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レニングラード:失われた歌
モスクワ発サンクトペテルブルク行きの特急列車が脱線し、死傷者が出たとのニュースが伝えられています。1982年、当時はレニングラードとよばれていたサンクトペテルブルクを初めて訪れたときに私が乗ったのも、モスクワ発レニングラード行きの夜行列車でした。

モスクワのレニングラード駅の暗いプラットフォームから列車に乗り、一晩走り続け、早朝、レニングラードのモスクワ駅に到着する直前に列車内に流れてきたのが、アラ・プガチョワの「レニングラード」でした。ピョートル大帝にはじまる帝政ロシアの都であり、レーニンにひきいられたロシア革命や、第二次世界大戦時のレニングラード攻防戦など、さまざまな歴史に彩られた都市へと私を迎えてくれた思い出深い歌です。

1991年、ソ連邦崩壊にともなって、レニングラードの名は以前のサンクトペテルブルクに戻りました。それとともに、プガチョワはこの歌をあまり歌わなくなったようです。ソ連時代への訣別のためなのでしょうか。歌われるべき都市の名がなくなってしまったからなのでしょうか。その理由が知りたいところです。ソ連の歌姫といわれ、ソ連邦崩壊後もロシアのトップアーティストだったプガチョワは、今年3月に引退宣言をし、現在、最後のツアー中です。
地球温暖化で消えていくキリマンジャロの氷河
オハイオ州立大学のロニー・トンプソン教授は、山岳氷河の古気候学で世界的に有名な研究者です。トンプソン教授はキリマンジャロ山の氷河について、新しい調査結果を発表しました。

アーネスト・ヘミングウェイが『キリマンジャロの雪』を書いたころ、キリマンジャロの頂には雄大な氷河が白く輝いていました。しかしここ数十年の間に、その氷河は急速に消失しつつあります。下の画像は、2003年4月9日に国際宇宙ステーションから撮影されたキリマンジャロです。

キリマンジャロ山

トンプソン教授が2000年にキリマンジャロで行った調査で採取された氷柱サンプルの最下層の年代は1万1000年以上前で、氷河はこの時代からずっと存在していたことがわかりました。また、1952年にアメリカが行った水爆実験「アイヴィー」で放出された放射性物質が検出されたことによって、氷柱サンプルの上部、すなわち最近の年代がくわしく決定され、氷河の消失は1960年代からはじまっていることがわかりました。

今回の調査結果について、トンプソン教授は以下のように報告しています。
・1912年に存在した氷河の85%は2007年までに失われた。また、2000年に存在
 した氷河の26%が失われた。
・氷河表面から1.6m 下にあったアイヴィー水爆実験の層はなくなっており、氷河表
 面から2.5m ほどの氷が失われた。
・過去1万1700年におよぶ氷柱コアのうち、現在以外で氷が継続して解けたことは
 ない。
・アフリカでは約4200年前に、約300年も続いた大干ばつがあったが、このときも
 氷が解けることはなかった。現在のキリマンジャロの気候条件は、1万1000年以
 上にわたる歴史の中で、きわめて特別である。

トンプソン教授は今後20年以内に、キリマンジャロの氷河はなくなってしまうだろうとしていますが、今回の報告にはもう1つ、注目すべき点がありました。それは、氷河の消失にはこの地域の雲量や降水量の変化も影響しているものの、その主な原因は、地球規模の気温の上昇であると結論づけたことです。

キリマンジャロの氷河消失の原因については、長い議論がありました。地球温暖化による気温上昇で氷河が解けているという考えと、主に自然変動による乾燥化によって氷が固体から直接気化しているという考えの両方があったのです。トンプソン教授は、なぜその原因が「気温」であるとの結論にいたったのでしょうか? この点をトンプソン教授に聞いてみることにしました。

「キリマンジャロの氷河消失の主な原因が、雲量や降水量の変化ではなく、人為的に引き起こされた地球温暖化による気温上昇であると結論づけた理由は何なのでしょうか?」という私のメールに対して、トンプソン教授からはすぐに返事が送られてきました。トンプソン教授によると、それは、氷柱サンプルの中に含まれている「気泡」だというのです。氷柱サンプルの上部65cm には細長い気泡群が存在していました。これは氷河の表面が気温の上昇で一度解けて、ふたたび凍ったことを示しています。雲量や降水量の変化では、こうした気泡ができることはありません。また、全長50m におよぶ氷柱サンプルの中で、このような気泡は他のどの場所にもみられないそうです。

