天宮1号の大気圏再突入は4月1日か2日

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    Tiangong-1 will Reenter the Earth’s Atmosphere around April 1

     

    天宮1号の高度が低くなり、まもなく大気圏に再突入する見通しです。ESAなど複数の機関の予測では、日本の時間帯で41日か2日の可能性が非常に高くなっています。

     

    ESAによる330日現在の天宮1号の高度と再突入の予測は下の通りです。

     

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    天宮1号は約90分で地球を1周しています。どの周回で再突入するかまではまだ予測できません。したがって、地球のどこに破片が落下することになるかは分かりません。落下する可能性のある領域やそのリスク等については、ここをご覧ください。

     


    長征5号の打ち上げ再開は11月

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      China’s Long March 5 Rocket will Return to Flight in November

       

      20177月に2号機の打ち上げに失敗した長征5号ロケットの打ち上げ再開は11月になる模様です。長征5号は地球低軌道に25t、静止トランスファー軌道に14tの打ち上げ能力をもつ大型ロケットで、201610月に初打ち上げに成功しました。静止軌道への大型衛星や月・火星探査機の打ち上げ、中国の宇宙ステーション建設などに使われるロケットです。

       

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      長征52号機の失敗の原因は詳しくは発表されていませんが、第1段のYF-22 エンジンに何らかの不具合が生じたためとみられます。

       

      長征52号機は20172日午後723分(北京時間)に海南島の文昌衛星発射センターから打ち上げられました。打ち上げから間もなくして不具合が発生しました。第1段の2基のYF-22エンジンのうち1基が不調で、定格の半分以下の出力しか出なかったようです。このため、第1段の燃焼時間を延長する措置が取られましたが、さらに第1の分離の際、第2段エンジンがすぐには点火しなかったとも伝えられています。こうした不具合のため、ロケットは衛星を軌道投入するだけの速度に達することができず、ロケットとペイロードの実践18号はフィリピン海に落下しました。

       

      打ち上げ時の映像を検証してみると、次のような点が明らかになります。

       

      下は打ち上げから743秒後のミッション・コントロール・センターの様子です。ロケットは第1段が切り離され、第2段エンジンが燃焼している状態です。

       

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      一部を拡大したのが下の画像です。

       

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      手前の白髪の人物は長征5号のチーフデザイナー、竜楽豪氏です。後姿ではあるものの、事態が深刻であることが見て取れます。スクリーンの左上に表示されている曲線のうち、一番太い黄色の線はロケットの速度を示しています。ロケットの速度は計画されたライン(細い白い線)から明らかに外れており、速度が低下しているのがわかります。

       

      下の画像は打ち上げから946秒後のミッション・コントロール・センターの様子です。この時点ではすでに第2段の第1回目の燃焼は終了しています。長征5号は第2段エンジンを2回燃焼させてペイロードを静止トランスファー軌道に投入します。

       

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      スクリーンの右上の表示を拡大したのが下の画像です。

       

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      これを見ると、第1の分離が予定では打ち上げから466秒後であったのが、実際は576秒であったことがわかります。第1段エンジンの燃焼は予定より110秒も延長されたようです。また、第2段の第1回目の燃焼終了は予定が打ち上げ後750秒であったものが、実際は770秒であったと表示されています。映像を見ていると770秒ではなく789秒でした。いずれにしても第2段エンジンの燃焼時間は予定より短かったことを示しています。

       

      このようなことからすると、第1段エンジンおよび第2段エンジン両方の燃焼に問題があった可能性もあります。第1段のエンジンは燃料が液体水素、酸化剤が液体酸素のYF-77エンジンで、長征5号のために開発されました。201610月の初打ち上げの際には、打ち上げ直前にこのエンジンの冷却系にトラブルが発生しました(解決して打ち上げは行われました)。第2段エンジンは燃料が液体水素、酸化剤が液体酸素のYF-75Dエンジンです。YF-75D は長征3号の第3段に使われているYF-75の改良型で、推力がアップし、複数回の着火が可能になっています。

       

      YF-77エンジンになぜ不具合が生じたかの原因は究明されたとみられ、今年2月には燃焼試験が行われました。11月の打ち上げで、長征5号は実践20号を打ち上げます。実践20号は実践18号の代替機で、中国の新世代衛星バスDFH-5を使ったハイスループット通信試験衛星です。300Gbpsの通信が可能で、電気推進を採用、レーザー光通信などの実験も行われる予定です。

       

      長征53号機の11月の打ち上げが成功すれば、2019年には月物質のサンプルリターンを目指す嫦娥5号の打ち上げが4号機で行われるはずです。長征55号機の打ち上げは嫦娥6号の予定です。嫦娥6号は2回目のサンプルリターンを目指します。中国はさらに長征5号で火星探査機の打ち上げも計画していますが、予定されている202011月〜12月に間に合うかどうか微妙です。

       

      長征5号は2段式で、大型衛星の静止軌道への投入や月惑星探査機の打ち上げに用いられます。一方、低軌道への重量物打ち上げに用いられるのが、1段式の長征5B です。下の画像の左側が長征5号(CZ-5)、右側が長征5BCZ-5B)です。

       

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      長征5B はまだ打ち上げられたことがなく、最初の試験打ち上げが2018年に行われることになっていました。しかし、この予定は2019年にずれこむため、中国が建設を計画している宇宙ステーションの最初のモジュール(コアモジュール天和)の打ち上げは2020年になるとみられます。


      天宮1号、まもなく大気圏に再突入

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        China’s Tiangong-1:Predicted to Reenter the Earth’s Atmosphere Soon

         

        ESA(ヨーロッパ宇宙機関)によると、制御不能におちいっている中国の天宮1号は、3月末から4月上旬に地球に落下するとみられています。今年はじめの予想よりは少し遅くなっています。落下場所やそのリスク等については、ここをご覧ください。

         

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        上の画像のように、天宮1号の大気圏再突入時期の範囲はせばまってきました。

         

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        上の画像のように、現在の天宮1号の高度は約250kmです。



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