Hen2-104:南のかに星雲

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    Hen2-104Southern Crab Nebula

     

    ハッブル宇宙望遠鏡が撮影したケンタウルス座の惑星状星雲Hen2-104(南のかに星雲)です。

     

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    Hen2-1041960年代に発見されたときは普通の恒星と考えられていましたが、1989年のESOでの観測によって、カニの形をしたガスの広がりが観測され、惑星状星雲であることがわかりました。今回の画像は、ハッブル宇宙望遠鏡打ち上げ29周年を記念して20193月に撮影が行われたものです。

     

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    ハッブル宇宙望遠鏡の画像から、Hen2-104の微細な構造が分かります。

     

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    Hen2-104の中心は赤色巨星と白色矮星の連星系です。2つの星は非常に近接しているので、この画像では見分けることはできません。そこからガスが美しい砂時計の形に広がっています。過去数千年のガスの流れです。その外側にはかつて噴出していたジェットのなごりが見えています。中心に近いところに明るいリングが2つ見えています。これは最近のガスの噴出によってできたものです。


    世界で初めてブラックホールを撮影

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      First Image of a Black Hole

       

      EHT(イベント・ホライズン・テレスコープ)によるブラックホールの初画像が発表されました。

       

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      地球からの距離約5500万光年のおとめ座銀河団の楕円銀河M87の中心にある巨大ブラックホールです。画像の中心の暗い部分にブラックホールがあります。その周囲の明るいリングはブラックホール周辺の超高温プラズマで、温度は60億度以上です。このような超高温プラズマが存在するのはブラックホール近傍のみです。ブラックホールの質量は太陽の65億倍もあります。

       

      ブラックホールはその強力な重力によって、物質も光も脱出できない「事象の地平面」(イベント・ホライズン)をつくります。この事象の地平面の近傍には光子球とよばれる領域が形成されることがアインシュタインの一般相対性理論で予言されていました。今回発表された画像で暗く見えているのは、ブラックホールそのものではなく、この光子球の形をした「ブラックホールの影」(ブラックホール・シャドウ)です。

       

      EHTは地球規模の電波望遠鏡のネットワークを用いて精密観測を行う国際プロジェクトです。EHTM87のほかに、もう1つ、われわれの銀河系中心にある巨大ブラックホール、いて座Aスターの観測も行っており、いずれその画像も公開されることになります。

       

      EHTは今後、さらに観測精度を上げていくことが計画されています。事象の地平面により近い領域の観測が可能になり、巨大ブラックホールの形状や回転、ジェット噴出の様子などがわかってくると思われます。


      ダークエネルギーの密度は時間とともに増加

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        Dark Energy Density Increasing with Time.

         

        クェーサーの観測データから、ダークエネルギーの密度が宇宙の歴史とともに増加しているという結果が得られたとのことです。ダークエネルギーというのは宇宙を膨張させているエネルギーですが、現代の科学ではその正体が何であるか分かっていません。

         

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        クェーサーは、非常に遠方にある活動銀河の中心核と考えられています。中心核には超巨大ブラックホールがあり、周囲の物質をのみ込んでいます。このとき紫外線が発生します。その一部は中心核周囲の高温ガスの電子と衝突し、紫外線のエネルギーをX線のエネルギーにまで高めます。この現象によってクェーサーからの紫外線の強さとX線の強さには相関が生じ、この相関からクェーサーまでの距離を知ることができるのです。

         

        イタリア、フローレンス大学のRisalitiとイギリスのダラム大学のLussoは、1598個のクェーサーについて、NASAのチャンドラX線宇宙望遠鏡とESAのX線観測衛星XMM-Newtonから得られたX線のデータ、および宇宙の詳細な地図をつくるSDSS(スローン・デジタル・スカイサーベイ)から得られた紫外線データを用い、それぞれのクェーサーまでの距離を求め、そこから宇宙初期の膨張率を求めて、ダークエネルギーがどのように作用しているかを調べたのです。

         

        遠い銀河にあるIa型超新星の明るさや銀河の赤方偏移の観測によって、今から90億年前から現在までの宇宙膨張の様子が明らかにされ、現在の宇宙は加速膨張していることが分かっています。この加速膨張や宇宙マイクロ波背景放射などの観測結果をよく再現し、現在標準的な宇宙モデルとなっているのが、ΛCDMモデルです。Λ(ラムダ)はアインシュタインの考えた宇宙項(宇宙定数)で、ダークエネルギーを意味します。CDMは冷たいダークマターのことです。私たちの宇宙は曲率がゼロで、ダークエネルギーであるΛと冷たいダークマターをもつと考えるモデルです。

         

        しかし、このΛCDMモデルにも問題が残されています。それは、ダークエネルギーの正体は宇宙項という一定の値ではないのではないか、ダークエネルギーは時間とともに変化するのではないかという問題です。もしもそうだとすると、ΛCDMモデルには修正が必要です。

         

        RisalitiとLussoの研究は、ΛCDMモデルが宇宙の初期においても正しいかどうかを調べるものでした。二人はきわめて遠方のクェーサーのデータを解析することにより、今から120億年も過去にまでさかのぼり、宇宙の膨張率を調べました。その結果、ダークエネルギーの密度が時間とともに増えていることを示唆する結果を得たのです。

         

        今回の結果はきわめて興味深いものですが、さらに検証が必要です。今後、より高い精度で宇宙膨張を観測し、時間とともに膨張速度がどのように変化しているのかを調べる必要があります。



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