新型コロナウイルス:今後はR0との戦い

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    日本国内でも感染が広がりつつあります。これからは基本再生産数R0(アール・ノート)との戦いが始まります。

     

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    基本再生産数R0とは、1人の感染者が何人にウイルスを感染させるかの数です。129日付の『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン』誌に掲載された中国の研究者による論文では、R02.21.43.9)とされ、WHOなどもこの数値を使っていました。しかし最近では、R0はもっと高い数値になるのではないかという論文が次々と発表されています。

     

    R0は感染者の置かれている環境や、どれだけ封じ込めや防護措置がとられているかによって変わってきます。R01.0以下にコントロールしなければ、ウイルスの流行は終息しません。新たな感染者が日本各地で発生し、感染ルートを追えないケースが増えている現状では、感染者をできるだけ早く発見し、症状が重篤にならないよう治療するとともに、他の人に感染させない措置を取ることが必要です。あまり適切な表現ではありませんが、モグラたたきゲームのように、感染者が日本全国どこにでも出現する可能性があることを前提に、感染者が発生すれば、すぐに適切な医療措置をとるという取り組みを続け、R0 1.0以下にしていかなくてはなりません。

     

    感染ルートが推定できる場合は、これまで取られてきた隔離ないし封じ込めの手段も必要です。感染症の専門家に中には、水際作戦でウイルスの侵入を食い止めることは不可能という理由(これ自体は正しい)から、政府のとってきた措置に批判的な方もいます。しかし、ここに書いたように、今回出現した新型コロナウイルスは、異常に感染性が高いという特徴をもっています。感染の可能性のある方を外部から隔離あるいはそれに近い措置をとることを今後も行わなければ、感染拡大を止めることはできないかもしれません。これまでの例でも、PCR検査で陽性が判明する前の段階で他の人を感染させている可能性があるからです。ウイルス感染直後はPCR検査をしても陽性にはなりません。

     

    インフルエンザ・ウイルスなどでは、潜伏期末期に体内でウイルスが急激に増加し、発症とともに飛沫などで他人を感染させます。しかし、新型コロナウイルスは、どうやら潜伏期と発症期の境界があまり明確ではないようです。ウイルスに感染してまもない時期から、体内ではウイルスが増殖し続け、症状がはっきり現れない段階で他人を感染させてしまうのではないかと考えられます。

     

    新型コロナウイルスがヒトの細胞に感染するメカニズムは、よくわかっていません。これまで知られているコロナウイルス(風邪のウイルスやSARSウイルス、MERSウイルス)の感染メカニズムと少し異なっているかもしれません。ウイルス自体が強力な感染能力をもっているのか、感染直後から他人を感染させてしまう特徴をもつために感染性が高いのかは不明です。

     

    日本でも医療従事者やクルーズ船で作業していた職員までが感染しています。ちょっとした不注意でも感染してしまうウイルスであるという認識が必要です。



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