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火星の青い日没
Sunset on Mars:A Moment Frozen in Time

火星の景色が実際にどんな色に見えるのか、多くの方が関心をもたれる点だと思います。科学者がこの問題をどう解決しているかは、先日書きましたが、今日はあるテレビ局から、「昼間の火星の空はピンク色なのに、夕焼けが青くなるのはなぜか」という質問の電話をいただきました。

下の画像は、オポチュニティーが2004年に撮影した火星の日没の画像です。確かに、火星に夕焼けは青色でした。

120904_01

スピリットとオポチュニティーのパノラマカメラは、対象物を3色のフィルターで撮影し、人間の目で見たものに近い色調を再現しています。この場合、可視光の赤・緑・青ではなく、750nm(近赤外)、530nm(緑)、430nm(紫)のフィルターを使って撮影します。したがって、上の画像は、正確にはフォールス・カラーなのですが、できる限り人間の目に近い色になるような処理をしています。

なぜ、このような青色になるのでしょう。

地球では、太陽からの光は大気分子によって散乱されます。このとき、散乱される度合いは青い光の方が赤い光より大きいため、私たちには空が青く見えます。一方、太陽からの直射光には、散乱によって青い色の成分がなくなっています。夕焼けになると、太陽光は大気層を長く通ってくることになります。その間に、青い光はなくなってしまうため、夕焼けは赤くなります。

火星の大気は地球にくらべて150分の1程度と非常に薄いので、大気分子により散乱はほとんどありません。一方、大気中に浮かんでいるダストが太陽光を散乱させているのですが、ダストは赤い色をより散乱させます。そのため、火星に空はピンク色ないしオレンジ色に見えるのです。太陽が傾くと、太陽光は火星の大気層をより長く通ってきます。その間に赤い光はなくなってしまいます。そのため、太陽を真正面から見ると、太陽の方向からくる青い光が散乱され、夕焼けが青く見えるのです。

下の画像は、スピリットが2005年5月19日に撮影した火星の日没です。やはり夕焼けが青く写っています。太陽から離れた空に少し赤みが入っていますが、これは、近赤外・緑・紫のフィルターの組み合わせのためです。

120904_02

“A Moment Frozen in Time” と題されたこの画像は、スピリットが撮影した画像の人気投票で1位になりました。私もこの画像が大好きで、長い間、PCの壁紙に使っていたものです。

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