ダークエネルギーの密度は時間とともに増加

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    Dark Energy Density Increasing with Time.

     

    クェーサーの観測データから、ダークエネルギーの密度が宇宙の歴史とともに増加しているという結果が得られたとのことです。ダークエネルギーというのは宇宙を膨張させているエネルギーですが、現代の科学ではその正体が何であるか分かっていません。

     

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    クェーサーは、非常に遠方にある活動銀河の中心核と考えられています。中心核には超巨大ブラックホールがあり、周囲の物質をのみ込んでいます。このとき紫外線が発生します。その一部は中心核周囲の高温ガスの電子と衝突し、紫外線のエネルギーをX線のエネルギーにまで高めます。この現象によってクェーサーからの紫外線の強さとX線の強さには相関が生じ、この相関からクェーサーまでの距離を知ることができるのです。

     

    イタリア、フローレンス大学のRisalitiとイギリスのダラム大学のLussoは、1598個のクェーサーについて、NASAのチャンドラX線宇宙望遠鏡とESAのX線観測衛星XMM-Newtonから得られたX線のデータ、および宇宙の詳細な地図をつくるSDSS(スローン・デジタル・スカイサーベイ)から得られた紫外線データを用い、それぞれのクェーサーまでの距離を求め、そこから宇宙初期の膨張率を求めて、ダークエネルギーがどのように作用しているかを調べたのです。

     

    遠い銀河にあるIa型超新星の明るさや銀河の赤方偏移の観測によって、今から90億年前から現在までの宇宙膨張の様子が明らかにされ、現在の宇宙は加速膨張していることが分かっています。この加速膨張や宇宙マイクロ波背景放射などの観測結果をよく再現し、現在標準的な宇宙モデルとなっているのが、ΛCDMモデルです。Λ(ラムダ)はアインシュタインの考えた宇宙項(宇宙定数)で、ダークエネルギーを意味します。CDMは冷たいダークマターのことです。私たちの宇宙は曲率がゼロで、ダークエネルギーであるΛと冷たいダークマターをもつと考えるモデルです。

     

    しかし、このΛCDMモデルにも問題が残されています。それは、ダークエネルギーの正体は宇宙項という一定の値ではないのではないか、ダークエネルギーは時間とともに変化するのではないかという問題です。もしもそうだとすると、ΛCDMモデルには修正が必要です。

     

    RisalitiとLussoの研究は、ΛCDMモデルが宇宙の初期においても正しいかどうかを調べるものでした。二人はきわめて遠方のクェーサーのデータを解析することにより、今から120億年も過去にまでさかのぼり、宇宙の膨張率を調べました。その結果、ダークエネルギーの密度が時間とともに増えていることを示唆する結果を得たのです。

     

    今回の結果はきわめて興味深いものですが、さらに検証が必要です。今後、より高い精度で宇宙膨張を観測し、時間とともに膨張速度がどのように変化しているのかを調べる必要があります。


    パーカー・ソーラー・プローブ:太陽をまわる2周目の軌道に

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      Parker Solar Probe Begins Second Sun Orbit

       

      20188月に打ち上げられたパーカー・ソーラー・プローブはすべての機器が順調に作動しており、太陽を周回する2周目の軌道に入っています。

       

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      下の図がパーカー・ソーラー・プローブの軌道です。緑の線がこれまでの軌道で、これからの軌道は赤い線で示されています。

       

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      現在、パーカー・ソーラー・プローブは太陽から最も離れる遠日点をすぎたところです。最初の周回で最も太陽に近づく近日点に達したのは201811月で、この時、太陽〜水星間の距離の約半分にまで達しました。パーカー・ソーラー・プローブは太陽を合計24周する予定です。

       

      2周目の軌道で近日点に達するのは今年の4月です。それまでに1周目の軌道で得られた科学データがすべて地球に送られてくる予定です。これまで見たこともなかったような太陽の姿を、もうすぐ見ることができるでしょう。


      共生星みずがめ座R

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        Symbiotic Binary Star R Aquarii

         

        ヨーロッパ南天天文台(ESO)の大型望遠鏡VLTが撮影した共生星みずがめ座Rの画像です。系外惑星探索用にVLTに設置された観測装置SPHEREの試験観測で得られたものです。

         

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        共生星とは赤色巨星と白色矮星の連星系のことをいいます。みずがめ座Rの赤色巨星はミラ型の長周期変光星で、周期的に膨張したり縮小したりすることによって明るさが変化しています。赤色巨星の外層のガスは白色矮星に引っ張られ、白色矮星の周囲に降着円盤を形成しています。降着円盤とは垂直方向にジェットが放出されています。下の画像はみずがめ座Rの想像イラストです。

         

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        SPHEREは非常に観測精度の高い装置で、ハッブル宇宙望遠鏡を上回る解像度の画像が得られました。下の画像左はハッブル宇宙望遠鏡が撮影したみずがめ座Rです。中心の明るい部分から上下に伸びている筋がジェット、横方向のリングは1773年に起こった新星爆発の残骸です。下の画像右はみずがめ座Rの中心領域で、VLTの画像と同じ領域が示されています。この画像とVLTの画像を比べてみると、SPHEREの観測能力の高さが分かります。

         

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        VLTの画像では中心部にひときわ明るい点が2つ、はっきりと見えてきます。

         

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        この画像に関するSchmidらの論文を読んでみると、左側の点が赤色巨星の位置、右側の点がジェットの放出源、すなわち白色矮星の位置にあたります。みずがめ座Rの連星系がSPHEREによって初めて分離して観測されたことになります。



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