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衛星タイタンの赤道域にメタンの湖が存在
Titan:Methane lakes in Shangri-La

カッシーニ探査機が観測した土星の衛星タイタンの新しい画像が発表されています。上が北で、土星とは反対側の面が見えています(土星をまわるタイタンの公転周期は自転周期と同じなので、地球の月と同じように、タイタンはいつも同じ面を土星に見せています)。背景の白い線は、ほぼ真横から見た土星の環です。

120616_01

この画像は波長938ナノメートルの近赤外域でとらえた姿です。タイタンの大気は可視光から赤外域では不透明で、表面を見ることはできませんが、波長930ナノメートルあたりは、表面を見ることが可能ないくつかの「窓」の1つです。赤道域に黒く見えているのは「シャングリラ」と名付けられた領域で、ホイヘンス・プローブは、この領域のすぐ西に軟着陸しました。シャングリラの東には、ザナドゥーと名づけられた大陸があります。

『ネイチャー』誌の6月14日号には、このシャングリラに、メタンの湖が存在するらしいという論文が発表されています。

タイタンには全球に分布させると深さ5メートルになる量のメタンが存在しますが、ほとんどは大気に含まれています。これまでのレーダー観測では、液体のメタンは北極域および南極域にしか発見されていませんでした。赤道域の液体のメタンは蒸発して、風によって極域に運ばれ、そこで冷却されて凝結して表面に降り、メタンの湖をつくるというのが、これまでのタイタンの大気モデルで説明されてきたことです。

アリゾナ大学月惑星研究所のケイトリン・グリフィスらのグループは、シャングリラの北緯20度から南緯20度の間の領域について、近赤外スペクトルの画像を解析し、液体のメタンが存在するとみられる40キロメートル×60キロメートルほどの楕円形の領域を見つけました。下の画像の黄色の矢印(一番右側)がその場所です。このような場所は、それ以外にも4か所見つかっており、下の画像には、それらの場所も矢印で示されています。

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これらのメタンの湖の深さは、1センチメートルから2メートル程度です。上に述べた楕円形の領域は、カッシーニによって2004年から観測されており、少なくとも1万年にわたって永続的に存在しているとみられます。湖をつくるメタンが大気から供給されたとは考えられず、おそらく地下になんらかの供給源があるものと、グリフィスらは考えています。タイタンはこれまで考えられていた以上に、複雑な天体のようです。

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