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STAP 細胞問題:CBD で何が起きていたのか?
最近の報道によると、『ネイチャー』誌に掲載されたSTAP 細胞に関する2本の論文のうち、LETTER についても画像に疑義が指摘されました。Figure 1 のa とb に掲載されたマウスの胎児の画像です。

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a はES 細胞から作製したキメラマウスの胎児、b はSTAP 細胞から作製したキメラマウスの胎児です。a とb のそれぞれ真ん中の画像を比較すると、STAP 細胞由来の胎児は、胎児も胎盤も光っており、STAP 細胞が胎児にも胎盤にもなれる性質をもっていることを示しています。これこそが、STAP 細胞の存在なしには説明できない現象とされてきました。

ところが、発生・再生科学総合研究センター(CDB)の内部調査により、この2枚の画像は同じ日に、同じ細胞由来の胎児を撮影したものであることが明らかになりました。画像のファイルを管理していたのは小保方さんです。これが事実なら捏造の疑いが生じます。

しかしながら、理化学研究所はこの論文がすでに著者によって撤回の意志があるため、不正の有無の調査は行わないと発表しました。この理研の判断には疑問が残ります。

2本のSTAP細胞論文で述べられている実験が本当に行われたことを証明する材料は、どんどんなくなっています。華々しく登場した2本の論文は、もはや世界の誰も相手にしないものになってしまったといっていいでしょう。ただし、これまで何度も述べたように、小保方さんが一体どのような実験を行ったのかは検証されるべきです。また、CDB ですでに行われた調査結果を理化学研究所は公表すべきです。

STAP 細胞についての問題が起こった当初から、私には1つの大きな疑問がありました。CDB センター長の竹市雅俊先生は、細胞接着分子の研究で世界的な業績をあげた研究者です。私はずっと以前、京都大学の岡田節人研究室で、発見したばかりの細胞接着分子の話を、若かりし頃の竹市先生から聞いたことがあります。竹市先生は、科学者の良心のかたまりのような人でもあります。その竹市先生がセンター長を務めるCDB で、なぜ、このような問題が起こってしまったのか?

STAP 細胞問題は、小保方さんという特異なキャラクターなしには語れませんが、それだけでは説明できない何かが、CDB 内で起こっていたに違いありません。
若田宇宙飛行士帰還:和のリーダーシップの、その先へ
国際宇宙主テーション(ISS)のコマンダーとして活躍した若田光一宇宙飛行士が188日間の長期滞在を終えて、地球に帰還しました。素晴らしい長期滞在でした。

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日本の有人宇宙活動やそれを支える宇宙技術はISS 計画のパートナー国から高い評価を受けており、今後の国際的な有人宇宙探査計画において重要な役割を果たすことを期待されています。

現在、アメリカとロシアはウクライナ問題をきっかけに緊張関係にあります。4月2日に、NASA は職員に対して、ロシア政府関係者との電話や電子メール等による連絡や会議での直接接触を禁止する措置をとりました。しかし、この措置はISS に関しては適用されませんでした。地上での対立がISS に持ち込まれることはなかったわけです。

ところが最近、ロシアのロゴジン副首相は、2020年以降のISS 計画に参加しない可能性を示唆しました。この発言がどこまで現実味をもっているかは疑問ですが、有人宇宙活動の国際的な枠組みは今後、大きく変わっていく可能性もあります。その中で日本は、日本らしい方法でその責任を果たしていくべきです。若田宇宙飛行士が世界に示した「和のリーダーシップ」をさらに展開していけるかどうかが、日本の宇宙活動に問われています。
若田光一宇宙飛行士、間もなく帰還
Expedition crew returns on Tuesday

昨年11月7日の打ち上げから6か月、国際宇宙ステーション(ISS)で長期滞在を行っていた若田宇宙飛行士が、間もなく地球に帰還します。帰還は5月14日に予定されています。

下の写真は、若田さんが現在コマンダー(船長)をつとめている第39次長期滞在クルーのメンバーです。時計回りに、若田さん、アレクサンダー・スクボルソフさん、ミハイル・チューリンさん、スティーブン・スワンソンさん、リチャード・マストラッキオさん、オレッグ・アルテミエフさんです。

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NASA によると、日本時間の5月13日午後3時に、ISS コマンダーの権限を若田さんがスワンソンさんに移譲するセレモニーが行われます。

5月14日のスケジュールは以下の通りです(いずれも日本時間)。
午前4時15分
若田さん、マストラッキオさん、チューリンさんが乗り込んだソユーズTMA-11M のハッチが閉じられます。
午前7時36分
ソユーズTMA-11M がISS から分離されます(アンドッキング)。
午前10時04分
ソユーズTMA-11M の軌道離脱噴射(デオービット・バーン)が開始されます。噴射は4分50秒間ほど続きます。

