世界で初めてブラックホールを撮影

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    First Image of a Black Hole

     

    EHT(イベント・ホライズン・テレスコープ)によるブラックホールの初画像が発表されました。

     

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    地球からの距離約5500万光年のおとめ座銀河団の楕円銀河M87の中心にある巨大ブラックホールです。画像の中心の暗い部分にブラックホールがあります。その周囲の明るいリングはブラックホール周辺の超高温プラズマで、温度は60億度以上です。このような超高温プラズマが存在するのはブラックホール近傍のみです。ブラックホールの質量は太陽の65億倍もあります。

     

    ブラックホールはその強力な重力によって、物質も光も脱出できない「事象の地平面」(イベント・ホライズン)をつくります。この事象の地平面の近傍には光子球とよばれる領域が形成されることがアインシュタインの一般相対性理論で予言されていました。今回発表された画像で暗く見えているのは、ブラックホールそのものではなく、この光子球の形をした「ブラックホールの影」(ブラックホール・シャドウ)です。

     

    EHTは地球規模の電波望遠鏡のネットワークを用いて精密観測を行う国際プロジェクトです。EHTM87のほかに、もう1つ、われわれの銀河系中心にある巨大ブラックホール、いて座Aスターの観測も行っており、いずれその画像も公開されることになります。

     

    EHTは今後、さらに観測精度を上げていくことが計画されています。事象の地平面により近い領域の観測が可能になり、巨大ブラックホールの形状や回転、ジェット噴出の様子などがわかってくると思われます。


    ペンス副大統領、2024年までに有人月着陸を表明

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      Pence Calls for Human Return to the Moon by 2024

       

      アメリカのペンス副大統領は326日にアラバマ州ハンツビルで行われた国家宇宙会議において、「アメリカは5年以内にアメリカ人宇宙飛行士を月に着陸させる」と述べました。

       

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      NASAが提唱していた月を周回する宇宙ステーション、「ゲートウェイ」の建設は今年の連邦予算で認められ、NASA2022年に最初のモジュールを打ち上げるべく動きはじめました。ゲートウェイはアメリカだけでなく、日本、ヨーロッパ、ロシア、カナダの国際パートナーが協力して建設することになっており、2026年に完成予定です。

       

      NASAはこれまで、2026年のゲートウェイ完成後、2028年に宇宙飛行士を月に着陸させることを目標にしていましたが、ペンス副大統領は「NASAはもっと急ぐべきである」と述べました。5年以内ということは、2024年までに有人月着陸を果たすことになります。

       

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      ペンス大統領がここまでNASAの計画を急がせる背景には、月を舞台にした中国との覇権争いがあります。中国は月の有人着陸を目指していることを表明しており、そのための超大型ロケット、長征9号を開発中です。しかし、月着陸を具体的な日程にのせるまでには至っておりません。そのような状況であるにもかかわらず、トランプ政権がここまでアグレッシブな政策をとるのは、「万が一にも中国に後れをとってはいけない」ということと、「中国が絶対に追いつけないだけの技術の差をつけたい」と考えているからです。特に後者は、アメリカの軍事技術開発戦略の根幹となっている考え方です。

       

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      かつて冷戦下のアメリカとソ連が月着陸競争を展開し、アポロ計画によってアメリカがこの競争に勝利してから、今年でちょうど50年です。まさにその年に、「宇宙強国」を標榜して宇宙の覇権を狙う中国に対し、アメリカは宇宙を舞台にした新たな競争を展開することを決意したわけです。月をめぐる米中競争の時代がはじまったことになります。

       


      ジュノー探査機が撮影した木星

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        Jupiter Marble

         

        NASAのジュノー探査機が送ってきた木星全球の美しい画像です。NASAはこの素晴らしい画像をJupiter Marble(大理石の木星の玉)と名づけました。

         

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        木星の南半球が写っており、縞模様の複雑な流れや渦がよく見えています。右上に見えているのが赤道付近にある大赤斑です。

         

        ジュノーは212日に17回目の木星接近を行いました。この画像はその時に取得された3枚の画像を合成し、色処理を行って完成させたものです。


        はやぶさ2:タッチダウン成功

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          Hayabusa 2Successfully Touched Down to Asteroid Ryugu

           

          小惑星探査機「はやぶさ2」のリュウグウへのタッチダウンが成功しました。

           

          20190222_01.jpg

           

          はやぶさ2チームは2220614分に、Gate3での自律降下フェーズへの移行を「GO」と判断しました。この時、探査機の状態は正常で、約490m の高度まで降下していました。

          以降の経過は以下の通りです。

          0726

          リュウグウまでの高度は50mを切りました。

          0748

          LGAからの電波のドップラー効果から、はやぶさ2が計画通りに上昇したことが確認されました。

          0807

          LGAからHGAへの切り替えが行われ、探査機とのテレメトリー通信が計画通り回復したことが確認されました。これによってGate5の状況確認作業が開始されました。

          0842

          Gate5でプロジェクタイル(弾丸)発射コマンドの発出、シーケンスが正常、探査機状態が正常であることが確認されました。これにより、タッチダウンが成功としているものと判断されました。

           

          詳細な解析はこれから行われることになりますが、34000kmの彼方のリュウグウ表面の、わずか直径6mの目標へのピンポイント・タッチダウンが成功したわけです。

           

          はやぶさ2ミッションはこれから7月まで息をつけない状況が続きます。インパクターをリュウグウに発射して人工クレーターをつくり、そこにタッチダウンして、宇宙風化にさらされていないリュウグウの新鮮なサンプルの回収にもチャレンジします。今後を見守りたいと思います。


          はやぶさ2:タッチダウン運用開始

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            Hayabusa 2Touchdown Sequence Began

