつ再突入するか、用心して見守る必要があります。


      フォトグラフ51:ロザリンド・フランクリンとDNA

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        Photograph 51:Rosalind Franklin and DNA

         

        『フォトグラフ51』が日本でも公演されることになりました。「フォトグラフ51」とは、ジェームス・ワトソンとフランシス・クリックがDNAの二重らせん構造を発見する上で決定的な役割を果たした、DNAのX線回折写真のことです。『フォトグラフ51』は2010年10月27日から11月21日まで、ニューヨークのアンサンブル・スタジオ・シアターで初公演されました。

         

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        現代生物学の基礎となったDNAの二重らせん構造発見の経緯については、ワトソン自身の著書『二重らせん』に生き生きと書かれています。1951年、イギリス、ケンブリッジ大学のキャベンディッシュ研究所にやってきたワトソンは、自分に本来与えられた研究とは別に、クリックと一緒にDNAの構造を解明する研究をはじめます。それこそが遺伝のしくみを解き明かす鍵と考えたからです。その頃ロンドンのキングス・カレッジではモーリス・ウィルキンスがDNAを研究していましたが、1950年にキングス・カレッジにやってきた同僚のロザリンド・フランクリンとの人間関係がうまくいかない困難を抱えていました。フランクリンはX線回折の専門家で、キングス・カレッジでDNA結晶の鮮明なX線回折写真を撮りはじめていました。

         

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        フランクリンのX 線回折写真を見たワトソンは、DNA が二重らせん構造をもっていることを確信し、これが世紀の発見へとつながりました。そのX線写真がフォトグラフ51です。

         

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        DNAの二重らせん構造に関するワトソンとクリックの論文は『ネイチャー』誌の1953年4月23日号に発表され、1962年、ワトソンとクリック、ウィルキンスはDNAの構造決定の業績によりノーベル医学・生理学賞を受賞しました。そのときフランクリンは卵巣がんですでに他界していました。彼女が研究で使っていたX線のためともいわれています。

         

        1975年、フランクリンと親交のあったアン・セイヤーは ”Rosalind Franklin and DNA”(『ロザリンド・フランクリンとDNA――ぬすまれた栄光』)を出版しました。この本は、『二重らせん』の中でフランクリンに関してワトソンが書いていることへのいわば反論として書かれたものです。セイヤーは、『二重らせん』や『ネイチャー』論文では、彼女の業績が正当に評価されていないこと、『二重らせん』でワトソンが描いているフランクリン像は一面的であり、実際のフランクリンは人間的にも素晴らしい女性であったことなどを述べています。

         

        二重らせん発見に関するフランクリンの業績に関しては、今では正しい評価がなされていると思いますが、1970年代にはアン・セイヤーの邦訳のサブタイトルにあるように、ワトソンとクリックはフランクリンの業績を盗んだという見方もあったのでしょう。しかし、この点についてはワトソンたちが目指していたものと、フランクリンが考えていた研究の進め方が異なっていたということに注意しなくてはなりません。ワトソンとクリックはDNA の構造を明らかにすることこそが、遺伝現象を分子レベルで解明するために最も大事であると考えていました。一方、フランクリンは当時、より鮮明なX 線回折写真を撮ることに高い優先度を置いていたようです。私は1981年にワトソンが来日した折、彼にインタビューしましたが、そのとき、ワトソンは自分からフランクリンについて話をはじめ、(もしも彼女がDNA の構造解明を最優先に考えていれば)「彼女も二重らせんを発見できたはずだ」と語っています。

         

        『二重らせん』でのワトソンの記述がフランクリンの人格を傷つけているというセイヤーの主張に、私は賛成しません。ワトソンやウィルキンスを拒絶する様子が多少誇張されて書かれているとはいえ、彼女が一流の科学者であり、人間的にもすぐれた人物であったことは『二重らせん』を読んだだけでもわかります。なお、フランクリンの一生については、ブレンダ・マッドクスが2002年に、”The Dark Lady of DNA”(『ダークレディと呼ばれて 二重らせん発見とロザリンド・フランクリンの真実』)というすぐれた伝記を出版しています。ちなみに、私はセイヤーの邦訳に加えられたサブタイトル「ぬすまれた栄光」と、マドックスの邦訳のタイトル「ダークレディと呼ばれて」については、著者の意図以上のものが感じられ、あまり気に入っていません。