ソユーズTMA-11M は高度約120km で大気圏に再突入します(エントリー・インターフェイス)。その直前にクルーの乗った帰還モジュールと、軌道モジュール、機器・推進モジュールとの分離が行われます。エントリー・インターフェイスから約7分後、クルーには最大の加速度がかかります。

高度10km まで降下すると、まず2個のパイロット・パラシュートが展開、次にドラッグシュートが展開され、続いてメイン・パラシートが展開されます。高度5km でカプセルのヒートシールドが分離され、着地の際の衝撃を吸収するための座席のショック・アブソーバーが作動します。

午前10時57分
ソユーズTMA-11M はカザフスタンの平原に着陸します。現地時間では午前7時57分の朝方の着陸です。

着陸後、若田さんらはヘリコプターでカザフスタンのカラガンダ空港に移動します。空港内で歓迎のセレモニーが行われた後、若田さんとマストラッキオさんはNASA 機でヒューストンに戻ります。チューリンさんはモスクワに戻ります。

下の写真は、ISS のキューポラの窓から外を見ている若田さんです。ロシアのドッキング・モジュール、ピアースから撮影されました。キューポラはISS の地球側に設置されていますので、若田さんの頭上には青い地球があります。

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若田さんは今回が最後の宇宙滞在になります。美しい地球の姿をよく見てきてほしいと思います。
STAP 細胞論文:理化学研究所、再調査せず
STAP cells paper:RIKEN decided not to reinvestigate

5月8日、理化学研究所はSTAP 細胞論文に関する再調査を行わないと発表しました。再調査を行って、論文全体を改めて調査すべきと考えていた私にとって残念な結論ですが、結局、小保方さん側が、再調査に値する新たな材料を提出できなかったことが、この結論の理由になっています。

調査委員会が発表した文書「不服申立てに関する審査の結果の報告」に関しては、別にまとめたいと思いますが、STAP 細胞問題のうち、論文の不正問題はひとまず決着をみました。一方で、STAP 細胞論文に関する疑義の多くが、まだ明らかになっていないことを忘れてはいけません。今後の再発防止策に役立てる上からも、小保方さんが行った実験自体の検証を、理化学研究所が改めて行うことを期待します。
STAP細胞問題:「石井論文」の図が改ざんでない理由
STAP細胞論文に関する調査委員会の委員長だった石井俊輔氏がかかわった2本の論文に対して、データの「切り貼り」や「使い回し」の疑義が出されました。石井氏は指摘された2本の論文に関する実験ノートを公開し、いわゆる不正行為はなかったと説明しています。実際、これらの論文で行われている画像の加工は、改ざんにあたるものではないと、私も考えます。

2本の論文で指摘されたのは、電気泳動に関する画像です。電気泳動を行う場合、条件を変えたサンプルをいくつものレーンに流すことになります。論文を作成する際には、ゲル全体の画像を示すことはスペースの都合からも不可能で、必要な部分を切り取って使用することになります。例えば、指摘された論文の1つ、2008年の『オンコジーン』誌に掲載された論文の図5では横に16個のサンプルが並び、それらのサンプルについて5種類の遺伝子の発現状態が示されています。

この図を作成するために12枚の電気泳動のデータが用いられたことが、石井氏が公開した資料で示されています。その中から必要な部分を切り取って並べる際、必要のないレーンを削除するだけでなく、一部の遺伝子のデータについては他のデータのサンプルの順番と合わせるために、レーンの順番を入れ替えています。

電気泳動の結果の一部を使用することや配置の順番を変えることは、それ以前も、今でも行われていることです。かつては、プリントした写真を実際に切って配置したため、誰でもそれが分かりました。ところが1998年頃からフォトショップなどの画像加工ソフトが使われるようになると、画像の切れ目が分からなくなりました。そこで、2005年頃から各ジャーナルは、一部を使用したり順番を入れ替えた場合には、線を入れたり、枠で囲うことを求めているのです。電気泳動画像の一部使用や順番の入れ変え自体は認められており、画像の改ざんとはされていません。

『オンコジーン』誌の論文は、論文投稿時に以上のような投稿規定が存在していたとすれば、それに違反している可能性があります。そのため、石井氏らは以下のように画像の間に線を入れる訂正をしたのです。オリジナルの画像では、一部に間違った画像が配置されていたため、それも同時に訂正されました。『オンコジーン』誌の編集部は不正でないことを認め、訂正を受諾しています。

2004年に掲載された『JBC』誌の論文中の図も同様で、いずれも画像の改ざんに当たるものではないと、私は考えます。

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