トンプソン教授によると、熱帯および亜熱帯の他の山岳氷河でも、キリマンジャロと同じことが起こっているとのとこです。トンプソン教授のクイック・レスポンスに感謝します。
人工衛星の追跡業務
丸の内オアゾ2階のJAXAi で毎月行っているマンスリートーク。今日はJAXA 総合追跡ネットワーク技術部軌道力学チーム主任開発員の中村真一さんに、人工衛星の追跡業務について、お話をうかがいました。

人工衛星の追跡というと、パラボラアンテナを常に衛星に向けている仕事のように思われがちですが、人工衛星の軌道決定のための精密な距離測定作業であることがわかりました。陸域観測技術衛星「だいち」の場合、現在得られている軌道決定精度は平均で10cm とのことです。「だいち」の高度は約700km ですから、東京にいて、岡山くらいの場所にあるものを10cm 程度の範囲内にとらえることができるといえばいいでしょうか。2008年5月20日に発生した中国四川省での地震の際、「だいち」の合成開口レーダーPALSAR によって取得された地震発生前後の震源地付近を観測したデータの差分処理から、地震を起こした断層では50〜60cm の地殻変動があったことがわかりました。「だいち」の軌道が精密に決定されていないと、地震発生前後で「同じ」場所を比較できず、こうした変動をとらえることはできません。

最近ではレーザーを用いた衛星追跡も行われています。衛星の精密な軌道決定技術は、測位精度の向上にも寄与し、来年打ち上げ予定の準天頂衛星にも応用されるとこことです。
ユニバーサル社会を目指す
目の見えない人がパソコンを使うためのソフト「xpNavo」を開発し、販売しているナレッジクリエーションという会社に行ってきました。「xpNavo」はパソコン画面上のテキストを音声で読み上げてくれるスクリーンリーダーといわれるソフトの1つです。

社長の新城直さんは横浜市立盲学校の教師でしたが、自分が使い、また生徒たちに使わせていたスクリーンリーダーには、いくつか改善すべき点があると感じていました。そこで、自らが考えた新しいスクリーンリーダー「xpNavo」を開発し、これを販売するために盲学校をやめて会社を立ち上げたのです。

「xpNavo」には、画面の文字を3種類の声で読み分ける機能があり、ユーザーにとって内容の把握が容易になりました、また、声も非常にきれいです。パソコンの初心者にとっても、使いやすいソフトです。しかし、このソフトの最大の特徴は、新城社長が目指しているユニバーサルデザインの発想にあるといってよいでしょう。

従来のスクリーンリーダーが全盲の人を対象としているのに対して、「xpNavo」は弱視者も使えるように、ユーザーの「耳」になるだけでなく、「耳」と「目」になるモードも用意されています。これは、新庄さんの教師時代の経験から生まれたものです。パソコンの画面がある程度見える生徒にとっては、画面のテキストを全部読んでくれる必要はなく、必要な個所のテキストだけを読んでくれるような機能がのぞまれます。今までのスクリーンリーダーを使っていると、全盲の生徒と弱視の生徒は教室で分断されてしまうというのです。全盲者用と弱視者用の両方のモードをもっている「xpNavo」は、この問題を解決してくれます。さらに、弱視者用のモードは高齢者がパソコンを使用するときにも使うことができます。全盲者、弱視者、高齢者、これらの人たちが分断されることなく、一緒に使えるというユニバーサルデザイン、バリアーフリーの発想が実現されているのです。

「私にとっての障害とは、社会にとっての不完全さを直感し、理解できる力と健常者にはない視点とノウハウをもたらしてくれます。不完全なものを改善することが、ユニバーサル社会の形成につながるのであれば、私にとって障害は最大のメリットとなります」という新城さんの言葉を深くかみしめたいと思います。
STS-129 打ち上げ
STS-129 が先ほど(日本時間4時29分)予定通り打ち上げられました。NASA TV で見ていましたが、見事な打ち上げでした。