         

        『フォトグラフ51』では、フランクリンを主人公に、当時の研究室での人間模様が演じられます。ニコール・キッドマンがフランクリン役を演じて有名になってしまいましたが、2010年にアンサンブル・スタジオ・シアターで公演されたときにフランクリン役を演じたのはクリステン・ブッシュでした。

         

        なぜ『フォトグラフ51』が多くの人の心を引き付けたのか。私には『ロザリンド・フランクリンとDNA――ぬすまれた栄光』の解説で中村桂子氏が書いている以下の文が、その答に最もふさわしいような気がします。「『二重らせん』と本書は、三人のあいだの葛藤を通して、知識の追求に明け暮れる冷たい世界と思われがちな科学研究の場が、いかに人間臭い、個性と個性のぶつかり合いの場であるかを示してくれたからこそ興味深い読み物なのかもしれない」

         

        『サイエンティフィック・アメリカン』誌の当時のブログは、公演が行われている最中の2010年11月2日に、この演劇をめぐってアンサンブル・スタジオ・シアターのすぐ近くで行われたパネル・ディスカッションを紹介しています。このパネル・ディスカッションには『ニューヨーク・タイムス』紙の科学記者マイケル・ウェイド、カリフォルニア州立大学の生物学学者リン・エルキン、ラトガーズ大学の生物学者ヘレン・バーマン、そして『フォトグラフ51』の脚本を書いたアンナ・ジーグラーが出席し、コロンビア大学の生物学者スチュアート・ファイアスタインがモデレーターをつとめ、かつてアン・セイヤーが提起した点が改めて議論されました。

         

        このパネル・ディスカッションにはワトソンも出席する予定だったのですが、コールド・スプリング・ハーバー研究所での会議出席のために参加できませんでした。しかし、同じ『サイエンティフィック・アメリカン』誌のブログは、『ニューズウィーク』誌のアンナ・クッシュメントが11月16日に、ワトソンやコールド・スプリング・ハーバー研究所のヤン・ウィトコウスキー、アレックス・ガンらと食事をしたときの会話が紹介されています。

         

        ワトソンだけでなく、ウェイドもウィトコウスキーもガンも、私にとってはマンハッタンやロングアイランドのコールド・スプリング・ハーバー研究所で何度も会ったことのある、なつかしい人たちです。50年以上前のことではあるものの、科学の世界の重要な発見につながったドラマチックな出来事が、オフブロードウェイの小さな劇場で演じられ、それについて科学者やジャーナリストが熱心に議論し、最後には当のワトソンまでがロングアイランドから出かけてきて議論に参加してしまうニューヨークという街は、やはり世界の他のどこにもない魅力をもっています。

         


        宇宙飛行士ジョン・ヤング

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          Astronaut John Young

           

          NASAの元宇宙飛行士ジョン・ヤングさんが1月5日に亡くなりました。ヤングさんはNASAの伝説的な宇宙飛行士の1人です。

           

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          ヤングさんは海軍の出身で、1962年にNASAの第2期の宇宙飛行士に選抜されました。1965年にジェミニ3号に搭乗、1966年にはジェミニ10号に搭乗しました。1969年にはアポロ10号の司令船パイロットとして月を周回、1972年にはアポロ16号のコマンダーとして月面に降り立ちました。

           

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          アポロ計画は1972年に終了し、ジェミニ、アポロ時代の宇宙飛行士がNASAを離れる中、ヤングさんはNASAにとどまり、1981年4月のスペースシャトルの初飛行STS-1のコマンダーをつとめました。スペースシャトルの最初の4回の飛行は試験飛行と位置付けられており、クルーはコマンダーとパイロットの2名。着陸時に異常事態が発生した場合に緊急脱出できるよう、座席は射出席となっていました。スペースシャトルはそれまでのカプセル型宇宙船とはことなる有翼の再使用型宇宙船であり、その最初の宇宙飛行には未知の要素も多く、今では想像できないほど危険と隣り合わせの飛行でした。実際、打ち上げの際にスペースシャトル下面の断熱タイルがいくつかはがれるというアクシデントが起こりました。しかし、この飛行が成功することにより、宇宙開発は新しい時代を迎えたのです。

