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『ホドロフスキーのDUNE』:B級映画とブロックバスターの間
Jodorowsky’s DUNE:B movies and brockbusters

『ホドロフスキーのDUNE』を観てきました。

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『エル・トポ』のアレハンドロ・ホドロフスキーは1975年、フランク・ハーバートの『デューン/砂の惑星』(1965年)の映画化を考えます。彼の構想はあまりにも壮大かつ破天荒で、ハリウッドにはなじまず、企画は実現せずに終わります。しかし、幻の作品となったが故に、彼のアイデアやメビウスの描いたコンテ、クリス・フォスやH・R・ギーガーのイラストレーションなどは、その後のSF映画に大きな影響を与えました。

1950年代のアメリカのSF映画に長く親しんできた私にとって、「B級」という形容詞がつけられることが多かったSF映画が、ハリウッドでブロックバスター映画になっていく歴史は、非常に興味があるものです。と、同時にいくつかの疑問もありました。その一部が『ホドロフスキーのDUNE』を観て解決した気がします。

B級映画とは低予算でつくられ、内容もいまいちで質の落ちる映画と解釈されていますが、もともとはハリウッドで制作された映画の配給方式にもとづく「B movie」あるいは「B picture」から来ています。当時、劇場での公開は2本立てで行われていたため、予算をかけたメインの作品と同時に、低予算の作品をもう1本制作して配給する必要がありました。それがB movieです。

1950年代に制作されたたくさんのSF映画の中には、『禁断の惑星』や『宇宙水爆戦』など優れた作品もありますが、確かにその多くがいわゆるB級とよばれるものであったのは事実です。しかし、そこにこそ、この時代のSF映画の魅力があり、低予算であるが故に行われたさまざまな試みが、将来ハリウッドを席巻するパワーの源泉となったのです。

1950年代のSF映画は1960年代前半にその輝きを失っていきます。テレビの普及や時代の雰囲気の変化など、いくつもの原因があったのでしょう。1968年に公開された『猿の惑星』は、SF映画がハリウッドのメインストリームへ向かう画期的な出来事でした。この年にはキューブリックの『2001年宇宙の旅』も公開されました。

その後1970年代後半になると、『スターウォーズ』(1977年)、『未知との遭遇』(1978年)、『エイリアン』(1979年)などが次々と公開されていきます。少年時代に1950年代のSF映画を観て育った世代がこうしたSF大作をつくるようになったとき、そこにはSF映画の黄金時代とは異質のテイストが、いくつも加わっているように私には感じられたものです。おそらく、その1つがホドロフスキーの『DUNE』だったのでしょう。

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