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木星の衛星エウロパの表面下に液体の水が存在か?
木星の衛星エウロパに液体の水が存在する証拠がみつかったという、テキサス大学のシュミットらによる論文が、11月16日の『ネイチャー』誌オンライン版で発表されています。

Europa

エウロパは木星の4大衛星の1つで、直径は1560km、木星から約67万km の軌道をまわっています。

Europa

1979年に木星を通過したにボイジャー1号と2号によって、エウロパは全球が氷でおおわれており、表面には氷の活動による複雑な地形があることが明らかになりました。1995年から2003年まで木星を周回しながら科学観測を行ったガリレオ探査機は、エウロパには地球上の海水量を上まわる膨大な量の水が存在し、表面は凍っているが、内部には塩分を含む液体の海が存在する可能性があることを示しました。水が完全に凍結せずにいられる熱源は、木星の重力による潮汐力です。

Europa

今回発表された論文で、シュミットらはガリレオ探査機のデータによって得られたエウロパのDEM(デジタル高度マップ)を用い、ドーム状の形状をもつConamara Choas と、周囲より低くなっているThera Macula という2つの場所について詳細に検討しました。さらに、氷河の下の火山や南極の棚氷の崩壊など地球上で見られる例も参考にしながら、こうした地形ができるモデルを提唱しています。

Model

このモデルによると、まず液体の海水層からの熱源が上昇してきて、氷の表面を押し上げます(a)。やがてこの熱源によって表面下の氷がレンズ状に融けます。融解によって体積が減るため、表面は陥没してクレーター状の形状となり、内部に亀裂が生じます(b)。亀裂によって生じた氷の断片が落下し、レンズ状の水の層を崩壊させます(c)。水が再凍結すると、体積が増して表面から盛り上がり、表面に複雑な構造が残ります(d)。

この「lens-collapse モデル」によれば、Thera Macula はc の状態であり、表面から3kmほどのところに、北アメリカ大陸の五大湖と同じくらいの量の液体の水が存在するとのことです。下の画像はThera Macula の高度を示したものです。赤色は周囲(黄緑色)より高い場所、青色は周囲より低い場所を示しています。Thera Macula は全体として楕円形で、内部が落ちこみ、その周辺の一部がクレーターの縁のように盛り上がっていることがわかります。

Europa

最初に示したイラストは、このThera Macula の断面の想像図です。また、水が再凍結したd の状態が、ドーム状の形状をもつConamara Choas であると、シュミットらは考えています。

このlens-collapse モデルが正しいとすると、エウロパでは現在でも内部の海と表面の氷との間でエネルギーのやりとりがあり、もしかすると、物質の循環も行われている可能性があります。エウロパの海に何らかの生命体が存在するかもしれないという説を支持する証拠の1つになるかもしれません。

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