東電裁判:あまりにも当然な無罪判決

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    東京地方裁判所は、福島原発事故で東京電力旧経営陣3人が強制的に起訴された裁判で、「巨大な津波の発生を予測できる可能性があったとは認められない」として、3人全員に無罪を言い渡しました。当然の判決といえます。

     

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    前にもここここで書いたように、この裁判で検察側が起訴の根拠としている「長期予測」はマグニチュード8クラスの地震しか想定しておらず、マグニチュード9.0の東北地方太平洋沖地震を予測することはできていませんでした。地震学者が予測できないものを東電が予測できたとするのは、非常に無理のある主張です。

     

    私はもう1つ、検察側の主張に問題があったと考えている点があります。それは東電設計による「津波高15.7m」という計算結果が信頼性の高いものであったかどうかです。コンピューター・シミュレーションというものは、パラメーター(媒介変数)の設定次第で、どんな結果でも導くことができます。科学的に信頼性の高いシミュレーションとは、正しいパラメーターを求め、計算モデルのチューニングを行ったものといえます。それでもなお、不確実性は残ります。

     

    東電設計のシミュレーションでどのような初期条件やパラメーターが用いられ、計算結果が科学的に妥当であったかどうかは、客観的に検証されなければなりません。計算結果が論文として作成され、査読という外部の評価を経たうえで、学術誌に掲載されれば、その計算結果は科学的妥当性をもちます。そうでないならば、それは試算の1つでしかありません。

     

    あれだけの被害が出て、責任が問われないのはおかしいという意見があります。私も当然だと思います。「地震は予知できる」といいながら巨大地震と巨大津波を予測できなかった地震学者自身が、まず自らの責任について語らなければなりません。

     


    アナク・クラタカウ火山のSAR画像

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      SAR Images of Anak Krakatau

       

      国土地理院がアナク・クラタカウ火山を合成開口レーダー(SAR)で観測した画像を発表しました。JAXAの「だいち2号」に搭載されているPALSAR-2が取得したものです。

       

      下の画像は、噴火前の1220日の画像です。赤い破線内の暗い部分が火口です。

       

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      噴火後の1224日の画像が下です。

       

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      赤い破線内の地形が変わっています。火山島の半分は噴き飛んで完全になくなり、火口は海面すれすれか海面下になっています。

       

      クラタカウ火山はインドプレートがユーラシア・プレートの下にもぐりこむ場所にあり、地下のマグマだまりに常に熱が供給されています。現在の活動の中心であるアナク・クラタカウの活動は今後も続くと考えられます。


      アナク・クラカタウ火山の噴火

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        Eruption of Anak Krakatau Volcano

         

        12月22日にインドネシアで発生した津波はスマトラ島とジャワ島の沿岸部を襲い、死者数は現時点で400人を超えています。津波はスンダ海峡にある火山島アナク・クラカタウの噴火が原因でした。噴火によって山体が崩壊して海中で大規模な地滑りが発生し、津波を発生させたとみられています。

         

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        アナク・クラカタウの火山活動は現在も続いています。高さ約300mの山体は大部分が噴き飛んでなくなり、島の形が変わっていると思われます。

         

        アナク・クラカタウは1883年に有史以来最大といわれる火山噴火を起こしたクラタカウ火山のカルデラにある中央火口です。下の画像は噴火前のクラカタウ火山です。

         

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        ここには古い時代、直径約10km、高さ約2劼竜霏腓扮濘躱の火山島がありました。この古クラカタウ火山は今から約6万年前に大噴火し、山体の大部分が吹き飛び、カルデラが形成されました。ラカタ島、セルトゥン(ヴェルラーテン)島、パンジャン(ラング)島はカルデラの縁にあたる島々です。17世紀になると、カルデラの内部にダナン島、ペルゴアタン島が出現し、ラカタ島と陸続きになりました。ここが当時クラカタウ火山とよばれていました。1883年に大噴火したのは、ダナン島とペルゴアタン島の部分です。噴火によって生じたカルデラによって、ラカタ島の北西部分もえぐられて陥没しました。

         

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        1883年の噴火では、高さ30m以上の津波が発生し、3万6000人以上の死者が出たといわれています。噴き上げられた大量の火山灰は高度80劼肪し、80万平方kmの地域に2日半にわたって暗黒の日をもたらしたといわれています。火山灰はさらに全球をおおい、日傘効果によって世界の平均気温は5年間にわたって0.5度C低下しました。

         

        1927年にカルデラの中心部に新たな火山島が誕生しました。それがアナク・クラカタウです。アナク・クラカタウは「クラカタウの子供」という意味です。アナク・クラカタウは噴火をくり返しながら成長してきました。2018年は7月から活動がはげしくなり、溶岩の流出やはげしい噴煙が観測されていました。



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