今回のフライトはISS(国際宇宙ステーション)への補給ミッションです。クルーはチャールズ・ホーバー船長以下6名です。帰りにはISS に長期滞在しているNASA のニコール・ストットさんが搭乗します。ニコールさんはHTV のISS とのドキングや分離のためのロボットアームの操作を担当しました。彼女はスペースシャトルで打ち上げ・帰還する最後の長期滞在クルーとなります。
スピリット救出作戦、スタートへ
NASA の火星ローバー、スピリットは今年の4月23日、今ではトロイと呼ばれている場所で車輪を砂にとられ、移動不能な状態におちいりました。下の画像は、スピリットの状態を示しています。スピリットの6つの車輪のうち、以前から作動していない右前の車輪を除き、残りの5つの車輪は砂に埋もれてしまい、もう少しでローバーの腹が砂に接しそうになっています。

スピリットの状態

ジェット推進研究所では、スピリットを脱出させるための検討作業が懸命に続けられてきました。この作業は火星と同じ性状の砂をつくることからはじまり、この砂を使ったトロイの環境を室内につくり、ここでローバーの実物大模型を動かして、いかにすればスピリットを脱出させられるかが調べられました。

脱出方法の検討

NASA はこれまでの検討を踏まえ、月曜日から、スピリットを救出するための作業を開始すると発表しました。この作業はまず、スピリットの生きている5つの車輪をそれぞれ前進方向に少しだけ回転させてみることからはじまります。その結果をみて、実際にスピリットを脱出させる手順を来年はじめまでに作成するとのことです。いずれにしても、この救出作戦は時間がかかりそうです。

火星ローバー、スピリットとオポチュニティーは2004年1月に火星に着陸しました。ミッション期間は90日の予定でしたが、2機のローバーは現在も生存しており、火星での滞在期間は2000火星日(1火星日は約24時間37分)を超えています。私はこの2基のローバーが地球に送ってきた驚くべきパノラマ写真を紹介した本『火星からのメッセージ』(ランダムハウス講談社)の翻訳監修をしました。そのような縁もあって、スピリット救出作戦の行方には特別の関心をもっています。
日本標準時
小金井市のNICT(情報通信研究機構)に行ってきました。本館正面には大きな電光掲示板があり、日本標準時が表示されていますが、この時刻表示は特別な意味をもっています。というのも、日本標準時はここNICT でつくられているからです。今日は、その日本標準時がつくられている場所を見せていただきました。

nict

現在、1秒の長さというのは原子の放射にもとづく方法で定められており、具体的にはセシウム133が、ある状態で放射する波の周期9,192,631,770個分の長さと定義されています。NICT では、この1秒の定義にしたがって、18台のセシウム原子時計と4台の水素メーザーによって日本標準時をつくっています。原子時計は温度や磁場などによって周波数が変化するため、温度や湿度が管理され、磁気的に遮蔽された4つの原器室に分けて設置されています。

これらの原器室内に設置された原子時計と水素メーザーは相互の時刻差が計測されており、1日1回、これらを平均・合成して、協定世界時(UTC)を得ています。これを9時間進めたものが日本標準時となるわけです。

こうしてつくられた日本標準時を、NICT は全国に配信していますが、私たちのPC からも、日本標準時にアクセスできます。NICT のトップページにはすでに日本標準時が表示されていますが、さらに「日本標準時」をクリックすると、自分のPC の内蔵時計が日本標準時とどれだけずれているかを診断してくれるページに移動します。このページの一番下にある「インターネットで時計合わせ」をクリックすると、PC の内蔵時計を日本標準時に合わせる方法が出てきます。これで時計合わせをした後、診断してみると、自分のPC の時刻のずれは「合っています(誤差1秒以内)」の表示に変わっているはずです。
NASA の2012年問題FAQ サイト
GoogleやYouTubeで ”doomsday” ”Mayan” ”2012” などの言葉を入れで検索すると、実に多くのサイトや動画がヒットします。どうやら「2012年12月に地球が最後の日を迎える」といった噂が世界的に広がりつつあるようです。もちろん、このような話には何の根拠もないことは、すでに書いたとおりです。しかし、これを冗談ですませることができない局面も出てきているようで、NASA は11月6日に、2012年問題に関するFAQ ページを立ち上げました。

“2012: Beginning of the End or Why the World Won't End?” というこのページでは、もうすぐ公開になるローランド・エメリッヒの映画『2012』のシーンが紹介されるとともに、「世界の多くのウェブサイトで2012年の12月に世界は終わると言っています。2012年に地球には何かが起こるのですか?」「惑星直列が起こって地球に影響を与えることはないですか?」「ニビルとか惑星X などの天体が地球に接近して地球に影響を与えることはありますか?」などの質問がならび、これらには何の科学的根拠もなく、2012年に何も起こらないことが説明されています。

