ニュー・ホライズンズが撮影したカイパーベルト天体

0

    New Horizons Observed Kuiper Belt objects (KBOs)

     

    ニュー・ホライズンズ探査機の望遠カメラLORRIが撮影したカイパーベルト天体「2012 HZ84」と「2012 HE85」の画像です。

     

    20180211_01.jpg

     

    この画像は2017125日に撮影され、この時ニュー・ホライズンズは地球から612000km離れていました。地球から最も離れた場所で撮影された画像です。これまで、地球から最も離れた場所から撮影された画像は、1990214日にボイジャー1号が太陽の方向を振り返って撮影した太陽系の「ファミリー・ポートレート」でした。このときボイジャー1号は地球から606000km離れていました。ニュー・ホライズンズは27年ぶりのこの記録をぬりかえたわけです。

     

    20157月に冥王星に最接近したニュー・ホライズンズは、その後ミッションが延長され、201911日にカイパーベルト天体「2014 MU69」に接近する予定です。

     

    20180211_02.jpg

     

    ハッブル宇宙望遠鏡による観測では、この天体の表面は赤みを帯びた色をしているようです。

     

    海王星の軌道の外側には多数の小天体が存在し、エッジワース・カイパーベルト天体(EKBO)、カイパーベルト天体(KBO)、あるいは太陽系外縁天体(TNO)とよばれています。ジェラルド・カイパーとケネス・エッジワースは、海王星の外側に彗星の巣となる小天体が密集したベルトが存在することを提唱した天文学者です。1992年に「1992 QB1」が発見されて以来、次々とカイパーベルト天体が発見されており、その数は現在では1000個を超えています。

     


    マーズ2020:NASAの次期火星ローバー・ミッション

    1

    Mars 2020:NASA’s Next Mars Rover Mission

    NASA は2020年夏に火星ローバー「マーズ2020」を打ち上げます。

    20171130_01

    マーズ2020は2021年2月に火星に到着します。このミッションの大きな目的は、生命の痕跡を調査することにあります。また火星の気候や地質の調査、将来の有人火星探査にそなえた実験も行います。

    マーズ2020のアームの先端には火星の土壌や岩石を採取する装置があり、30〜40か所でサンプル採取を実施します。このサンプルは将来のサンプルリターン・ミッションで地球に持ち帰るため、火星上に保管されます。


    20171130_02

    マーズ2020のサイズは全長3m、幅2.7m、高さ2.2m。重量は約1t あるため、火星着陸にはキュリオシティと同じくスカイクレーンが使われます。

     

    20171130_03

    着陸目標地点により正確に着陸するため、火星表面への降下の際には、火星表面の地形を認識し、自分のもっている火星地形図と参照して位置を把握するシステムが採用されます。

     

    20171130_04

    着陸場所は3か所に絞られています。
    コロンビアヒル:ここにはスピリットが発見した温泉があります。
    ジェゼロ・クレーター:このクレーターには35億年以上前に大量の水が流れこみ、湖になりました。その後、水は失われましたが、もう1度、水におおわれたと考えられています。
    シルチス北東部:過去の火山活動によって表面の氷が融け、地中の氷が熱水になって噴きだした時代があったと考えられています。熱水と岩石の相互作用があった場所で、生命が発生した可能性があります。

    マーズ2020には以下のような科学観測機器が搭載されます。
    マストカムZ:高解像度の静止画と動画を撮影できるメインカメラで、パノラマ、ズーム、ステレオ撮影も可能です。
    SUPERCAM:レーザーで土壌や岩石に含まれる化学物質の組成を調べ、有機物を探します。PIXL:岩石に残されている微細な生命の痕跡をX線で観測します。
    SHERLOC:有機物や生命の存在に関係する化学物質をレーザーで探します。
    RIMFAX:地下10mまでを調べることのできる地中レーダーで、地下の水や氷の存在を調べます。
    MOXIE:二酸化炭素から酸素を製造する実験を行います。酸素は将来の有人ミッションの際に、呼吸および推進剤用に必要になります。


