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都市はメディアである
新国立競技場の設計案に関して、周囲の環境との調和を意図的に拒否するザハ・ハディトのデザインは、長い物語をもつ成熟都市・東京にはそぐわないことを、私はここここここに書きました。その後、写真家の中川道夫氏から、6月19日に日本建築家協会JIA館で開催されるJIAアーキテクツ・ガーデン2015「都市はメディアである――写真家は建築家と都市のたくらみを目撃してきた」の案内をいただきました。

20150613_01

中川氏は長年にわたって、時代の記憶を遺す都市風景を取材してきました。建築と都市の境界線が消えた上海、見えない記憶の都市アレクサンドリア、台湾で進む日本統治時代の建造物のリノベーション、イーストロンドンの伝統と移民のリミックス。どの都市も変化を続けていますが、そこには都市と建築と人の営みが見えてきます。

神宮外苑にザハという異世界の宇宙船が着陸した今こそ、ぜひ中川さんの話を聞き、写真を見てみたいと思います。

その新国立競技場は、問題のあるアーチを残す設計で建設されるようです。すべてが密室で進められ、一部の政治家と文科省の天下り、そしてたった1人の建築家の面目を保つために、2020年の東京オリンピックは次の世代に莫大な負の遺産を遺すことになりました。東京五輪・パラリンピック組織委員会会長の森喜朗氏も「個人的には、あのザハ・ハディド氏の設計は好きじゃない」というのに、なぜ、こんなことになってしまったのでしょうか。

そもそもこのアーチは、スタジアムの「屋根」をつくるためのものではありません。スタジアムの上をおおうことになるのは、コンサート用の「遮音膜」です。耐火性のない素材なので、屋根にはできません。この膜が降雪やゲリラ豪雨で貯まった雨水の荷重に耐えられるか疑問です。実際には荷重に耐えられるように作られるでしょうが、そうすればするほど、スタジアムをおおう構造はますます複雑になり、お金がかかることになります。

そのアーチのために工費は1000億円以上膨らみます。小惑星探査機「はやぶさ」があれだけの成果を上げながら、「はやぶさ2」は予算獲得に苦労しました。「はやぶさ2」の総事業費は289億円です。アーチの値段と比べてみてください。

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