私は今、この原稿をCNNを見ながら書いていたのですが、偶然というか、CNNでもちょうど、この2012年問題とNASAのFAQサイトについてのニュースを流していました。1999年の「ノストラダムスの大予言」のようにはならないでしょうが、これから少し、世界は騒がしくなるかもしれません。

日本の国立天文台のウェブサイトには「よくある質問」のページがあり、ここの「その他の質問」のところには、この問題に関連した「フォトンベルト」についての質問と答が載っていますが、2012年問題については、まだないようです。
型破りで、ハイリスクで、想像力に富む探査機
小惑星探査機「はやぶさ」にイオンエンジンの異常が発生し、2010年6月の地球帰還とサンプル回収があやぶまれる状況になっています。

2005年9月に小惑星「イトカワ」に到着した「はやぶさ」は、同年11月20日と26日に「イトカワ」への着陸を敢行し、26日の2回目の着陸では「イトカワ」のサンプル採取に成功しました。ところがその後の姿勢制御中に化学推進ロケット燃料のリークが発生し、12月9日には「はやぶさ」を運用できない事態に至りました。このため当初計画されていた2007年6月の地球への帰還は困難となり、2010年6月の帰還へと計画が変更されました。

はやぶさ

その後、「はやぶさ」は満身創痍の状態ながら航行を続け、地球帰還へもう少しのところまで来ていました。しかしながら2回目の軌道変換を行っている最中に、イオンエンジンの1基が停止してしまったのです。「はやぶさ」には4基のイオンエンジン(スラスターA〜D)が搭載されていますが、このうちスラスターA は打ち上げ直後に異常が発生して運用を停止、スラスターB も中和器の劣化により運用を停止しています。残りのスラスターC とD で地球への帰還を目指していたのですが、両者にも中和器の劣化が生じており、いつ異常が発生してもおかしくない状態でした。

「はやぶさ」運用チームでは、現在、探査機の状況を確認し、地球帰還に向けた対策を検討中とのことです。なんとか、小惑星のサンプル回収という「はやぶさ」ミッションの最終目標を達成してもらいたいところです。

もしも現在のきびしい状況が解決されず、「はやぶさ」の最終目標が達成されなくても、「はやぶさ」が世界の惑星探査ミッションに与える影響はきわめて大きいといえるでしょう。この点について私が思い出すのは、2005年12月、「はやぶさ」運用チームが地球帰還に向けて悪戦苦闘しているときに、アメリカのジャーナリスト、ジェームズ・オバーグ氏が送ってきた電子メールです。

オバーグ氏はNBCで宇宙関係のコメンテーターをつとめています。その彼が「はやぶさ」についてNBC とMSNBC に書いた記事を、私にぜひ読んでほしいと送ってきたのです。”The real promise of Japan’s asteroid mission” というタイトルのその記事には、次のように書かれていました。

「太陽の反対側で、日本の探査機は危機的状況と戦っている。計画のゴールは、小惑星のサンプルとともに、何年にもわたる惑星間空間のオデッセイから帰還することである。危機はこれまで何度もあったが、コントロールチームはそのたびに切り抜けてきた。・・・もしもゴールがチームの手からすべり落ちてしまったとしても、このきわめて革新的で立ち直りの早いミッションは、おそらくもっと大事なものを地球に持ち帰るだろう。型破りで、ハイリスクで、想像力に富む宇宙技術に対する新たな関心である。NASA やロシア宇宙庁のような巨大宇宙機関は、何十年も前のアイデアにお金を使い続けてきた」

オバーグ氏がいいたかったのは、限られた予算ではあっても、「はやぶさ」のような「型破りで、ハイリスクで、想像力に富む」探査機こそが、これからの惑星探査の世界を切り拓くのだということです。日本の月・惑星探査計画が進むべき道を、「はやぶさ」は身をもって示しているといえるでしょう。

「型破りで、ハイリスクで、想像力に富む」探査機がいかに大切であるかは、NASA の火星探査計画でも証明されています。NASA は1976年に2基のバイキング探査機を火星に着陸させました。バイキングは、いわば重量級の探査機の典型といえるでしょう。しかしながら、その後のNASA は長い間、火星に探査機を送ることはなく、1992年に打ち上げたマーズ・オブザーバーは火星に到達する直前に失われました。こうした中で1996年に打ち上げられたのがマーズ・パスファインダーです。

