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オーガスティン委員会の報告
アメリカの有人宇宙計画の見直し作業を行っている独立審査委員会の最終報告書のサマリーが発表になっています。この委員会はロッキード・マーティン社の元社長ノーマン・オーガスティン氏が座長をつとめており、「オーガスティン委員会」ともよばれています。オバマ大統領はオーガスティン委員会の最終報告書を受けて、今後のアメリカの有人宇宙計画を策定することにしており、報告書は世界の有人宇宙計画にも大きな影響を与えることになります。サマリーの内容は以下の通りです。

2010会計年度で退役することになっているスペースシャトルの今後の飛行は、2005年のリターン・トゥ・フライト以来の実績の2倍の頻度で行うことになっている。シャトルの飛行は安全かつ慎重に行うべきであり、2011会計年度の第2四半期まで、飛行を延長させるべきである。

組み立てから利用の段階に入っている国際宇宙ステーション(ISS)の運用は、2015年までとされているが、アメリカやパートナーの国々が行ったISSへの投資に対する見返りは、ISSが2020年まで運用されることによって大きく拡大する。ISSの運用を延長しない場合、アメリカが国際的な有人宇宙活動のパートナーシップを構築し、それをリードしていく能力は損なわれることになる。

次期有人宇宙船を開発するコンステレーション計画の予算は2010年のシャトル退役と2016年はじめのISS廃棄を前提にしている。技術的および予算上の問題から、アレス汽蹈吋奪箸肇ライオン宇宙船、アレス好蹈吋奪箸鳩鄰緡αゥ▲襯謄△粒発には遅れが生じている。シャトルの後継となる次期有人宇宙船オライオンは2015年に初飛行の予定であるが、現在の開発状況を考えると、最低2年延びるとみられる。このことは、オライオン宇宙船がISSを訪れることはないこと、およびアメリカが自らの有人輸送手段をもたない「ギャップ」が最低でも7年間になることを意味している。

低軌道および地球軌道以遠への重量級ペイロードを打ち上げる能力をもつロケットは、今後の探査活動や安全保障面から有益である。重量物運搬ロケットとしては開発中のアレス気肇▲譽広垢里曚、シャトルの直接的な派生型、これまでの使いきりロケット(EELV)の派生型が考えられる。軽量型のアレス(ライト)も考えられる。

低軌道への有人打ち上げについては、多少のリスクはともなうものの、民間によるサービスを考えるべきである。このような商業サービスは実現可能になりつつあり、アメリカの航空宇宙企業に対して、十分なインセンティブをもった競争を開始させるべきである。これによってNASAはより挑戦的な開発に取り組むことができる。

有人宇宙探査にとって、火星は最終的な目的地ではあるが、最初の、かつベストの目標ではない。まず月の有人探査を行うことによって、火星に向かうための知識を獲得することができる。月の探査には2つの方法がある。1つは月面基地を建設し、そこに長期滞在して科学活動を行うもの、もう1つは、月面のさまざまな場所を探査するものである。

「まず月に行き、次に火星に行く」という道以外に、月、ラグランジュ点、小惑星、火星、火星の衛星などさまざまな場所を訪れ、知識を拡大していく「フレキシブル・パス」も考えられる。

2010年度の予算ガイドラインでは、低軌道を超えた有人宇宙探査を行うことはできない。意味のある有人宇宙探査を行うには、2010年度のガイドラインより年間30億ドル多い予算が必要である。

以上を踏まえ、委員会では今後の有人宇宙計画について5つのオプションを提示しています。このうちオプション1とオプション2は2010会計年度と同程度の予算が今後も続くことを前提にしています。

オプション1
シャトルの飛行を2011会計年度までとし、ISSは2016年に廃棄。アレス気肇ライオンはISSが廃棄後、飛行可能となる。アレス垢2020年代に実現し、月着陸は2030年代になる可能性がある。

オプション2
ISSの運用を2020年までに延長し、利用に力を入れる。シャトルの飛行を2011会計年度までとし、その後の低軌道へのクルー輸送には商業サービスを利用する。軽量型アレスによる月探査計画をスタートさせる。2020年代後半まで重量物運搬ロケットは実現しない。月着陸に必要なシステムを開発する予算はない。

オプション3
シャトルの飛行を2011会計年度までとし、ISSは2016年に廃棄。2017会計年度にアレス気肇ライオンを初飛行させる。月着陸は2020年代半ばに実現。

オプション4
ISSの運用を2020年までに延長し、低軌道へのクルー輸送には商業サービスを利用する。シャトルの飛行を2011会計年度までとし、軽量型アレス垢任侶醉人探査を目指す案と、有人輸送手段をもたないギャップを短縮させるために、シャトルの飛行を2015年まで延長させる案が考えられる。どちらの場合も、月着陸は2020年代半ばとなる。

オプション5
フレキシブル・パスの宇宙有人探査をめざす。シャトルの飛行を2011会計年度までとし、ISSの運用を2020年まで延長、低軌道へのクルー輸送には商業サービスを利用する。重量物運搬ロケットに軽量型アレス垢鰺僂い覦董∋箸いりロケット(EELV)の派生型を用いる案、シャトルの直接的な派生型を用いる案が考えられる。

オーガスティン委員会の最終報告書は9月中旬にオバマ大統領に提出される予定です。

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