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ISECG の新しい国際宇宙探査ロードマップ
New Global Exploration Roadmap

ISECG(国際宇宙探査協働グループ)の新しい「国際宇宙探査ロードマップ」が発表されています。

20130924

2007年に誕生したISECG では、世界の14の宇宙機関が集まって、これからの有人宇宙探査について議論しています。参加している宇宙機関はNASA(アメリカ)、JAXA(日本)、ROSCOSMOS(ロシア)、ESA(ヨーロッパ)、CNES(フランス)、DLR(ドイツ)、ASI(イタリア)、UKSPACE(イギリス)、CSA(カナダ)、SSAU(ウクライナ)、CSIRO(オーストラリア)、ISRO(インド)、KARI(韓国)、CNSA(中国)です。

ISECG は2011年9月に国際宇宙探査ロードマップをまとめました。それまでISECG は有人月探査を検討してきましたが、2009年に誕生したオバマ政権下でアメリカの有人探査計画が見直されたため、このときのロードマップでは2つのシナリオが示されることになりました。1つは最初に月に行くシナリオ、もう1つは最初に小惑星に行くシナリオです。近未来の有人探査の最終目的地を火星とし、国際宇宙ステーション(ISS)を出発点としてステップバイステップで火星に向かうことに違いはないのですが、当面の目標は月にこだわらないとしたのです。この背景には、オーガスティン委員会の「フレキシブル・パス」という考え方がありました。

オバマ政権誕生後、アメリカの宇宙探査活動の進むべき道を検討したオーガスティン委員会は、「まず月に行く」という道以外に、月、ラグランジュ点、小惑星、火星、火星の衛星などさまざまな場所を訪れて太陽系の知識を拡大していくフレキシブル・パスというオプションがあるとしました。オバマ政権はオーガスティン委員会の報告を受けて探査計画を見直し、ブッシュ政権下で「再び月へ」を目標として進められてきたコンステレーション計画をキャンセルしたのです。

今回発表された新しいロードマップでは、ISS から月周回軌道、さらに月面へと活動範囲を広げながら、火星に到達するための技術を獲得していくシナリオが示されました。小惑星の有人探査はこうした大きな流れの中に位置づけられています。ロードマップは12の宇宙機関によって作成され、中国とオーストラリアは参加していません。

月が当面の主たる探査目標になったこと以外に、ISECG のロードマップにはいくつかの重要なポイントがあります。その1つはISS のさらなる利用です。現在、ISSの運用は2020年までとされており、それ以降の利用についてはまだ何も決まっていません。企業が参入してくる可能性も考えられます。どのような運用形態になるにせよ、ISS は2020年以降も、人類が太陽系空間に活動領域を拡大していく上で重要な前進基地となります。現在行われている科学実験や医学研究に加え、探査に必要なさまざまなシステムをテストする場所としても使われることになるでしょう。人間が宇宙で長期間生存するためには環境制御、健康管理、通信、電力供給、深宇宙居住など、開発すべき技術がたくさんあるのです。ロボティックスやテレプレゼンスの重要性も改めて示されました。

ロードマップは、有人宇宙探査と無人探査ミッションの連携強化にも触れています。無人探査ミッションは太陽系に関する科学知識を拡大するだけでなく、有人宇宙探査活動にとっても重要で、有人探査をより安全に、そしてより実りのあるものにすることができます。

ロードマップの作成にあたっては、各宇宙機関が提供可能な技術、今後の技術開発課題なども検討されています。ISECG は任意の集まりなので、このロードマップ自体に拘束力はありませんが、将来、月や小惑星の有人探査が国際協力のもとに実現される場合に重要な役割を果たすことになるでしょう。

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