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NASA の次期宇宙船:ボーイング社 とスペースX 社を選定
Crew transport:NASA selects Boeing and SpaceX

NASAは国際宇宙ステーション(ISS)への人員輸送を行う民間企業の有人宇宙船として、ボーイング社のCST-100とスペースX社のドラゴンV2を選びました。

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CST-100

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ドラゴンV2

契約額はボーイング社が42億ドル、スペースX 社が26億ドルとなっています。2017年の飛行開始を目標としており、これによって、アメリカがISS へのアクセスをロシアのソユーズ宇宙船に頼る時代が終わることになります。

シエラネバダ社が開発していたミニシャトル型の宇宙船ドリーム・チェイサーは選からもれました。同社は今後も開発を続けたいと表明しています。また、議会が2社の有人宇宙船を認めるかどうかはわからず、最終的には1社の宇宙船のみが残る可能性もあります。
日本列島の温暖化で、デング熱は今後も発生
Global warming and Dengue fever in Japan

日本でのデング熱の発生は、地球温暖化の影響の1つとして、以前から懸念されていました。平均気温の上昇によって、感染症を媒介する蚊などの活動が活発になるからです。今後、日本各地でデング熱が発生する可能性があります。

温暖化が進む日本で特に懸念されているのは、日本脳炎とデング熱です。日本脳炎は日本ではコガタアカイエカが媒介します。現在、日本では、日本脳炎の患者発生は年間わずかです。

日本でこれまで約70年間患者が発生していなかったデング熱は、いずれ大都市で発生すると予想されていました。デング熱を媒介するヒトスジシマカは人口密集地およびその郊外で主に生息します。大都市周辺では、地球温暖化以外にヒートアイランド現象によっても年間の気温が上昇し、ヒトスジシマカの活動しやすい環境になっています。したがって、今回の東京でのデング熱発生は、専門家の予想通りだったわけです。

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日本列島の温暖化が進み、ヒトスジシマカの生息域は拡大しています。ヒトスジシマカは年平均気温が11度C 以上であれば定着可能といわれています。戦後、進駐軍による1946〜1948年の調査では、ヒトスジシマカの生息域の北限は栃木県北部でした。しかし、最近では東北地方まで広がっています。とはいえ、東北地方全体でヒトスジシマカが定着しているわけではなく、年平均気温が11度C 以上の地域や都市に限られます。ヒトスジシマカの生息域拡大には、東北自動車道や東北新幹線の開通による人と物の移動の活発化、東北地方都市部でのヒートアイランド現象の進行なども大きく影響しているはずです。いずれにしても、デング熱に感染するリスクのある地域が増えているのは事実です。

一番問題なのは、気温上昇によってヒトスジシマカの活動が活発になることです。ヒトスジシマカは気温が25〜30度C だと繁殖活動が活発になり、どんどん増えていきます。ですから、今後、デング熱の発生に気をつけなくてはいけないのは、やはり、年平均気温の高い日本列島の南の地域、さらにヒートアイランド現象によって1年中いつも気温が高い大都市です。

これらの地域では、ヒトスジシマカの個体数や世代数が増加し、生息密度が増加することになるでしょう。夏の気温が高いと、ヒトスジシマカの体内でのウイルス増殖が活発になる可能性があります。また、冬が暖かいため、幼虫や、場合によっては成虫が越冬できるようになります。このため、冬期に死ぬ個体数が低下し、それが翌年の個体数増加につながる可能性があります。都会の雨水マスは冬期も凍結せず、幼虫が越冬できます。こうした状況でデング熱ウイルスが入ってくれば、爆発的に感染が拡大する可能性があります。

ヒトシジシマカは公園、林、墓地、庭先など、人口が集まった地域の周辺で繁殖します。卵を産みつけるのは、雨水がたまった古タイヤやプラスチック容器、空き缶、墓石の花立て、竹やぶの切り株などです。雨水マスにも卵を産みつけます。こうした場所でボウフラが発生しないようにすることが大事です。

温暖化が進むと、日本列島の南の地域では、デング熱を媒介するもう1つの蚊であるネッタイシマカの発生にも注意しなくてはなりません。

日本列島の温暖化は、今後どんどん進んでいき、感染症の増加という面でも、私たちの健康に大きな影響を与えると考えられます。今回の流行を食い止めることが当面の課題ですが、デング熱の発生はこれで終わりになることはなく、長期的な取り組みが必要になります。
衛星タイタンの表面下にメタンハイドレート?
Titan’s subsurface hydrocarbon reservoirs

土星の衛星タイタンでは、北極に近い場所で、メタンの海(メタンを含む炭化水素の湖)がたくさん発見されています。

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これらの湖にはメタンの他にエタンやプロパンなどが含まれています。一方、この湖に炭化水素を供給している雨はほとんどがメタンです。なぜ、こうしたことがおこるのでしょうか?

タイタンの大気と表面そして内部の間で、メタンがどのように循環しているのかは、まだわかっていませんが、フランス、フランシュコンテ大学のOliver Mousis らのグループは、これを説明するモデルを発表しています。下の図が、それを説明するものです。

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タイタンの炭化水素の湖は、表面をおおっている多孔質の氷の層のくぼみにできています。Mousisらによると、ここに降ったメタンは多孔質の氷の層に浸透していき、表面下に貯留層をつくっています。メタンはさらにその下の氷の層では、水分子の網状構造の中にメタン分子が入り込んだ、いわゆるメタンハイドレートの状態になっています。ここでメタンはプロパンやエタンなどに変化し、それらが湖の成分に反映しているとしています。
デング熱ウイルスはどうやって日本に来たか?
Dengue virus:How does it come?

