サリュート 7:危険に満ちたレスキュー・ミッション(2)

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    Salyut 7Risky Rescue Mission (2)

     

    ウラジーミル・ジャニベコフ(右)とビクトル・サビヌイフ(左)に与えられた任務は、漂流しているサリュート7号に乗り移り、すべての機能を回復させることでした。

     

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    次のクルーを待っていた無人のサリュート7号は1985211日、地上とのコンタクトを喪失しました。サリュート7号はソ連の宇宙計画にとって重要な役割をもつ宇宙ステーションでした。ソ連は当時、次の宇宙ステーション「ミール」を製造していましたが、打ち上げは1986年の予定でした。それまでサリュート7号が使えないとなると、ソ連の有人宇宙計画に大きな空白が生じてしまいます。ソ連にとってミール宇宙ステーションの打ち上げを待つという選択肢はありませんでした。なぜなら、アメリカは1981年にスペースシャトルを就航させ、次々と人間を宇宙に送り出していたからです。スペースシャトルは最終的には年間24回の飛行を目指していました。再び宇宙での存在感を増すアメリカに対抗するには、宇宙の難破船となったサリュート7号を救出することが必要でした。31日、ソ連はサリュート・レスキュー・ミッションの実行を決定しました。

     

    しかし、これは危険をともなうミッションになるはずでした。ソユーズ宇宙船とサリュート宇宙ステーションのドッキングは、「イグラ」(ロシア語で針の意味)というシステムによって自動で行われます。何らかの不具合が生じて自動ドッキングが行えない場合には、宇宙飛行士がマニュアルでドッキングすることもありますが、その場合もサリュート側のシステムがすべて停止しているわけではありません。しかし、今回のドッキングは、相手がまったく反応しない状況下でのドッキングになります。これはソ連にとって初めての試みでした。

     

    ソ連の宇宙飛行士は訓練時に必ずマニュアルでのドッキングを練習します。しかし、今回の危険なミッションを行うには、軌道上で実際にマニュアル・ドッキングを行った経験が必要と判断されました。当時、軌道上でそれを行った経験をもつ宇宙飛行士は3人、キジム、ユーリー・マリシェフ、そしてジャニベコフでした。このうち、キジムは長期滞在から帰還後のリハビリ中、マリシェフは飛行経験が少なく、今回のミッションで必要となる船外活動の経験がありませんでした。すでに4回宇宙を飛んだ経験をもち、優れた技量をもつジャニベコフ以外に、このミッションを行える宇宙飛行士はいなかったのです。

     

    ジャニベコフは1942年、ウズベキスタン共和国のイスカンダルに生まれました。一家はその後、タシケントに移り住みました。ガガーリンが人類初の宇宙飛行を成しとげた年に、ジャニベコフは練習機で初めて空を飛びました。ロシア空軍のパイロット時代に厳しい試験をパスし、ジャニベコフは1970年に宇宙飛行士訓練センターである星の町にやってきましたが、ガガーリンはこのときすでに世を去っていました。「彼に会えなかったことを、私はとても残念に思う」とジャニベコフは語っています。

     

    ジャニベコフの相棒となるフライト・エンジニアにはサビヌイフが選ばれました。サビヌイフはサリュート7号の各システムに精通しており、次の長期滞在ミッションのクルーとして訓練を開始していました。正式にT-13号のクルーとなった2人は、特別訓練を開始しました。

     

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    2人が乗りこむソユーズT-13号には大幅な改造が加えられました。3番目の座席や自動ドッキング装置は撤去され、食糧、水、推進剤が余分に積みこまれました。また、サリュートまでの距離や接近速度を測定できるレーザー測距計が設置されました。夜間でも見える赤外線ゴーグルも準備されました。

     

    こうして198566日、ジャニベコフとビクトル・サビヌイフが搭乗したソユーズT-13号は宇宙へ飛び立ちました。68日、飛行3日目、ソユーズT-13号はサリュートから10kmまで接近しました。サリュートは長軸を中心にゆっくり回転していました。サリュートをとらえたビデオカメラの映像は、モスクワ郊外にある管制センター(TsUP)にも送られました。

     

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    太陽電池パネルが太陽の方向を向いておらず、サリュートが電源喪失の状態にあるのは明らかでした。



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