             

            小惑星リュウグウに向けた「はやぶさ2」のタッチダウン運用が、220日朝にはじまりました。リュウグウへのタッチダウンは22208時頃の予定です。同日11時に予定されている記者会見で、タッチダウン運用が成功したかどうかの発表があります。

             

            20190221_01.jpg

             

            リュウグウの表面はボルダーとよばれる岩塊が非常に多く、はやぶさ2が安全に降りられる場所がほとんどありません。最終的に決定されたタッチダウンの目標ポイントは、すでにターゲットマーカを投下してあった場所のすぐ近くで、直径6mの円内へのピンポイント着陸を目指します。

             

            20190221_02.jpg

             

            地球からリュウグウまでの現在の距離は34000kmあります。はやぶさ2チームはそれほど遠くにあるわずか直径6mの円に探査機をタッチダウンさせようとしているのです。直径6mの円とは、太陽電池板を広げたはやぶさ2自体とほぼ同じサイズです。この円の中のどこかに、はやぶさ2のサンプラホーンが接地する必要があります。さらにタッチダウンの際には、はやぶさ2の太陽電池板が岩に接触しないように、探査機の姿勢を表面の地形に合わせて少し傾けてタッチダウンするという方法がとられます。

             

            220日の記者説明会で発表されたタッチダウン運用計画は以下の通りです。時刻は地上時刻(JST)です。また以下の時刻は確定したものではなく、状況によって変わる可能性があります。

             

            Gate1:2210743

            降下開始の可否判断開始。降下開始の判断が下されればコマンドがはやぶさ2に送られ、高度20kmのホームポジションからリュウグウへの降下が開始されます。

            Gate22211852

            降下を継続するかどうかの可否確認が開始されます。

            Gate32220602

            最終降下判断(GO/NOGO判断)を開始します。この時点でハヤブサ2はリュウグウ表面から500mの高度まで降下しており、ここでのデータを地球に送ってきます。ハヤブサ2から地球に電波が届くのには約19分かかります。はやぶさ2チームが送られてきたデータから、はやぶさ2が目標ポイントに到達できるかどうかを判断するのに約20分が予定されています。到達できると判断されれば、GOコマンドが送られます。はやぶさ2にコマンドが届くまでにまた約19分かかります。つまり、全部で約1時間かかります。はやぶさ21時間に約360mの速度で降下していますので、GOコマンドが届いた時には、はやぶさ2はリュウグウから高度140mまで降下しています。

            HGALGA2220727

            はやぶさ2のHGA(高利得アンテナ)からLGA(低利得アンテナ)に切り替えます。この時点で、はやぶさ2からのテレメトリーデータは送られてこなくなり、地上局はLGAからのビーコンを受信し、そのドップラー効果からはやぶさ2の速度や加速度を計測するだけになります。

            この時点でリュウグウからの高度は45mです。はやぶさ2はターゲットマーカを捕捉し、これを追尾しながら降下を続けます。リュウグウから高度8.5mまで降下したところで、はやぶさ2は高度を保つホバリングの状態に入ります。着陸のために少し姿勢を傾ける態勢に入り、同時に目標ポイント方向に水平移動します。着陸姿勢が整うと、はやぶさ2はいよいよ最終降下に入ります。

            タッチダウン:2220825

            はやぶさ2のサンプラホーンがリュウグウに接触すると、弾丸が発射され、リュウグウ表面の物質が回収されます。はやぶさ2はすぐに上昇を開始します。

            Gate42220825

            はやぶさ2が上昇したことの確認を開始します。

            LGAHGA2220844

            アンテナをLGAからHGAに切り替えます。

            Gate52220844

            探査機状況確認開始。アンテナをHGAに切り替えたことにより、はやぶさ2のテレメトリーデータが地上に送られるようになり、はやぶさ2チームは探査機の状態を確認することができます。上に述べた各Gateは次のステップに入るための関門であり、ここで何か問題が発生すれば、アボート(緊急上昇)となり、タッチダウン運用を中止してホームポジションに戻ることになります。また、それ以外のチェックポイントでも何か異常が発生すればアボートとなります。したがって、この段階まできて、はやぶさ2の状態が正常であることが確認されれば、それまでのシークエンスはすべて順調に進んだことになり、タッチダウン運用は成功したと考えられます。

            Gate62221837

            はやぶさ2はホームポジションに戻ります。


            オポチュニティの火星ミッションが終了

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              Opportunity Rover Mission on Mars Comes to End

               

              NASAは火星ローバー、オポチュニティのミッション終了を発表しました。

               

              20190214_01.jpg

               

              ここここここに書いたように、オポチュニティは20186月に大規模な砂嵐に遭遇し、以降、地球との通信が途絶えていました。オポチュニティ・チームはこれまでに800回以上、オポチュニティにコマンドを送りまた。2019212日に最後のコマンドを送りましたが返答はなく、NASAはミッション終了を決定しました。、

               

              オポチュニティは200377日に打ち上げられ、2004125日に火星のメリディアニ平原に着陸しました。それ以降、15年にわたって火星探査を行ってきました。その主な成果には以下があります。

               

              2005320日に1日の移動距離220mの記録を達成。

              15枚の360度パノラマを含む217000舞の画像を地球に送ってきた。

              52個の岩石表面に穴をあけ、72個の岩石表面をクリアにして、分光計や顕微鏡カメラによる火星岩石の観測を行った。

              水の存在下で生成されるヘマタイトという鉱物を発見。

              エンデヴァー・クレーターで古代に水の活動があったことを発見。

               

              オポチニティとその双子のローバー、スピリットの火星での活躍は、現在の本格的な火星探査の時代を開いたといえます。



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