最近のエントリー
カテゴリー
過去のエントリー
カレンダー
S M T W T F S
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930  
<< November 2017 >>
ブログ内を検索


PROFILE
モバイル
OTHERS
『ブレードランナー 2049』
Blade Runner:2049

『ブレードランナー 2049』を観てきました。

20171031_01

SF映画史上、他に比べるものがない特別な存在である1982年公開のオリジナル『ブレードランナー』の続編として、重厚かつ思索に富む作品になっています。75歳になったハリソン・フォードが出演することによって、オリジナル『ブレードランナー』のどのバージョンでもはっきりとした結論がでていなかった疑問には、最初から答が示されているものの、オリジナルと同様に、フィリップ・K・ディックの原作がもつ根源的な問いが、真正面から描かれています。

とはいえ、この作品はオリジナルの続編というよりは、1つの独立した作品として楽しんだ方が良いかもしれません。35年前に描かれた2019年の未来社会と、ほぼその時代になった現代に描かれた30年後の未来社会はまったく異なっているからです。その間のテクノロジーの発達と社会の変容は驚くべきものです。オリジナルの『ブレードランナー』が描いた混沌とエネルギーに満ちた都市の風景は、今ではアジアのいくつもの都市で現実のものになっています。オリジナルの『ブレードランナー』と同じ世界を共有するウイリアム・ギブソンのSF小説『ニューロマンサー』(1984年発表)が描いた、脳に埋め込んだチップでつながる電脳空間は、今やスマホの世界となって日常化しています。かつては最先端のテクノロジーと考えられていたものが、ありふれた日常となってしまった現代に描かれる30年後の未来は、夜の街路に人影はまばら、そして郊外には核戦争や気候変動によって破壊された都市が廃墟となって広がるディストピアになっています。

『ブレードランナー 2049』の監督ドゥニ・ヴィルヌーヴが、『ブレードランナー』を大事に扱っていることもよくわかりました。レイチェルをもう一度見たいというファンに応えるシーンも用意されています。私にアンドレイ・タルコフスキーの作品を連想させたラストシーンは、『ブレードランナー』の、ルトガー・ハウアー演じるレプリカントがビルの屋上でデッカードを救って命を終えるシーンへのオマージュといえるでしょう。

▲PAGE TOP