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コハクの中のモンスター
オレゴン州立大学のジョージ・ポイナーは、コハクの中に閉じめられた古代の昆虫の研究者として知られています。コハクの中の蚊から恐竜の血液を採取し、そのDNA から恐竜を復元するという『ジュラシック・パーク』(マイケル・クライトンの小説をスティーブン・スピルバークが映画化)は、もともとポイナーがカリフォルニア大学バークレー校にいたころに提唱していた、コハクの中の昆虫からDNA を抽出するというアイデアにもとづいたものでした。

そのポイナーが、ミャンマーで採取したコハクの中から発見された、ユニークで奇怪なハエについて報告しています。このハエは今から1億年前に熱帯域で生息していたもので、ユニコーンのように、頭の上に1本の角をもっています。しかも、その角の先には小さな眼が3つ、ついているのです。これは、現生のいかなるハエの仲間ももっていない特徴です。さらに、奇妙な形をした触覚や異常に長い脚ももっています。「3つの眼」などというと、バージェス頁岩の怪物たちを思い出してしまいます。

Cascoplecia insolitis

このハエは花の上で蜜や花粉を食べながら生活していたとみられています。大きな両眼に加え、角の先につている眼は、捕食者が接近するのをいち早く察知するのに役立ったかもしれません。長い脚は、花の間を渡り歩くのに便利だったでしょう。

このハエが生息していた白亜紀の地球は、花をつける植物が生息域を広げ、多様な進化をとげた時代でした。それにつれて、花粉を運ぶ役割をはたす昆虫も共に進化していきました。ポイナーが報告しているこの奇妙なハエも、こうした時代に登場した数多くの昆虫たちの一員だったのです。しかしこのハエの場合、環境の変化に適応できず、「進化の袋小路」に入ってしまいました。ポイナーはこのハエに、「孤立した」という意味をもつ Cascoplecia insolitis という学名をつけています。

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