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[銀河鉄道の夜]フィールド・ノート:賢治が見た宇宙
Night On The Milky Way Train:Kenji Miyazawa’s universe

『[銀河鉄道の夜]フィールド・ノート』が青土社から発売になりました。

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『銀河鉄道の夜』を読んでいくと、さまざまな謎に遭遇します。「天気輪の柱とは何か?」「ジョバンニが住んでいる町の地図はどうなっているのか?」「プリオシン海岸で大学士は何を掘っていたのか?」「ブルカニロ博士はどこから来たか?」「銀河鉄道はなぜ3時にサウザンクロスに着くのか?」。本書では、こうした多くの謎について、文学的解釈ではなく、資料や現地取材にもとづき、実証的に解き明かしています。『銀河鉄道の夜』の幻想世界が何をモデルに書かれているか、賢治は何を見ていたのかを調べてみることは、とてもエキサイティングな仕事でした。

実は、10年くらい前には、ほとんど調査や取材が終わり、素稿は出来上がっていたのですが、長い間、そのままにしていました。2011年3月11日に東北地方を大津波が襲ったことが、本書を出版しようというきっかけとなりました。よく知られているように、賢治は明治の三陸海岸大津波の年(1896年)に生まれ、昭和の三陸海岸大津波の年(1933年)に亡くなりました。「賢治の生まれた年と死亡した年に大津波があったということにも、天候や気温や災害を憂慮しつづけた彼の生涯と、何等かの暗合を感ずるのである」と弟の宮沢清六は「兄賢治の生涯」で書いています。

東日本大震災以後、賢治の作品が脚光をあびています。本書を読んでから、『銀河鉄道の夜』を読み返していただければ、賢治の世界の魅力を改めて知っていただけると思います。
こと座リング星雲の立体構造
Hubble Space Telescope reveals the true shape of Ring Nebula

ハッブル宇宙望遠鏡が観測したこと座のリング星雲の新しい画像が公開されました。

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こと座のリング星雲は図鑑や教科書にもよく載っていますので、天文ファンならずとも、多くの方におなじみの天体だと思います。太陽の数倍程度の質量の星が4000年ほど前に死んでできた惑星状星雲で、リングの直径は約1光年、太陽から2300光年ほどのところにあります。私たちはリング状の構造を真上近くの方向から見ています。

リング星雲をつくりだした元の星は、その一生の最後に赤色巨星となりました。その後、周辺部のガスは吹き飛ばされてリング状の構造ができ、コアの部分は白色矮星となりました。白色矮星はリングの中心にかすかに見えています。上の画像は、ハッブル宇宙望遠鏡の可視光域での観測結果に、アリゾナ州グレアム山にあるLBT(大双眼望遠鏡)の赤外域での観測データを合成しています。リングの外側に、この惑星状星雲ができた初期に吹き飛ばされたガスの名残が花びらのように見えています。

今回の観測では、リング星雲の立体的な構造が明らかになりました。それによると、リング星雲の構造はこれまで考えられていたよりも複雑なようです。リングの内側の青い部分はヘリウムのガスで、白色矮星からの放射によって輝いています。このヘリウムガスは全体としてフットボールのような形をしていて、それがドーナッツ状のリングの内側で垂直方向に伸びていることがわかりました。私たちはこのフットボールを横からではなく、真上から見ているので、その形がわからなかったのです。下の画像は、リング星雲の立体的な構造を示したものです。

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上の画像でも明らかなように、リングの内側には自転車のスポークのような黒い放射状の構造が明らかになりました。速いスピードで膨張する熱いガスが、以前に吹き飛ばされたガスに衝突して、リングが形成されています。広がるガスの特に濃いところが黒く見えているのです。

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膨張するガスのスピードは秒速約20km とみられています。リング星雲はこれから1万年もの間膨張をつづけ、やがて宇宙空間に消えていくことになります。
巨大太陽フレアが発生
Four X-class solar flares

5月13日から15日の間に、太陽でXクラスのフレアが4回発生しました。フレアとは太陽表面の爆発現象で、その規模はA、B、C、M、Xクラスに分類されます。Xがもっとも規模の大きなクラスです。下の画像は5月14日に起こった3回目のフレアをアメリカのSDO がとらえたものです。

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今回の4回のXクラスのフレアはAR 11748 とよばれる活動領域(黒点群)で起こっています。下もSDO の画像ですが、左がその領域、右が3回目のフレアが起こった直後の画像です。

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大規模な太陽フレアが発生すると、強力なX線や紫外線が放射されます。このため、地上では電波障害などを起こすデリンジャー現象が発生します。通信が乱れたり、電力系に影響して停電が起きたりすることもあります。また、大量のガスが放出されるコロナ質量放出(CME)という現象が起こり、人工衛星に障害を与えることもあります。

太陽活動は現在、極大期を迎えています。AR 11748 は現在、太陽の東の縁に現れたところで、これから1週間ぐらいで太陽面を通過していきます。その間にまた大規模な太陽フレアが起これば、高エネルギー粒子が地球を直撃し、さまざまな影響をもたらす可能性があります。
ISSでのアンモニア冷却材漏れ:緊急EVAで解決
EVA to repair ammonia leak completed

国際宇宙ステーション(ISS)でアンモニア冷却材漏れ修理のためのEVA(船外活動)が行われました。

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5月9日、ISS のクルーがP6トラスで冷却材のアンモニアが漏れているのを発見しました。P6トラスはISS の左舷トラスの一番外側の部分です。映像でも、漏れたアンモニアが小さな氷の粒になって飛散していくようすが確認されました。ヒューストンの管制チームはこの映像を解析し、アンモニアはP6トラスの電力系2B を冷却するループのポンプ流量コントロール装置(PFCS)から漏れているものと推定しました。

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2B はISS に8つある電力系の1つです。ISS の電力系は大量の熱を発生するので、媒体にアンモニアを用いた冷却ループで熱を輸送し、ラジエーターから宇宙空間に放熱しています。2B 冷却系のアンモニア量が漏れによって少なくなったため、地上のチームは2B の電力系をシャットダウンさせました。8つある電力系の1つが止まっても、ISS の運用に影響はでませんが、この状態がずって続くことになるのは問題です。というのも、さらにもう1つ、電力系がストップしてしまうと、ISS での科学実験などに支障がでてくるからです。

この問題を解決するには、アンモニアの漏れの原因を実際に調べ、必要ならPFCS をスペアと交換しなければなりません。このため、ヒューストンの管制チームは11日にクリス・キャシディ宇宙飛行士(下左)およびトム・マーシュバーン宇宙飛行士(下右)によるEVA を急きょ行うことにしたのです。

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EVA はアメリカ東部時間で11日の午後2時14分に開始されました。キャシディ宇宙飛行士とマーシュバーン宇宙飛行士はクエストから宇宙空間にでると、トラスを45メートル移動し、P6トラスの先端部分まで達しました。その後、漏れの部分をチェックし、PFCS をスペアと交換しました。

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交換後、アンモニアの漏れは発生していないようです。EVA は5時間30分で終了しました。地上の管制チームは、漏れが完全に止まったかどうか、今後数日をかけて確認することにしています。

クリス・ハドフィールド宇宙飛行士、ロマン・ロマンネンコ宇宙飛行士、そしてEVA を終えたばかりのマーシュバーンは13日にはソユーズで地球に帰還することになっています。

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