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北朝鮮の核開発(1):爆縮型核爆弾
北朝鮮の「人工衛星打ち上げ」失敗の原因については、もう少したつといろいろなことがわかってくるでしょう。今後懸念されるのは、3回目の核実験です。北朝鮮は2006年7月5日にテポドン2号とみられるミサイルの発射実験(北朝鮮は人工衛星の打ち上げと主張)を行い、同年10月9日に最初の核実験を行いました。また2009年4月5日にテポドン2号の発射実験(北朝鮮は人工衛星の打ち上げと主張)を行ったときには、同年5月25日に2度目の核実験を行っています。つまり、北朝鮮はミサイルと核をセットにして考えており、今回も早い時期に核実験を行う可能性があります。

北朝鮮が開発しているのはプルトニウムを用いた爆縮型核爆弾です。このタイプの核爆弾の構造を原理的に示すと、以下のようになっています。

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全体は球形になっていて、中心部に核分裂をおこすプルトニウム239 が未臨界で保持され、その内部に核反応をスタートさせるための中性子源(中性子起爆装置)が置かれています。プルトニウム239 の外側には、ウラン238 でできたタンパー(隔離材)があります。タンパーとは核分裂連鎖反応が起こっている間、プルトニウムを1か所に閉じこめておくためのものです。質量が大きいことから、ウランが用いられます。タンパーはまた、中性子が外に逃げて連鎖反応が終わらないよう、生成した中性子を反射する中性子反射板としての役割も果たします。タンパーの外側を高性能爆薬が取り囲んでいます。爆薬は燃焼速度の速いものと遅いものを組み合わせ、爆発が起こったときに衝撃波が中心部に向けて収束する、すなわち爆発(エクスプロージョン)ではなく、爆縮(インプロージョン)をおこすように設計されています。そのため、この爆薬は爆縮レンズともよばれます。

高性能爆薬の周囲に設置された点火装置が作動すると、爆縮波が中心に向かって伝わり、プルトニウム239 を圧縮します。プルトニウム239 は体積で4分の1から8分の1ほどにまで圧縮され、臨界に達します。同時に内部の中性子源で中性子が生成され、核分裂反応がはじまります。1回の核分裂で2〜3個の中性子が生成し、次の核分裂を引き起こします。こうして100万分の1秒程度の間に核分裂連鎖反応が進み、エネルギーが一挙に解放されます。

プルトニウムにはプルトニウム238、プルトニウム239、プルトニウム240、プルトニウム241、プルトニウム242 などの同位体がありますが、核爆弾として利用できるのはプルトニウム239 だけです。プルトニウム239 は原子炉内でウラン239 が中性子を吸収すると生成されます。核爆弾に用いられる兵器級プルトニウムでは、プルトニウム239 が約93%含まれており、こうしたプルトニウムを生産するために、専用の原子炉が用いられています。北朝鮮では、ソ連から導入した黒鉛減速炉でプルトニウム239 を生産しています。一方、発電用軽水炉でつくられたプルトニウムでは、プルトニウム239 は50〜60%しか含まれず、核爆発の邪魔になるプルトニウム240 が20%以上含まれています。

爆縮機構を精緻化することで、核爆弾を小型化し、運搬手段(ミサイル)に搭載することが可能になります。

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