           

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          私は1981年7月、ヒューストンのジョンソン宇宙センターにヤングさんを訪ね、スペースシャトルの飛行についていろいろ話をうかがいました。ベテランの宇宙飛行士らしく、ヤングさんの説明は具体的かつ非常に分かりやすいものだったことを記憶しています。特に印象的だったのは大気圏再突入時の様子でした。スペースシャトルは高温のプラズマに包まれ、コックピット前方の窓いっぱいに明るい輝きが広がりましたが、それは素晴らしい光景であったと、ヤングさんは語っていました。また、その輝きの色はアポロ宇宙船の大気圏再突入時の白い輝きに比べて赤みを帯びており、スペースシャトルの大気圏再突入が、アポロ宇宙船ほど高温ではないことを実感したとも語っていました。

           

          ヤングさんはアポロ時代の経験をスペースシャトル時代の宇宙飛行士に伝える重要な役割を果たすとともに、1983年にはSTS-9の船長として再びスペースシャトルに搭乗しました。このときのミッションは、スペースラブによる宇宙実験でした。

           

          ヤングさんは1987年まで現役の宇宙飛行士にとどまり、2004年にNASAをリタイアしました。

           

          下の写真は2011年7月にスペースシャトル最後の飛行STS-135が行われた後に撮影された写真で、スペースシャトル最初の飛行STS-1と最後の飛行STS-135のクルー全員が写っています。

           

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          中央がジョン・ヤングさんです。その左はSTS-1のパイロットのロバート・クリッペン、その左がSTS-135のダグ・ハーリー。ヤングさんの右がSTS-135のコマンダーのクリス・ファーガソン、その右はSTS-135のサンディー・マグナス、そしてレックス・ウォルハイムです。


          NASAの商業クルー輸送計画

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            NASA’s Commercial Crew Program

             

            2018年はNASAの商業クルー輸送計画(CCPCommercial Crew Program)にとって、大きな飛躍の年になりそうです。CCPとは国際宇宙ステーション(ISS)へのクルー輸送にアメリカの民間の有人宇宙船を使う計画です。

             

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            2011年にスペースシャトルは退役しましたが、NASAはそれ以前から将来のISSへのクルー輸送に民間の宇宙船を使う計画を進めていました。この計画にもとづき、ボーイング社はCST-100 (スターライナー)を、スペースX社はドラゴン宇宙船の有人型(クルー・ドラゴン)の開発を進めてきました。また、ロバート・ベンケン、サニータ・ウィリアムズ、エリック・ボー、ダグ・ハーリーの4名の宇宙飛行士がCCPミッションにアサインされ、現在訓練を続けています。

             

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            CCPのロゴはNASAの宇宙飛行のシンボルとしてアポロ計画の頃から使われてきたデザインをベースにしています。3本の光線が通り抜けるリングは地球周回軌道を意味しています。

             

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            ボーイング社のCT-100 スターライナーはULAのアトラスV型ロケットを使ってケネディ宇宙センターの41発射台から打ち上げられます。

             

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            スペースX社のドラゴン有人型(クルー・ドラゴン)はケネディ宇宙センターの39A発射台からファルコン9ロケットで打ち上げられます。

             

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            両社ともまずISSへの無人試験飛行を行った後、ISSへの有人試験飛行を行う予定です。両社の宇宙船とも定員は6名ですが、有人試験飛行は2名で行われる予定です。これらの成功後、NASA2019年から2014年まで間、各6回のクルー輸送ミッションを発注する予定です。それぞれ1年に1回の飛行という計算になります。

             