現在のところ、デング熱感染者は皆、代々木公園あるいはその周辺でヒトスジシマカに刺されたとみられています。

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デング熱ウイルスはどのようにして日本にやってきたのでしょうか?

デング熱の流行地で感染した人間が日本に運んできた可能性がありますが、デング熱ウイルスが日本にやってくるルートは、それ以外にもあります。感染蚊が飛行機でそのまま運ばれてくることも考えられます。また、日本への輸出品、あるいはそれを載せた貨物船と一緒にやってくる可能性もあります。ヒトスジシマカは水のたまった古タイヤやプラスチック容器などで繁殖します。現在、アメリカに生息しているヒトスジシマカは、かつて日本から輸出された古タイヤと一緒にアメリカに渡ったものです。

人と物の国際間の動きがこれまで活発になっている今日、ウイルスを水際で食い止める作戦には限界があります。空港には検疫体制が整備されており、発熱した人に対してはすぐに検査が行えるようになっていますが、潜伏期間を考えると、本人が感染に気付かずにゲートを通過してしまうこともあります。まして、貨物船でやってくる感染蚊を完全に駆除することは難しいでしょう。

これからも、何度となくデング熱ウイルスは日本にやってくるでしょう。

現在、代々木公園では駆除作業が行われています。ヒトスジシマカの個体が移動する距離は100メートル程度とみられているので、とりあえずデング熱ウイルスの拡散を封じこめることはできるかもしれません。しかし、代々木公園以外の場所にも、ウイルスを保有したヒトスジシマカのコロニーがつくられているかもしれません。また、ウイルスを感染した動物が遠くまで移動することや、感染者が自宅周辺でヒトスジシマカに刺されることによって、ウイルスが拡散しているかもしれません。

今回のような感染者の突然の発生は、今後も起こる可能性があることを前提に対処することが大事です。
デング熱:ウイルスをもつ蚊は以前から生息していた?
When Dengue virus established in Japan?

デング熱の国内感染者は34名になっています。デング熱ウイルスをもったヒトスジシマカに刺されたのは、いずれも東京の代々木公園内あるいはその周辺のようです。これだけの感染者が出ているということは、ウイルスを保有するヒトスジシマカがそれなりの数、生息していたことを意味しており、代々木公園にはデング熱ウイルスを保存するヒトスジシマカの生活環がすでにできていたと考えられます。推測の域を出ませんが、デング熱を保有するヒトスジシマカは、すでに数年前から日本に生息していた可能性があります。

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ヒトスジシマカはいわゆる「やぶ蚊」で、産卵に必要な栄養を取るために、雌だけが吸血します。吸血の対象は人間だけでなく、イヌ、ネコ、ネズミ、両生類、カモ、スズメなど多岐にわたっていることが、国立感染症研究所の調査で明らかになっています。デング熱のウイルスは、ヒトスジシマカ→人間・動物→ヒトスジシマカというサイクルで伝播していきます。

ヒトスジシマカが人間を刺すとき、血液を凝固させない物質を含む唾液を注入します。蚊に刺されるとかゆくなるのは、このときに起こるアレルギー反応のためです。唾液の中にデング熱ウイルスが含まれていると、ウイルスは人間の体内に入っていきます。デング熱の潜伏期間は3〜10日とされています。その後、突然発熱して症状があらわれてから4〜5日間、患者は血液内にウイルスが存在する「ウイルス血症」の状態になります。このウイルス血症の患者を別のヒトスジシマカが吸血すると、ウイルスはそのヒトスジシマカに感染します。ウイルスはヒトスジシマカの中で増殖し、10日〜2週間で唾液腺に含まれるようになります。こうして新たな「感染蚊」(ウイルスを感染させる可能性をもつ蚊)が生まれます。感染蚊は死ぬまで感染力をもち続けます。このようなサイクルでデング熱ウイルスは伝播し、保存されています。代々木公園では、このデング熱ウイルス感染蚊の生活環ができていたわけです。

ヒトスジシマカの卵は数日で孵化して幼虫(ボウフラ)になります。それから2週間ほどで成虫になり、30日ほど生きている間に何度も産卵します。3月から10月くらいまでに、ヒトスジシマカはこうしたサイクルを7〜8回くり返します。冬は卵の状態で越冬しますが、気温が十分に高い場合は、幼虫で越冬することもできます。一部では、ウイルスは卵の状態で保存され、次の世代に引き継がれると報道されていますが、実験室ではそのような可能性はあるものの、自然界ではないようです。

デング熱が流行している国から帰ってきた日本人、あるいは流行している国からの旅行者が現地で感染し、たまたま代々木公園でヒトスジシマカに刺された。そこからウイルスが急速に広がって、これだけの感染者が出たとは、私にはあまり考えられません。いずれにしても、今回の患者から採取したウイルスのゲノムを解析すれば、ウイルスの由来が分かってくるでしょう。

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