熱帯化する日本列島

0

    各地で記録的な猛暑が続いています。こうした高温現象は地球温暖化という長期的な気候変動が背景にあり、今後の日本列島では、これまで経験したことのない猛暑が日常的になると考えられます。

     

    20180719_01.jpg

     

    下は、気象庁が発表している日本の年平均気温の推移です。長期的な気温上昇傾向がみられ、特に1990年以降の気温上昇が顕著です。

     

    20180719_02.jpg

     

    下は、NASAが発表している全世界の年平均気温の推移です。同じ傾向がみられます。

     

    20180719_03.jpg

     

    このように、地球は地球温暖化によるはげしい気候変動の時代に入っているといえます。年平均気温が上昇すると、なぜ最近のような高温現象が起こるのかは、以下のグラフで理解することができます。

     

    下は、NASAが発表している1951〜1961年の北半球夏の最高気温の分布です。青い部分は最高気温が低かった日の分布、赤い部分は最高気温が高かった日の分布です。多くの日は中央の平均値をはさむグレーの部分に集中し、全体はいわゆる正規分布の形になっています。

     

    20180719_04.jpg

     

    下は、2001〜2011年の北半球夏の最高気温の分布です。地球温暖化によって分布が全体として右、すなわち高温側にシフトしていることが分かります。1951〜1961年の青い部分は少なくなり、1951〜1961年にはなかった赤い部分が増えています。

     

    20180719_05.jpg

     

    上のグラフの右端、すなわち標準偏差が3〜5の部分は、1951〜1961年には観測されなかった非常に高温の日です。現在の記録的猛暑は、まさにこの部分に該当しているのです。非常な高温現象は一時的なものでなく、年平均気温が上昇すれば必ず出現する現象であることが、お分かりになると思います。熱帯化する日本列島で、これまではなかった猛暑にいかにして対処するか、長期的な取り組みが必要です。


    「平成30年7月豪雨」は地球温暖化の影響

    0

      Severe Precipitation and Global Warming

       

      「平成307月豪雨」は近年まれにみる激烈な豪雨となり、九州、四国、中国、近畿地方に大きな被害がもたらしました。下はJAXAの衛星全球降水マップGSMaPで見た762000分から2059分の日本列島周辺の降雨の状況です。九州、四国、中国地方に集中した降雨が見られます。

       

      20180712_01.jpg

       

      下はGSMaPによる751000分から8959分までの72時間の積算降水量です。

       

      20180712_02.jpg

       

      今回の豪雨は日本列島に接近した台風7号が、停滞していた梅雨前線に湿った空気を大量に送りこんだために発生しました。日本列島では6月、7月に、北上してきた台風が梅雨前線を刺激して豪雨をもたらすことがよく起こります。しかし、今回の豪雨はこれまでとは比較にならないくらのはげしさでした。

       

      近年日本で、非常に強い降雨が増加していることは、気象庁の統計からも明らかです(もちろん、これは日本だけの傾向ではありません)。それぞれの豪雨が発生する原因は、その時の気圧配置や海面温度などによって説明が可能ですが、その背景を考えた場合、こうした豪雨が多発するのは地球温暖化の影響によるものと考えて間違いありません。大気中に存在できる水蒸気量の上限を飽和水蒸気量といいます。気温が1℃上昇すると、飽和水蒸気量は約7%増加します。気温が上昇すると、大気中に含まれる水蒸気量が増え、その結果、激烈な降雨が発生するわけです。

       

      世界の平均気温は上昇傾向を維持しています。今回のような豪雨はこれからも発生するでしょう。これまでの防災対策では間に合わない規模の災害がもたらされる可能性が高く、さらなる対策が必要になります。

       


      大寒波襲来の原因は地球温暖化

      0

        Global Warming Triggers Extreme Cold Air Outbreak

         

        北極の強い寒気が日本列島に流れ込み、日本海側では記録的な積雪になっています。北極上空の冬の寒気は非常に冷たい低気圧で、極渦とよばれます。極渦が強い場合は、寒気が北極上空に閉じ込められ、その周囲をまわる偏西風も安定しています。一方、極渦が弱くなると、偏西風が蛇行し、寒気が中緯度帯に流れ込んでくるのです。

         

        20180206_01.jpg

         

        上の画像で右は2013111416日の北極上空で、紫色の領域が寒気です。極渦が安定している時期のパターンです。左の画像は201415日の北極上空で、寒気が分裂し、北アメリカや北大西洋、ユーラシア大陸に流れ込んでいます。2014年は日本や北アメリカに非常に強い寒波が襲来しました。現在はこれと同じパターンになっています。

         

        なぜ、このように極渦が乱れる現象が起こるのでしょうか。これを説明するために提唱されているのが、北極振動とよばれるものです。これは北極圏とそれを取り巻く中緯度帯の間の気圧に負の相関が働く現象です。北極振動の指標となるAOインデックスがプラスの場合は極渦は安定し、日本や北アメリカ、ヨーロッパは暖冬になります。AOインデックスがマイナスになると、寒い冬になります。ただし、この北極振動がなぜ起こるのかは、まだはっきりとは分かっていません。

         

        ここ数年は、地球温暖化との関係が指摘されるようになってきました。特に関係していると考えられるのが、北極海の夏の海氷です。北極海における夏の海氷面積の減少は21世紀になって顕著になり、2012年には観測史上最小を記録しました。夏の間に大量の氷が融けて、海水が太陽熱を吸収すると、冬にその熱が放出され、北極上空の大気温度が上昇します。その結果、極渦が弱くなると考えられています。地球温暖化が冬の厳しい寒さをもたらしていることになります。

         



        calendar

        S M T W T F S
              1
        2345678
        9101112131415
        16171819202122
        23242526272829
        30      
        << September 2018 >>

        selected entries

        categories

        archives

        links

        profile

        書いた記事数:69 最後に更新した日:2018/09/10

        search this site.

        others

        mobile

        qrcode

        powered

        無料ブログ作成サービス JUGEM