最近のエントリー
カテゴリー
過去のエントリー
カレンダー
S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< May 2017 >>
ブログ内を検索


PROFILE
モバイル
OTHERS
火星探査機キュリオシティー:マーズダイアル(1)
Mars Dial (1):The true color

マストカメラでのカラー撮影に重要な役割をはたすのが、マーズダイアルです。マーズダイアルは基本的には日時計(サンダイアル)で、キュリオシティーのデッキに取り付けられています。

120824_01

マストカメラのクリア・モードで撮影を行うと、人間の目で見て自然なトゥルーカラー画像が得られます。しかし、その色が厳密に「本当の色」なのかどうかを考えてみると、難しい問題があることに気がつきます。火星の風景を実際に自分の目で見た人間はまだいないからです。

地球の空はレイリー散乱によって青く見えますが、火星では大気中を舞っている細かいダストが赤い光をより散乱するため、空はピンク色に見えます。そのため、火星の風景も赤みをおびて見えます。また、太陽の明るさは地球の半分以下です。地球上では自然な色に撮れるカメラであっても、こうした条件下で同じように自然な色を再現できるという保証はありません。

この問題を解決する方法は、あらかじめわかっている色を火星にもっていくことです。こうした考えから、1976年に火星に着陸したバイキング探査機にはカラーチャートが取り付けられていました。地球に送られてきた写真を、このカラーチャート通りに再現させれば、実際の火星の色が得られます。

120824_02

1997年に火星に着陸したソジャーナー、2004年に着陸したスピリットとオポチュニティー、そしてキュリオシティーで色の補正に用いられているのが、マーズダイアルです。下は、スピリットのマーズダイアルで、今回もほとんど同じものがキュリオシティーに搭載されました。

120824_03

マーズダイアルの基盤の四隅は、赤、青、緑、黄色に塗られており、これをカラーバランスの調整に用います。また日時計部分は、同心円状のグレーの円盤に、丸い影が落ちるようになっています。これは日影の色を見るためのもので、火星の空の色の影響を除く際に有効です。

こうしたカラー調整は、当然のことながら、マストカメラの他のフィルターを用いた特定の波長での撮影にも必要です。先日も紹介したマストカメラのフィルターのチェック画像で、どの画像にもマーズダイアルが写っていたのはそのためです。

120824_03

マストカメラでの実際の撮影では、まずマーズダイアルを撮影した後、対象物の撮影を行い、撮影終了後、もう一度マーズダイアルを撮影します。

なお、今回発表されているマストカメラの画像では、「ホワイト・バランシング」を行った画像も一緒に公開されています。ホワイト・バランシングは市販のデジカメでも使われている、色のかぶりを取り除く処理です。ホワイト・バランシング後のキュリオシティーの画像は、火星の地形を地球にもってきて、自然光の中で見たときの色を示しています。

▲PAGE TOP