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ロシアに落下した隕石:破片の採集と分析が進む
What exploded over Russia?

2月15日、ロシアのチェリャビンスク近郊に隕石が落下したようすは、まるでSF映画を観ているようでした。落下場所の地名をとり、チェバルクル隕石と名づけられています。

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隕石は直径が15〜17メートル、質量7000〜1万トンのコンドライト(石質隕石の仲間)とみられています。コンドライトは太陽系誕生直後の状態を保持した始原天体です。チェバルクル隕石は、約20度という低い角度で大気圏に突入しました。このときの速度は秒速約18キロメートルとみられています。隕石が落下するにつれて進行方向の空気が圧縮され、高温が発生しました。大気圏突入から32.5秒後、高度約20〜24キロメートルで多数の破片に分裂し、そのときの衝撃波が地上に到達して多くの被害をもたらしました。

下は、チェバルクル隕石の落下経路です。

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『ネイチャー』誌の3月7日号によると、専門家チームがロシア科学アカデミーに協力しながら調査を進めており、0.5〜1センチほどの隕石をすでに50個ほど発見したとのことです。また、ロシアの別のチームも調査を行っており、50個以上の隕石を発見しました。その中には重量が約2キログラムのものもあるといいます。初期分析では、大気圏に突入の際の高温で生じた溶融物が観察されています。

今回落下した最大の隕石はチェバルクル湖の湖底にあるとされています。凍結したチェバルクル湖には隕石落下による穴があいており、その周囲から細かい隕石が発見されたと報道されています。

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しかし、この穴に違和感をもった方もいたのではないでしょうか。私たちは木星のガニメデ、カリスト、エウロパなどの氷の衛星の観測から、凍結した場所に小天体が衝突したときに、どのようなクレーターが生じるかを知っています。

『ネイチャー』誌はチェバルクル湖の穴について、「写真で見る限り、隕石落下のクレーターらしくはない。誰かが斧であけた穴のように見える」という専門家のコメントを伝えています。

チェバルクル隕石落下のようすを、大気圏突入時からずっと観測していたのは、CTBTO(包括的核実験禁止条約機関)の核実験監視ネットワークでした。CTBTOの監視ネットワークは大気中で発生した異常な振動をインフラサウンド(人間の耳には聞こえない超低周波音)の領域で高感度に検出することができます。隕石落下はCTBTOの17の観測ステーションで観測されました。

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下はCTBTOのネットワークで得られたデータです。上は検出されたインフラサウンドの波形で、中央の大きく振れているところで、隕石が爆発しました。下は周波数スペクトルです。

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チェバルクル隕石は小惑星帯からやってきた隕石と考えられています。金星の軌道近くにまで達する楕円軌道をとっていました。

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2月15日には小惑星2012 DA14 が地球の近くを通過しました。2012 DA14 とチェバルクル隕石は軌道は下のようなっていました。

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この図からも明らかなように、両者の間に関係はありませんでした。

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