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「はやぶさ」帰還、そして後継機への期待
2007年4月にはじまった小惑星探査機「はやぶさ」の地球への帰還の旅は、最後の局面を迎えようとしています。「はやぶさ」のカプセルは、6月13日午後11時(日本時間)頃に大気圏に再突入する予定です。カプセルの着陸場所はオーストラリア南西部のウーメラ立入制限区域です。

「はやぶさ」のイオンエンジンによる第2期軌道変換は3月27日に終了、4月6日にはTCM-0を実施して、地球外縁部への初期誘導を行いました。TCM とは軌道修正(Trajectory Correction Maneuver)のことです。今後、さらに4回のTCM が行われます。
TCM-1:再突入39日前頃までに実施。地球外縁部への誘導。
TCM-2:再突入15日前頃までに実施。地球外縁部への誘導。
TCM-3:再突入7日前頃までに実施。オーストラリア、ウーメラへの誘導。
TCM-3:再突入3日前頃までに実施。オーストラリア、ウーメラへの精密誘導。
カプセルは再突入3時間前頃に「はやぶさ」本体から分離されます。再突入後、1時間で着陸の予定です。

JAXA

「はやぶさ」ミッションの目的は、以下の5つにまとめられます。
(1)イオンエンジンを用いた地球と小惑星との往復飛行
(2)イオンエンジンでの加速と地球スイングバイの併用
(3)自律航法の実現
(4)イトカワのサンプル採取
(5)サンプルを積んだカプセルの回収

このうち(1)〜(4)はすでに達成されました。
(1)イオンエンジンを用いた地球と小惑星との往復飛行
「はやぶさ」のイオンエンジンは、マイクロ波によるプラズマ生成や炭素複合材を用いた電極の採用など、これまでのイオンエンジンにない特徴をもつ先進的なエンジンです。エンジンの寿命もこれまでに比べて飛躍的に向上しました。「はやぶさ」はこのエンジンを合計4万時間作動させ、イトカワとの往復を実現させました。
(2)イオンエンジンでの加速と地球スイングバイの併用
地球の重力を利用して探査機を加速する地球スイングバイは、これまでの探査機でも行われていますが、イオンエンジンで加速しながらの地球スイングバイは初めてのことでした。イオンエンジンでの加速はゆっくりしているため、地球スイングバイには精密な誘導が必要でした。
(3)自律航法の実現
イトカワ付近にいる「はやぶさ」と地球との交信には往復で40分間もかかってしまいます。そのため、「はやぶさ」は自分で自らの位置を知り、自分の判断でイトカワに接近していかなくてはなりません。「はやぶさ」はこのような自律航法を行ってイトカワに着陸しました。
(4)イトカワのサンプル採取
イトカワの重力はきわめて小さいため、サンプル採取にあたって、「はやぶさ」をイトカワ表面に固定することはできません。そこで、「はやぶさ」の底部に伸びているサンプラーホーンがイトカワ表面に接触すると、弾丸が撃ちこまれ、飛び散った破片を回収するという方法がとられました。弾丸が実際に発射されたかどうかは確認されていませんが、少量ではあれ、サンプルは採取されたと考えられています。

「はやぶさ」はこれから(5)に挑戦することになります。最後までの最後まで、難関が続きますが、私はそろそろ「はやぶさ」の後継機も応援したいと思います。少し気が早いといわれそうですが、「はやぶさ」はあくまで、イオンエンジンを使ったサンプルリターンの工学実証ミッションであり、小惑星の本格的探査はこれからはじまるのです。

イトカワのサンプルは太陽系の起源を解明する貴重な材料となるでしょうが、小惑星についてはまだわからないことがたくさんあります。小惑星はどのような母天体からつくられたのか、太陽系の誕生以来どのような歴史をたどってきたのか。こうしたことは、これから何度も探査機を送らなくては解明することはできません。

「はやぶさ」の後継機はすでに検討が進められています。イトカワはS型というグループに含まれる小惑星ですが、「はやぶさ」後継機は、より始原的なタイプの小惑星の探査を考えています。「はやぶさ」の成果をふまえた後継機のミッションは、「はやぶさ」と同じようにきわめてチャレンジングなものになるでしょう。

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