    1I/2017 U1:人類がはじめて遭遇した太陽系外小惑星

    1

    1I/2017 U1:First Interstellar Asteroid

    太陽系外からやってきた小惑星オウムアムア(1I/2017 U1)は、長さ約400m の非常に細長い形をしていました。ESO(ヨーロッパ南天天文台)が発表した想像イラストは、まるで異世界からやってきた巨大な葉巻型宇宙船のようです。

    20171124_01.jpg

    人類が遭遇したはじめての太陽系外小惑星オウムアムアは、10月19日にハワイ大学のPan-STARRS1望遠鏡で発見されました。Pan-STARRS1 は地球近傍小天体を監視するために設置された望遠鏡です。ハワイ大学のチームは数日間軌道を追跡し、その軌道からこの天体が太陽系外起源でありことを確認し、10月25日に発見を発表しました。オウムアムアはハワイの言葉で「遠くからやってきた初めての使者」を意味しています。

    オウムアムアは最初、彗星と考えられていました。これには理由があります。太陽系外縁部には、氷とちりを成分とする無数の小天体が存在していると考えられ、「オールトの雲」とよばれています。オールトの雲にある天体が重力で乱され、太陽に接近する軌道をとるようになったものが彗星です。一方、小惑星のような岩石型小天体は、太陽系の内側の領域で形成されます。したがって、太陽系外からやってくる小天体があるとすれば、それは彗星であろうと、科学者は考えていたのです。しかしながら、オウムアムアは太陽に接近してもコマが広がったり、尾が伸びたりしなかったことから、岩石型の天体と考えられました。

    下の画像は、南米チリにあるESO の大型望遠鏡VLTの観測結果に、ジェミニ南望遠鏡などその他の望遠鏡の観測結果を重ね合わせたもので、丸印内がオウムアムアです。かすかな光の点ではありますが、ダストなどが取り巻いている形跡はありません。


    20171124_02.jpg

    オウムアムアは7.3時間で1回回転しており、成分は岩石で、金属も含まれているかもしれません。水や氷は存在しません。表面は暗く、赤みを帯びています。これは長い間、宇宙放射線にさらされたためとみられています。

    オウムアムアは何百万年あるいは何千万年もの間、宇宙を旅してきました。はるか昔、はるか彼方の惑星系で、この天体はいかにして形成されたのでしょうか。私たちの太陽系には、これほど細長い形をした小惑星は存在しません。いったい、どのような衝突過程によって、このような形の小惑星が形成されるのでしょう。さらに、この小惑星が母星の重力を振り切って宇宙空間に放り出された時、いったいどのような異変が起こったのでしょうか。

    オウムアムアはこと座のベガの方向からやってきました。太陽系の惑星が公転する黄道面に対して、北の方向からかなりの角度で太陽に接近してきたことになります。その速度は秒速26.3km でした。9月9日に太陽に最接近した際には秒速87.4km に達したことがわかりました。このとき、オウムアムアは水星の軌道の内側に入っていましたから、広大な宇宙空間の中で驚くべき超接近遭遇といえます。オウムアムアは太陽の重力で軌道を曲げられ、10月14日に地球の軌道の下を通過、11月1日には火星の軌道の上を通過しました。

     

    20171124_03.jpg

    オウムアムアは2018年5月に木星の軌道の上を通過し、2019年1月に土星の軌道の上を通過します。そして2022年には海王星の軌道の上を通過し、ペガスス座の方向に去っていきます。

    太陽系外起源の天体は平均して1年に1個はやってきていると、科学者は考えています。地球に接近する小天体の監視体制が整っていなかったため、これまでは観測されませんでしたが、今後は次々と発見される可能性があります。


    1

    calendar

    S M T W T F S
    1234567
    891011121314
    15161718192021
    22232425262728
    2930     
    << April 2018 >>

    selected entries

    categories

    archives

    links

    profile

    書いた記事数:44 最後に更新した日:2018/04/16

    search this site.

    others

    mobile

    qrcode

    powered

    無料ブログ作成サービス JUGEM