マーズ・パスファインダーは、バイキングの15分の1という低予算で、「ソジャーナー」と名づけられた小型ローバーを火星に送るという計画でした。着陸には逆噴射ロケットではなくエアバッグを使用し、火星表面に「軟着陸」させるというよりは、「落とす」という方式をとりました。現在も活動している火星ローバー、スピリットとオポチュニティーを運用しているコーネル大学アテナ・サイエンス・チームは、マーズ・パスファインダー計画について、次のように述べています。「マーズ・パスファインダー・ミッションの最大の危険は、打ち上げでも、惑星間飛行でも、火星表面の過酷な環境でもなく、打ち上げ前にキャンセルされることにあった。評価者はミッションをあまりにもリスキーなものとみなしており、多くの専門家が不可能だと考えた。しかし、パスファインダー・チームはいくつものチャレンジを克服し、最も成功した火星ミッションの1つを生み出した」

マーズ・パスファインダーの成功によって、約2年ごとに訪れる火星への打ち上げ機会のたびに、火星探査機が打ち上げられるという時代がはじまりました。惑星探査機にとって一番大事なのは予算ではなく、先進的なアイデアと困難への挑戦なのです。
日本の宇宙技術を世界に
今日はJAXA のヒューストン事務所を訪問しました。三宅所長にごあいさつし、その後、若田さんと打ち合わせをしました。

昨日、HTV は予定通り、大気圏に再突入しました。これで、H-B の初号機でHTV の初号機を打ち上げるというチャレンジングなミッションは、すべて成功に終わり、日本の宇宙技術のレベルの高さを世界に示すことになりました。

スペースシャトルが来年退役すると、HTV によるISS への物資輸送はきわめて重要な意味をもってきます。ロシアのプログレスやヨーロッパのATV では運べないような荷物(サイズの大きな荷物や暴露部で使う装置類など)も、HTV なら運べるからです。

将来は、HTV を発展させて、地上に物資を回収することもできるようになるでしょう。月や火星への物資輸送に使うこともできます。ロボットアームやHTV など、信頼性の高い宇宙技術を通して、日本は世界の宇宙開発に国際貢献を果たしていくべきであると思います。
ビルディング 9
私が滞在しているのは、ジョンソン宇宙センターや JAXA のヒューストン事務所のすぐ近くのホテルです。ケネディ宇宙センターも同じですが、ここでもホテルの部屋のテレビにはNASA TV が入っています。今ではインターネットでいつでもNASA TV を見られるようになりましたが、こうしてテレビをつけっぱなしにしたまま、もうすぐ打ち上げになるSTS-129 のクルーの訓練の様子や、先日のHTV 取り外しのリプレイで、ミッション・コントロールでキャプコムをつとめている星出宇宙飛行士の姿などを見ていると、宇宙飛行士たちが活躍する現場のすぐ近くにいることを実感します。

短い時間でしたが、久しぶりにジョンソン宇宙センターを見学してきました。ビルディング9 は体育館のようなところに、スペースシャトルやISS(国際宇宙ステーション)のモックアップやシミュレーターが置かれている建物で、宇宙飛行士はこれらを使って訓練を行います。下の写真は、ISS のモックアップの一部で、一番奥に日本の実験棟「きぼう」が見えています。

ビルディング9のISSモックアップ

ISS 全体の大きさはサッカー場くらいと表現されますが、実物大のISS のモジュールを間近で見て、これにさらにトラストと太陽電池パネルがついているところを想像すると、確かにISS が巨大な構造物であることがわかります。
満月とハロウィン
テキサス州ヒューストンに来ました。NASA の宇宙飛行士のホームグラウンドであるジョンソン宇宙センターがあるところです。日本人宇宙飛行士もここをベースとして訓練や日常の仕事をしています。

今日はちょうどハロウィンの日です。

Candlewood01

日が落ちると、東の空に満月に近い月が上がってきました。

Candlewood02

そういえば、1981年にはじめてヒューストンに来たときも、暮れなずむ空に、丸く大きな月が姿を見せていました。なんと美しい月なんだろうと思ったものです。そんなことを今でも覚えているのは、ジョンソン宇宙センターが、月着陸をめざしたアポロ計画の舞台だったからかもしれません。

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