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ブリューゲルの『バベルの塔』:天空に伸びるアーチ
Bruegel’s “The Tower of Babel”:Arches toward the sky

24年ぶりに来日したボイマンス美術館の『バベルの塔』を見てきました。ウィーン美術史博物館の『バベルの塔』が、建設がはじまってからそれほどたっていない時期を描いているのに対して、ボイマンス美術館の『バベルの塔』ではすでに長い年月にわたって工事が行われてきたことは、以前ここにも書きました。下層の煉瓦の色がすでに風化してくすんでいるのに対して、工事中の最上部では煉瓦の色がまだ赤いことが、それを示しています。

この作品を改めて見ると、その細部の描きこみに驚かされます。会場には東京藝術大学によって約3倍に拡大された複製も展示されていました。そのサイズにしてようやくわかるほどの細かい描写です。

今回、この作品の細部を見て特に印象に残ったのは、塔最上部での工事風景でした。

20170507_01

ブリューゲルの『バベルの塔』は、彼がローマで実際に見たコロッセウムのアーチ構造を参考にしていることは間違いありません。コロッセウムのアーチは3層ですが、『バベルの塔』では第7層が工事中で、さらに天空に伸びようとしています。また塔の内部を見ると、このアーチ構造は同心円状になって塔全体の構造を支えていることがわかります。

ブリューゲルはアーチをつくるための木組みや多数の作業員を描いており、塔はさらに上に伸びようとしています。無限に増殖を続けるかのようなアーチの集積を描くことによって、彼は天空を目指す人間の欲求、あるいは業というべきものを表現しているように思われます。

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