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中国の月探査機、嫦娥3号の着陸地点
Landing site of Chang'e-3

中国の月探査機、嫦娥3号は12月14日午後9時11分(北京時間)、月面への軟着陸に成功しました。着陸地点は北緯44.12度、西経19.51度(東経340.49度)。「雨の海」の北端で、これまでの報道で着陸目標とされてきた「虹の入江」の東の地域でした。

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極軌道をとっていた嫦娥3号は、南から目標地点にアプローチし、着陸を果たしました。下は、嫦娥3号の着陸までの経路です。

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下は、NASAの月周回衛星LROが以前に取得していた画像の上に、嫦娥3号が地球に送ってきた着陸直前の画像のフレームを示したものです。小さな四角に囲まれたあたりが、着陸地点とみられています。

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嫦娥3号は12月6日に月を周回する極軌道に入りました。高度は約100km、月を1周するのにかかる時間は約2時間です。その後、着陸を試みるまで8日間かかっていますが、これにはいくつかの理由がありました。1つは、12月6日の月齢は3日、いわゆる三日月で、雨の海にはまだ太陽の光が差していませんでした。目標地域が朝になるのを待つ必要があったのです。ちなみに、月では昼と夜は2週間ずつ続きます。また、12月6日頃には、嫦娥3号の軌道面は、まだ目標地域の上を通っていませんでした。着陸のタイミングを待つ間、軌道の微調整や機器の点検などが行われていたと思われます。

嫦娥3号は12月10日に、月の裏側で軌道変更のためのエンジン噴射を行い、近月点高度15km、遠月点高度100kmの楕円軌道に入りました。嫦娥3号の着陸目標としては、下の画像のように、実際に着陸した場所を含み、さらに西側の虹の入江までの長方形の地域が設定されていたようです。

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月はゆっくり自転しているので、嫦娥3号の軌道面は、経度にすると、1日に約12度しか西にずれていきません。したがって、嫦娥3号には着陸目標内に降下する機会が十分にあり、何か不具合が発生しても、対応をとる余裕があったでしょう。ただし、着陸機とローバーを午前中に分離したいという事情があったため、できるだけ早い着陸機会に降下を行ったとみられます。真昼になると、月面の温度が急激に上昇してしまうからです。

着陸後、翌15日に、ローバー「玉兎」が月面に降りて活動を開始しました。

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雨の海は、約38億年前の衝突によって生じた巨大なくぼみを、内部から噴出してきた溶岩が埋めてつくられました。嫦娥3号が雨の海を着陸地点に選んだ一番の理由は、ここにはきわめてなめらかな溶岩原が広がっており、高地のような起伏の激しい地形はなく、着陸の障害になるクレーターや大きな岩石も少ないため、着陸に安全な場所だったことにあると思われます。

科学的な見地からいうと、雨の海を埋めた溶岩は、月での火山活動が活発であった30〜38億年前に噴出したもので、これを調べることによって、月の進化についての新しい知見が得られるものと期待されます。

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