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北朝鮮の核ミサイル開発はどのくらい脅威か(1):ミサイル(前編)
最近の北朝鮮のミサイル開発は以下の点で、日本や周辺諸国そして全世界にとって大きな脅威になっています。

2016年以降、ミサイル発射実験が活発になっている。
新しい系列の弾道ミサイルが登場している。
大陸間弾道ミサイル(ICBM)の完成が近い。

しかし、これらがどれだけ深刻な脅威であるかは、日々の報道をチェックしているだけでは分かりづらいところがあります。北朝鮮のミサイル開発の経緯をたどり、彼らが今、どのような段階にたどりついたのかをみてみましょう。

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金日成は1953年の朝鮮戦争休戦後、核と弾道ミサイルの保有を目指しました。ソ連は地対空ミサイルSA-2 などの兵器供与を行いますが、朝鮮半島の不安定化をのぞまず、最新の兵器や軍事技術の提供は行いませんでした。金日成は1965年、ミサイル開発のため咸興に軍事科学院を設立します。これが北朝鮮における弾道ミサイル開発のスタートとされています。

北朝鮮と中国は1976年に戦術ミサイルDF-61 の共同開発を開始しますが、中国側の事情で開発計画は2年後にキャンセルされました。しかし、北朝鮮の技術者はこのときミサイル技術に関して貴重な知識を得ました。

ソ連は1972年に短距離弾道ミサイル、スカッドB を北朝鮮に供与したとされています。1970年代末に、北朝鮮はソ連の許可なくエジプトから入手したスカッドB のリバースエンジニアリングを行い、スカッドB の北朝鮮版である火星5 を開発しました。リバースエンジニアリングには中国が協力したとされています。当時は中ソ対立の時代で、金日成はこれを利用し、ソ連との関係を保つと同時に、ミサイル技術に関しては中国にアプローチしていたのです。北朝鮮はさらにスカッドB を改良したスカッドC(火星6)を開発しました。火星5 と火星6 によって、北朝鮮は韓国全域を攻撃することが可能になりました。

北朝鮮はスカッドのエンジン9D21 を大型化することに成功。これを用いた準中距離弾道ミサイルがノドンです。ノドンの開発は1988年にはじまり、1990年代初めに完成しました。開発には中国が協力したほか、1991年のソ連崩壊にともない、ロシアやウクライナの技術者も関与したとされています。ノドンは日本と在日米軍基地を攻撃するためのミサイルです。スカッドとノドンの配備数は明らかではありませんが、スカッドが600基、ノドンが200基という報告があります。スカッドの射程を伸ばしたスカッドER というバージョンも開発されています。

さらに北朝鮮はソ連崩壊後、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)であるR-27 (SS-N-6)の技術者をひそかに北朝鮮によび寄せ、準中距離弾道ミサイル、ムスダン(BM-25)を開発しました。ムスダンは2007年の軍事パレードに登場しましたが、発射実験はずっと行われず、長い間、その正体は明らかではありませんでした。しかし、北朝鮮は2016年にムスダンの発射実験を8回にわたって行いました。7回は失敗しましたが、6月22日の2回の発射のうち1回は高度1000kmに達した後、日本海に落下しました。

R-27は潜水艦から発射するため全長を抑えなければならず、4D10エンジンは本体がミサイル下部の燃料タンク内に置かれ、ノズル部分のみが外部に出ている特殊な構造になっています。ムスダンは燃料をより多く搭載して射程を伸ばすため、全長をR-27 より長くしていますが、そのためにミサイル全体のバランスが崩れてしまったことが失敗の原因ではないかと考えられています。1回は発射実験に成功したものの、ムスダンはまだ開発途上と考えられます。

この4D10エンジンは、ICBM とされるテポドン2 にも使われています。テポドン2 は3段式で、第1段は4D10 を4基クラスター化し、第2段にはノドンが使われています。第3段は小型の液体ないし固体燃料ロケットです。テポドン2 を衛星打ち上げに用いたものは銀河2、銀河3 とよばれていますが、基本的には同じものです。

テポドン2 は2006年に最初の発射実験が行われましたが失敗しました。2009年には銀河2 による「人工衛星の打ち上げ」が行われましたが、打ち上げは失敗しました。2012年4月の銀河3 の発射は失敗しましたが、同年12月には人工衛星とされる物体を軌道投入しました。銀河3 は2016年にも人工衛星の軌道投入に成功しています。テポドン2(銀河3)は専用の発射台を必要とし、発射台への移動から燃料注入、発射まで最短で3〜4日かかるため、ICBM としての利用は現実的ではありません。

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