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火星探査機キュリオシティー:科学観測装置
Curiosity’s ten science instruments

火星に着陸したキュリオシティーには、10種類の科学観測装置が搭載されています。それらについて、説明しましょう。マストカメラについては、別に詳述します。

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Mastcam(マストカメラ)
火星の地形や地層をカラーで観測するためのカメラです。

ChemCam(化学分析カメラ)
レーザー光を使って化学分析を行う装置です。

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ChemCam は大きく2つの部分から構成されています。1つは、レーザー光を発射し、分光観測を行う装置LIBS です。測定を行う対象物に5ナノ秒間隔でレーザーパルスを当て、照射された個所の原子やイオンをプラズマ化させます。そのプラズマの発する光を望遠レンズでとらえ、光ファイバーで分光計に導き、どのような原子であるかを調べます。結果がすぐにでる点が特長で、水や含水物の発見にも威力を発揮すると考えられます。
 もう1つの装置は、撮像装置BMI です。このカメラの役割は、測定対象物を撮影し、レーザー光を照射した個所を撮影することにあります。

APXS(アルファ粒子X線スペクトロメーター)
火星の岩石や土壌の成分分析に用いるAPXS はスピリットやオポチュニティーでも活躍しました。キュリオシティーにはその改良型が搭載されています。

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センサー部分は、キュリオシティーのロボットアーム先端にあり、これを測定対象物に接近させて測定を行います。アルファ粒子源にはキュリウム244 が用いられています。アルファ粒子が衝突して発生したX 線を検出します。分析装置自体はローバー本体内にあります。

MAHLI(高解像度接写撮像装置)
ロボットアームの先端に取り付けられた高解像度のカラー撮像装置で、地質学者が用いるルーペのかわりになって、岩石や土壌の拡大画像を撮影します。

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解像度は2.5cm 離れた場合で15マイクロメートルです。ハイビジョン映像の撮影も可能です。白色のLED を用いて夜間に撮影することや、紫外光LED を用いて蛍光物質の測定を行うことも可能です。

CheMin(化学・鉱物測定装置)
採取した火星の岩石や土壌のサンプルを分析し、どのような鉱物から構成されているかを測定する装置です。

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ロボットアームの先端にはSA/SPaH(サンプル採取・処理・ハンドリングシステム)が搭載されています。これによって採取されたサンプルはCheMin の小さなセル内に装荷されます。これをX 線回折装置で分析します。セルはサンプルホイールとよばれる円盤の外周部分に32個並んでいます。このうち27個のセルは再利用が可能で、ミッション期間中に74回のサンプル分析が行われることになっています。

SAM(サンプル分析装置)
火星の岩石や土壌のサンプルを採取し、生命に関係する物質を検出するために用いる装置です。キュリオシティーによる探査目標の1つは、火星に存在したかもしれない生命の痕跡を調べることであり、今回のミッションで非常に重要な観測装置の1つです。SAM には質量分析計、ガス・クロマトグラフィー、レーザー・スペクトロメーターが搭載されています。

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粉状にした岩石のサンプルや土壌は、SAM 内の小さなサンプル容器に装荷されます。サンプル容器は全部で74個あり、再利用が可能。容積は0.78立方cm です。容器内のサンプルは約1000度C まで加熱されます。これによって発生したガスはガス・クロマトグラフィーにかけられ、有機物の検出が行われます。検出された有機物は質量分析計でくわしく調べられます。質量分析計は、サンプルからのガスに含まれている炭素以外の生命の関係した元素、たとえば窒素、リン、硫黄、酸素、水素なども測定します。レーザー・スペクトロメーターで同位体比の測定も行います。
 SAM には火星大気の取り入れ口もあり、ここから採取した大気サンプルをレーザー・スペクトロメーターで分析することも行われます。大気中の二酸化炭素の酸素同位体比(酸素18と酸素16)や炭素同位体比(炭素13と炭素12)の測定、微量に含まれるメタン濃度の測定などを行います。こうしたデータは火星環境の変遷を知るために有用です。

REMS(環境モニタリング・ステーション)
火星環境を毎日モニタリングする気象観測ステーションといえるものです。

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風向、風速、気圧、相対湿度、気温、地表面温度、紫外線量を測定します。紫外線測定装置以外のセンサーは、マストの途中に取り付けられています。紫外線のセンサーは、ローバーのデッキにあります。

RAD(放射線測定装置)
火星表面での放射線被ばくを調べるための装置です。

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太陽や宇宙から飛んでくる高エネルギー粒子の量を測定し、将来の火星有人探査に必要なデータを取得することを目的としています。また、火星にかつて存在したかもしれない生命と放射線との関係を解明するデータとしても期待されています。

DAN(中性子反射率測定装置)
表面下に含まれる水分(氷、含水物)を調べる装置です。

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水素に中性子が当たると減速することを利用して、水の検出を行います。DAN は宇宙線中性子の反射を検出するほか、自らも中性子源をもっているので、アクティブおよびパッシブの両方のモードで測定を行えます。

MARDI(火星降下撮像装置)
火星の着陸する直前に、真下の地形をとらえるための撮像装置です。

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着陸時の映像取得に成功しました。

MARDI 以外は今後活躍する装置で、現在は初期チェックが行われています。

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