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NASA の新しいXプレーン
NASA’s LBFD X-plane

これはNASA が開発を進めている新しいXプレーンです。低ソニックブームの実現に必要な技術の飛行実証、すなわちLow Boom Flight Demonstration (LBFD) のための試験機です。

20170629_01

NASA は静粛超音速旅客機QueSST (Quiet Supersonic Transport) の研究を進めています。コンコルドはソニックブーム(音速を超えた時に発生する衝撃波で、地上に雷のような音がとどろく)が原因で、陸地上空を超音速で飛行することができませんでした。今後の超音速旅客機にはソニックブーム対策が不可欠です。NASA はこれまでに研究してきた低ソニックブーム技術をこのXプレーンで飛行実証したいと考えています。
中国のステルス機「殲20」
中国が開発中のステルス機「殲20」の試験飛行を撮影した動画に対する反響がネット上を飛び交っています。

J-20

殲20 は海外ではJ-20 とよばれています。Black Silk の名もあります。1月11日の試験飛行後、アメリカでは最新鋭の第5世代戦闘機F-22 ラプターを脅かす存在との報道がなされ、F-22 の生産中止に再考をうながす論調さえみられます。第5世代戦闘機とは、ステルス性に優れ、高い機動性や超音速巡航飛行能力などをもつ戦闘機をいい、現在のところ存在するのはF-22 のみです。

ロシアは第5世代戦闘機T-50 の開発にあたり、2001年にインドと中国に共同開発を持ちかけました。インドはロシアとの共同開発に合意しましたが、中国は政治的判断から、独自開発の道を選択しました。中国人民解放軍空軍は現在、第4世代に属するスホーイ社のSu-27 フランカーの輸入機およびライセンス生産版であるJ-11(殲11)、および自ら開発した(とはいっても多くの海外技術が入っています)F-16 に対抗できるといわれるJ-10(殲10)を運用しています。次世代戦闘機としてはJ-12 の開発が伝えられていました。しかし、第5世代戦闘機の開発が容易でないことは推察されます。そこへ登場したのが殲20 でした。

殲20 の動画を見てまず気がつくのは機体の形状です。カナードとデルタ翼をもつ機体はMIG-1.44 によく似ています。

J-20

1980年代はじめ、アメリカは後にF-22 を生み出すATF(先進戦術戦闘機)計画をスタートさせました。同じころ、ロシアも次世代戦闘機開発計画MFI を開始し、コントラクターに選ばれたミコヤン設計局はMIG-1.42 の開発をスタートさせました。その試験機がMIG-1.44 です。MFI は1996年ないし1997年ごろに中止されましたが、ミコヤンは2000年にMIG-1.44 の初の試験飛行を行いました。MIG-1.44 は数回の試験飛行しか行っていない試験機ですが、世界のメディアにも公開され、プラモデルも発売されていますから、殲20 とMIG-1.44 の外部形状が似ていることに、マニアの方はすぐに気がついたでしょう。

ロシアではMFI の中止後、F-22 に対抗できる次世代機の開発計画PAK FA が新たにスタートしました。ミコヤンはMIG-1.44 の改良案でこの計画に臨みましたが、スホーイがコントラクターに選定されました。PAK FA で開発されたのがT-50 です。競争に敗れたミコヤンは、MIG-1.44 を中国に売り込んだのかもしれません。あるいは、独自開発を目指すとはいえ、海外の技術を必要としていた中国の方からアプローチしたのでしょうか。いずれにしても、殲20 にはロシア航空機メーカーの影が見え隠れします。

殲20 の空気取り入れ口の位置や垂直安定板の角度などは、MIG-1.44 とはことなっており、むしろF-22に似ています。MIG-1.44 をベースとしながらも、かなりの改良が加えられているようです。

ステルス性をきわめて高いレベルまで追求したF-22 に比べ、殲20 のステルス性能はそれほど高くないように見えます。カナードを持つ機体のRCS(レーダー反射断面積)について私はくわしくは知りませんが、機体各部にステルス性を高める設計がどこまで採用されているか疑問です。2機のエンジンの排気口はむき出しです。将来、新しいエンジンが搭載された際に、排気口の設計が全面的に変更されるのでしょう。

