最近のエントリー
カテゴリー
過去のエントリー
カレンダー
S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
<< April 2017 >>
ブログ内を検索


PROFILE
モバイル
OTHERS
「はやぶさ」とスピリット:2つの探査機
一時、地球への帰還があやぶまれた小惑星探査機「はやぶさ」は、満足に働かなくなった4基のイオンエンジンのうち、まだ動いているスラスターA の中和器と、スラスターB のイオン源を組み合わせることによって、1基のイオンエンジン分の推進力を得るという離れ技で、ふたたび地球への帰還を開始しました。まさに、「立ち直りの早い」そして「型破り」な探査機の面目躍如といったところです。もちろん、予断を許さない状況は続いており、「はやぶさ」チームにとっては、息の抜けない日々が続いています。

火星では、もう1つの型破りな探査機が、砂からの脱出を試みています。NASA の火星ローバー、スピリットは、双子の探査機オポチュニティーとともに、すでに6年近く火星の探査を続けています。3度のきびしい火星の冬にも耐えてきました。スピリットのこれまでの移動距離は合計で7.73km に達していますが、トロイとよばれる場所で砂に車輪をとられ、立ち往生しています。

スピリットのチームは、砂からスピリットを脱出させるため、慎重に検討を重ねた上で、11月17日に、スピリットを前進させるコマンドを送りました。しかし、スピリットが動きはじめたとたんに、姿勢(傾き)の変化が設定限度の1度を超えてしまったため、1秒もたたずに停止しました。11月19日に行われた2度目の試みでは、スピリットは12mm 進みました。11月21日の3回目の試みでは、スピリットは4mm 進みましたが、右の後輪がストールしたため、停止しました。11月24日には状況を診断するために前進のコマンドが送られ、スピリットは2.1mm 進みました。11月28日にも前進のコマンドが送られましたが、やはり右の後輪がストールし、0.5mm しか進みませんでした。

スピリットのチームはこうした結果を慎重に検討しながら、次の対策を立てています。スピリットの状況を判断するには、テレメトリーデータ以外に、スピリットのカメラからの画像が重要な役割をはたしています。しかし、データの伝送に時間がかかるため、状況をすぐに把握できない状態が続いています。

下は、スピリットの前部障害物回避カメラが撮影した、11月28日の前進が終わった後の写真です。真中に黒く見えているのは、顕微鏡カメラなどの観測装置を取り付けてあるロボットアームの影です。スピリットの右前輪は2006年に動かなくなっています。そのため、スピリットはこのところずっと、後向きに移動してきました。写真に両輪のわだちが見えており、右前輪のわだちが引きずったように見えるのはそのためです。

スピリット

スピリットのマストの上についているパノラマ・カメラとナビゲーション・カメラは360度の撮影が可能です。またローバーの胴体下部についている障害物回避カメラは前と後ろについているので、スピリットは後ろ向きの場合でも、カメラで進行方向を確認しながら進むことができます。現在、「前進」のコマンドが送られているのは、砂に車輪をとられた場所から後退して脱出することを意味しています。

▲PAGE TOP