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火星ローバー、スピリットのミッション完了
NASA は5月25日、火星ローバー、スピリットがミッションを完了したと発表しました。

Spirit

このブログでも何度か紹介してきた通り、トロイと名付けられた場所で走行不能となったスピリットは、2010年3月22日の交信を最後に、通信が途絶えていました。スピリットは火星の冬を迎えましたが、JPL のローバー・チームは夏に向かうにつれて太陽電池による発電が回復し、交信が可能になるかもしれないと考え、スピリットとの交信の試みを続けてきました。しかし、スピリットのいる場所は今や夏を迎えており、交信が復旧する可能性はきわめて低くなったため、ミッション完了が発表されたわけです。

「昨夜、最後のリカバリー・コマンドがスピリットに送られた。これは、とても意義深い瞬間だったと言える」。2006年からマーズ・エクスプロレーション・ローバー計画のミッション・マネージャーをつとめているジョン・カラスは、JPL のブログに ”A Heartfelt Goodbye to a Spirited Mars Rover” という一文を寄せています。”Spirited” にはローバーの名前である「スピリット」と、「元気づけてくれる、勇気を与えてくれる」という2つの意味が込められています。「これまでリカバリー・コマンドを1200回以上送ったが、返事がないということは、スピリットが永遠の眠りについたことを示している」。

2004年に火星に軟着陸したスピリットとオポチュニティーは、3 か月間のミッションを行うローバーとして設計されました。しかし、ミッション期間は延長され、今日にいたっています。オポチュニティーは現在も活動中です。スピリットは6年以上にわたって火星で活動を続け、7730.5m を移動、12万4000枚以上の画像を地球に送ってきました。

「スピリットがもたらした発見の中で最も重要なものの1つは、土壌中に濃集している二酸化ケイ素を発見したことだ。これによって、そこがかつて熱水や高温の水蒸気が吹き出す場所であり、原始的な生命が誕生するのにふさわしい場所であることが示された」と、火星ローバーの主任研究者であるコーネル大学のスティーブ・スクワイヤーズは語っています。「初期の火星には活発な火山噴火があり、そこでは水とマグマがはげしく反応していた。現在の冷たく乾燥した火星とは劇的にことなった世界だった」。

カラスは「スピリットが着陸したグセフ・クレーターは、オポチュニティーが着陸したメリディアニ平原よりも過酷な環境だった。冬はより寒く、暗かった。ダストも多く、太陽電池板に降り積もった」と書いています。スピリットはハズバンドヒルと名付けられた山地を下っているときに右前の車輪が動かなくなってしまいました。しかし、その後も前輪を引きずりながら、残りの5輪で後ろ方向に進み、約1km を移動しました。二酸化ケイ素の濃集を発見したのはその際でした。スピリットは3度の過酷な火星の冬を生き抜きましたが、4度目の越冬から目覚めることはありませんでした。

「スピリットは科学的成果に加え、多くの無形の財産ももたらした。火星はもの珍しく遠い未知の場所ではなくなった。火星はもはや近所になった。われわれは毎日火星に仕事をしに行っている。ありがとう、スピリット。小さいローバーよ、よくやった」と、カラスは彼の文を結んでいます。もちろん、彼は最後に、ローバー・チームに対して、”And to all of you, well done, too” と付け加えるのを忘れてはいませんでした。

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