外見からしか判断できませんが、殲20 は機動性やスピードを重視し、ステルス性を多少犠牲にしているように思えます。それは設計思想の違いであり、中国はF-22 やT-50 の完全な対抗機を目指しているのではない可能性もあります。周囲は殲20 を第5世代と位置付けていますが、むしろF/A-18E/F スーパーホーネットやユーロファイター・タイフーンなど第4.5世代の戦闘機に近いコンセプトを追求しているのではないでしょうか。将来、アジアや中近東、アフリカ、南アメリカの国々などに売っていくには、その方が賢い選択かもしれません。

殲20 の全長は約23メートルと推定されています。これはF-22 やT-50 よりも長く、F-22よりも多くの燃料とミサイルや精密爆弾を搭載できます。ここにもアメリカやロシアと異なる設計思想が感じられます。

現時点では、情報が少なく、あまり詳しい議論をしても仕方ありません。殲20 がすぐに脅威になることはありませんが、以下の点は注意しておくべきでしょう。

1つは、航空機に限らず中国の軍事技術はアメリカに大きく後れをとっているものの、近年、急速にキャッチアップしているということです。もう1つは、中国指導部と軍の関係です。殲20 の初飛行はアメリカのロバート・ゲーツ国防長官が北京を訪問し、胡錦濤国家主席と会談した日に行われましたが、胡主席はこの試験飛行を事前に知らされていませんでした。ポスト胡錦濤時代に向けて動きはじめる中国の権力構造と軍の関係が微妙に作用しているかもしれません。
ロシアの第5世代戦闘機T-50
ロシアの第5世代戦闘機の試験飛行の映像がYouTube にアップされています。「第5世代戦闘機」とは、ステルス性に優れ、高い機動性や超音速巡航飛行能力などをもつ戦闘機をいい、現在のところ存在するのはアメリカ空軍の最新鋭戦闘機F-22 ラプター(ロッキード・マーチン社製)のみです。

ロシアでも第5世代戦闘機の開発計画PAK FA が進められ、2002年にスホーイ社がF-22をしのぐ性能を目指す戦闘機を開発することが決定されました。この戦闘機は現在のところ、T-50とよばれています。ロシアの経済事情などにより、開発は遅れ、ようやくその試験機がベールを脱いだことになります。

試験飛行は1月29日に極東のコムソモルスク・ナ・アムーレで行われました。映像を見ると、機体の形状(特に主翼や空気取り入れ口など)はF-22によく似ています。水平安定板の形状はF-22の試作機YF-22に似ています。また、機首部分はF-22より長いようで、複座バージョンも製造されることと関係しているかもしれません。しかし、この映像だけでは、T-50の飛行性能や、ステルス性を高めるために、機体の細部や塗装にどのような工夫がこらされているかはわかりません。

t_50

T-50の実戦配備が始まるのは2015〜2017年とみられています。開発にはインドが参加しており、搭載コンピューターやソフトウエア、コックピットのディスプレイなど電子まわりの開発を担当しています。インドはT-50を200機配備すると伝えられています。そうなると、中国、パキスタンなど近隣諸国との軍事力バランスに大きな影響を与えることになるかもしれません。
X-48Cの風洞試験
NASAラングレー・リサーチ・センターにある1930年建造の巨大風洞での最後の試験が、X-48Cを用いて行われたというニュースが、NASAのウェブサイトに載っていました。この風洞では、これまで多くの航空機の実物大試験が行われてきました。ラングレーはアメリカの有人宇宙船発祥の地でもあり、マーキュリー宇宙船の風洞試験もここで行われたのです。長い歴史をもつ風洞ですが、老朽化のため、引退が決まっていました。

X-48はNASAとボーイング社が開発を進めているハイブリッド・ウイング・ボディ、あるいはブレンデッド・ウイング・ボディの実験機です。ブレンデッド・ウイング・ボディというと、これまではB-1やF-16のような翼と胴体のつなぎ目の部分が一体化された航空機をさすことが一般的でしたが、NASAのいうブレンデッド・ウイング・ボディは全翼機といえるものです。

X-48C

スパン6.4mのX-48Bは2007年に無人での試験飛行に成功しています。X-48Cも同じサイズですが、搭載エンジンを3基から2基にした点と、エンジン音を遮蔽するための垂直フィンを3枚取り付けた点が、X-48Bとちがっています。

今年の4月にNASAの航空担当局長ジェイウォン・シン氏が来日し、JAXAの調布航空宇宙センターで講演したときも、次世代固定翼機としてX-48の話をしていました。複合材を用いて機体の重量を軽くして燃費の向上をはかり、エンジンの取り付け位置を工夫するなどして騒音の軽減を図っています。

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