最近のエントリー
カテゴリー
過去のエントリー
カレンダー
S M T W T F S
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    
<< October 2017 >>
ブログ内を検索


PROFILE
モバイル
OTHERS
「京」コンピューター、世界一に
すでに報道されている通り、理化学研究所が開発していた京速コンピューター「京」が、スパコンのTOP500 で世界第1位となりました。「京」コンピューターはまだ建設中で、最終計算能力10ペタフロップスに対して、現在はまだ8ペタフロップスしか実現していませんが、この段階で世界1になったわけです。

top500

事業仕分けで批判にさらされたものの、世界一を達成したことについては、関係者の努力に敬意を払いたいと思います。1番に固執する意味はあまりありませんが、とにかく日本のコンピューター技術の優秀さが世界に認められたことには意義があると思います。

自然科学の研究はこれまで「理論」と「実験・観測」の両輪で進んできました。最近では、これに加えて「シミュレーション」が第3の手法として重要性を増しています。そのためにはスーパーコンピューターが必要です。各国が次々と高性能のスパコンを登場させてくるのは、これが最先端の科学研究や技術開発に欠くことのできないインフラとなっているからです。スパコンは理論の実証や実験・観測結果の解析でも威力を発揮します。少し誇張していえば、スパコンの性能が、その国の科学や技術のレベルを示す指標の1つになっているともいえるでしょう。

コンピューターの世界では、1秒間に計算できる回数を「フロップス」(FLPS)という単位であらわします。1テラフロップスは1秒間に1兆回、1ペタフロップスは1秒間に1000兆回をあらわします。10ペタフロップスというのはさらにその10倍の1秒間に10の16乗回、すなわち1京回の計算を行う能力です。「京」コンピューターの名の由来はここにあります。

JST のサイエンスチャンネル「世界のビッグサイエンス~科学の地平線~」シリーズを制作した際に、その中の第5話「京速コンピュータ~未踏の計算領域への挑戦~」で、私は理化学研究所計算科学研究機構の平尾公彦機構長にインタビューしました。このとき平尾機構長が強調していたのは、「京」コンピューターは現在使われているテラフロップス級のマシンの延長にあるのではなく、全く新しいマシンであるということでした。世界一になったことが大事なのではなく、10ペタフロップスという人類がまだ到達したことのない計算領域でいかにすぐれた研究成果を出すかが問題です。これからは、日本の研究者が「京」コンピューターを使いこなせるかどうかが問われます。

▲PAGE TOP