地球温暖化:南極半島で記録的高温

0

    Climate ChangeAntarctica Record High Temperature

     

    南半球は今が真夏です。南極では異常な高温が観測されています。こうした高温は自然の変動の中で起こることもありますが、今回の高温は地球全体で進んでいる温暖化のあらわれと考えるべきでしょう。

     

    20200215_01.jpg

     

    南極半島(上の画像の左の半島)の先端にあるアルゼンチンのエスペランサ基地では2月6日に最高気温18.3℃が観測されました。これは2015324日の17.5℃を上回る記録となりました。また、南極半島先端近くのシーモア島にあるアルゼンチンの観測基地で29日に20.75℃が記録されたとする報道もあります。これが本当だとすると、南極ではじめて20℃以上が観測されたことになります。WMO(世界気象機関)は南極半島の平均気温は過去50年間で3℃上昇しており、地球上でもっとも温暖化が進んでいる場所としています。

     

    NASANOAA115日に、2019年は観測史上2番目に世界平均気温が高い年であったことを明らかにしています。下の画像は19511980年の平均気温と比べた20152019年の平均気温の変化です。南極では平均気温が低くなっている場所もありますが、南極半島付近は気温上昇が顕著です。

     

    20200215_02.jpg

     

    平均気温が上昇すると、なぜこのような高温日が出現するかは、以下の図で考えるとよくわかります。

     

    20200215_03.jpg 

    IPCC AR5

     

    横軸はその日の最高気温、縦軸はその気温が出現する日数で、中央が平均値となります。当然のことながら、非常に寒い日もあれば、非常に暑い日もあります。地球温暖化が進むということは、この分布が全体的に右側(高温側)にずれることを意味します。すると非常に寒い日が出現する頻度は低くなり、非常に暑い日が出現する頻度は高くなります。つまり、非常な高温を記録する日が出現しやすくなるわけです。

     

    NOAA2020年の1月は、観測史上最も暖かかった1月であったと発表しました。南極半島では記録的な高温の日が出現しやすくなっているのだと考えられます。


    東京五輪のマラソンと競歩:札幌市開催は妥当な判断

    0

      東京五輪のマラソンと競歩の会場を札幌市に移すという国際オリンピック委員会(IOC)の決定は、東京の8月の気象条件を考えた場合、妥当な判断と思われます。下の画像は201881日の東京の酷暑を示すJAXAの気候変動観測衛星「しきさい」の観測画像です。

       

      20191018_01.jpg

       

      201881日の東京の最高気温は35.1℃ですが、「しきさい」の観測によると、東京の地表面温度が50℃以上と非常に高温となっていることがわかります。

       

      東京五輪のマラソンは女子が8月2日、男子が89日、男子50km競歩決勝は88日に行われます。今年の8月前半の東京の気象データは下の通りです。

       

      20191018_02.jpg

      気象庁 

       

      最高気温35℃以上の日が半分以上、最低気温が25℃以下になることはなく、雨はほとんど降らず、湿度は常に70%以上です。都心部はほとんどの土地が建物におおわれ、道路は舗装されているため、エアコンや自動車からの排熱でヒートアイランド現象が加わり、地表面温度はさらに上昇します。こうした気象条件の下での競歩やマラソンは選手の生命を危険にさらすことになります。

       

      日本ではあまり報道されませんでしたが、今年の夏は史上空前の熱波がヨーロッパを襲い、死者が続出しました。ヨーロッパの熱波はアフリカ大陸からの熱い風がもたらします。この現象はエルニーニョが発生している時期に起きることが多いのですが、今年はエルニーニョが発生していないにもかかわらず、熱波が襲いました。世界気象機関(WMO)はこの猛烈かつ広範囲の熱波は人為起源の気候変動のあらわれだと指摘しています。

       

      地球温暖化の傾向にストップはかかっていません。来年の東京の夏はさらに暑くなる可能性があります。


      台風19号:巨大台風の襲来は常態化

      0

        各所に甚大な被害をもたらした台風19号の特徴は、台風自体がきわめて強力で、かつ本州の東半分をおおいつくすほど渦のサイズが大きく、広範囲に降水をもたらしたことにあります。下の画像は1012日午後8時の、日本列島上陸時の「ひまわり」の赤外画像です。

         

        20191016_01.jpg

         

        台風19号は日本列島に接近する以前から、史上まれにみる巨大台風としてアメリカでも注目されていました。下の画像はNOAANASAの気象衛星「スオミNPP」が撮影したマリアナ諸島付近での「ハギビス」(台風19号)の画像です。この時点でハギビスはすでにカテゴリー5のスーパー台風に成長していましたが、その後、さらに勢力を増して北上しました。

         

        20191016_02.jpg

         

        ここにも書いたように、台風19号のような巨大台風の出現を、自然変動のみで説明することはもはや難しく、明らかに人為的な気候変動要因が影響しています。具体的には地球温暖化による海面水温の上昇と大気中の水蒸気量の増加です。

         

        下の画像は台風19号が日本列島に上陸した直後の午後810分の「ひまわり」画像で、水蒸気の量を示しています。北西太平洋上の大量の水蒸気が台風19号に流れこみ、雨雲の下ではげしい降水をもたらしている様子をみてとることができます。

         

        20191016_03.jpg

         

        最近の激甚な台風の襲来に関しては、1980年代以降、カテゴリー4あるいは5に達する台風が増加している、過去の記録を破る大きさ、強さの台風が次々と出現している、B翩の強さがピークに達する海域が北上している、といった傾向がみられます。これらの傾向が人為的な気候変動要因によるものであることに多くの科学者が同意しています。

         

        私たちは今回のような台風の襲来が今後常態化すると考え、より一層の防災・減災に取り組まなくてはなりません。



        calendar

        S M T W T F S
           1234
        567891011
        12131415161718
        19202122232425
        262728293031 
        << July 2020 >>

         

        20200118_01.jpg
        『宇宙開発の未来年表』(イースト新書Q) amazonで購入

        selected entries

        categories

        archives

        links

        profile

        書いた記事数:155 最後に更新した日:2020/07/11

        search this site.

        others

        mobile

        qrcode

        powered

        無料ブログ作成サービス JUGEM