            2018年は初の有人試験飛行に向けた重要な年になります。スペースX社では2018年の第2四半期にISSへの無人試験飛行を、第3四半期の有人試験飛行を行うことを目指しています。ボーイング社のスターライナーはそれよりも少しスケジュールが遅れそうです。


            2018年の主な天文現象

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              Astronomical Calendar 2018

               

              2018年にはどのような天文現象があるでしょうか。天体写真家の藤井旭さんから送っていただいたチロ天文台の天文現象カレンダーを参考にご紹介しましょう。

               

              特に注目すべき天文現象は皆既月食、15年ぶりの火星大接近、肉眼で見える46P/ウィルタネン彗星、おうし座の1等星アルデバランの食、ペルセウス座流星群などでしょう。また、今年の中秋の名月は924日になります。満月は1日前923日です。中秋の名月は旧暦の815日で、天文現象の満月と日付がずれることはしばしば起こります。

               

              皆既日食は131日と728日の2回あります。特に131日の皆既月食は全国で最良の条件で赤銅色の皆既月を楽しむことができます。

               

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              728日の皆既月食は夜明け前の西の低い空で起こり、皆既のまま沈みます。

               

              火星は731日に最接近します。この時、火星はやぎ座の方向にあり、地球との距離は57589633km0.384963天文単位)、明るさは−2.8等になります。

               

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              46P/ウィルタネン彗星は1216日に地球に最接近します。このとき、彗星はおうし座の方向にあり、地球との距離は0.078天文単位です。

               

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              アルデバランの食は127日で、北日本で見ることができます。

               

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              ペルセウス座流星群は813日に極大となります。12日の夜遅くから13日の未明が一番のみどころですが、13日夜遅くから14日の未明にも多くの流星が見られます。今年は月がなく、最良の条件で流星群を楽しむことができます。

               

              2018年の主な天文現象

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              7日:C/2017 TI彗星が地球に接近(カシオペヤ座で8等級)

              9日:金星が外合(以後、夕方の西天で宵の明星となる)

              14日:くじら座の変光星ミラが極大(本年1度目の極大光度、本年は極大が2回ある)

              27日:おうし座の1等星アルデバランの食(宵空で北日本方面で食される)

              31日:皆既月食(最良の条件で赤銅色の皆既月が楽しめる)

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              2日:しし座の1等星レグルスの食(明け方の西天で潜入・出現とも見られる)

              4日:準惑星ケレスが衝(かに座で6.9等)

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              27日:火星が西矩(731日の大接近に向け、注目される存在となる)

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              23日:4月こと座流星群が極大(上弦の月没後は好条件)

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              9日:木星が衝(てんびん座の肉眼二重星α1~2と接近)

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              20日:小惑星ベスタが衝(いて座で5.3等の肉眼光度)

              27日:土星が衝(環が大きく開いている)

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              28日:皆既月食(夜明け前の西天低く、皆既のまま月入帯食)

              31日:火星が大接近(15年ぶりの大接近)

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              5日:C/2017 S3彗星がカストルに接近(夜明け前の東天低く5.8等?)

              13日:ペルセウス座流星群が極大(月明はなく最良の条件)

              18日:金星が東方最大離角(夕方の西天で宵の明星として見える)

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              8日:海王星が衝(みずがめ座で7.8等)

              10日:21P/ジャコビニ・ツィナー彗星が地球最接近(ぎょしゃ座で6.6等)

              21日:金星が最大光度(夕方の西天で−4.6等)

              24日:中秋の名月(満月1日前の名月、十三夜は1021日)

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              18日:月と火星が接近(宵空でならぶのが人目を引く、火星は−0.9等)

              24日:天王星が衝(うお座で5.7等)

              25日:金星が内合(以後、明け方の東天で明けの明星となる)

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              18日:しし座流星群が極大(月没後好条件)

              12

              2日:金星が最大光度(明け方の東天で−4.7等)

              12日:ミラが極大(本年2度目の極大光度)

              14日:ふたご座流星群が極大(東京で2237分の月没後は最良の条件)

              16日:46P/ウィルタネン彗星が地球に最接近(おうし座で3.5等の肉眼彗星)



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