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STAP 細胞問題:小保方さんと瀬戸内寂聴さんの対談
『婦人公論』誌に掲載された小保方さんと瀬戸内寂聴さんの対談に関し、いくつかのテレビ番組やラジオ番組からコメントを求められました。

STAP 細胞問題について、私が語るべきことはもはやほとんどないのですが、対談を読んだ私の率直な感想は、「小保方さんはSTAP 細胞の呪縛から逃れられなくなっている」ということでした。STAP 細胞が存在しないことはすでに科学的に検証されています。また、小保方さんがSTAP 細胞としていたものの正体がES 細胞であったことも明らかになっています。科学の世界ではすべてが明白になっているにもかかわらず、小保方さんはSTAP 細胞が存在しないという現実に直面することができず、雑誌に掲載された写真から推察するに、精神的なトラブルにおちいっているようにも見受けられます。

私は昨夜、STAP 細胞問題を最初からウォッチしてきたカリフォルニア大学デービス校のポール・ノフラーさんとこの件でメールのやりとりをしました。ノフラーさんの結論は、小保方さんはSTAP 細胞以外の人生の目標を見つけるべきだということでした。私もこの考えに全面的に賛成です。

おそらく小保方さんの周囲には、適切なアドバイスをする人がいないのでしょう。そのような環境下で1月に講談社から出版された書籍『あの日』や、今回の『婦人公論』誌の対談は、小保方さんをSTAP 細胞という深みにますます引きずり込んでいくものでしかありません。書籍や雑誌は売れるかもしれませんが、日本を代表する出版社がこうした出版を行うことを、私は残念に思います。

小保方さんが元気になり、科学コミュニティーの人たちとSTAP 細胞について率直に語れる日が来るのを期待したいと思います。
国際宇宙ステーションから撮影した夜の地球と天の川
Milky Way and airglow from ISS

国際宇宙ステーション(ISS)から撮影された地球と天の川の写真です。

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画面の下半分は地球の夜の部分で、ISS は太平洋の島国キリバスの上空にいます。写真の右方向が北です。海は一面雲におおわれていますが、写真の右側には、雲の中で発生した雷によって青白く光っている場所があります。その光は、上部に見えるISS の太陽電池パネルに反射しています。

地球の縁には大気光が見えています。大気光とは大気中の分子や原子が太陽光で励起され、それらが反応して光を発する現象です。大気の縁に近いところではオレンジ色と緑色の大気光が見え、その上層に赤い色の大気光が鮮やかに見えています。

その先には天の川(銀河系)が雄大な姿を見せています。銀河系の中心はISS の太陽電池パネルの向こう側にあります。銀河系中心に近いために、このあたりには多くの星が集まっており、それらの星々の輝きは大気光を通しても見えています。また、星間ガスとちりの雲がシルエットになってつくりだす黒い筋も見事に見えています。
冥王星の全球マップ
Global map of Pluto

ニュー・ホライズンズ探査機が送ってきた画像を合成して作成した冥王星の全球マップが発表されています。

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解像度は、ニュー・ホライズンズが接近して観測した半球(マップの中央)が235 メートル、その裏側にあたるカロンに向いた半球(マップの両側)が30キロメートルとのことです。

マップ全体を見ていえるのは、冥王星の北半球が白っぽい氷の地形でおおわれているのに対して、南半球には黒っぽい物質でおおわれた地形が広がっていること、そして、中央に広がるハート形のトンボー地域が、なにかしら特別な要因にとってつくられたものであるということでしょう。冥王星はカロンにいつも同じ面を向けています。また、カロンも同じ面を冥王星に向けています。トンボー地域はカロンの正反対に位置しており、いわば冥王星-カロン系にとって宇宙空間を向いた外側の面にあります。トンボー地域の成因とその位置には、何か関係があるかもしれません。
ボストーチヌイ宇宙基地からのソユーズロケット打ち上げに成功
Soyuz rocket successfully launched from Vostochny Cosmodrome

ロシアの新しい宇宙基地ボストーチヌイから、本日午前11時01分(日本時間)に、最初のソユーズロケットが打ち上げられました。

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打ち上げの様子を現地で見守ったプーチン大統領は「これからしなくてはならないことはたくさんあるが、これはロシアの宇宙開発にとって非常に重要な、素晴らしい一歩だ」と語りました。ロシアの宇宙開発は、これで新しいステージに入ったことになります。
ポストISS:宇宙での「日本外し」が現実になる日(3)
国際宇宙ステーション(ISS)計画はアメリカ、ロシア、日本、ヨーロッパという4極によって運用されてきました。アメリカと中国の宇宙での協力関係が、これまで述べてきたような中国の思惑通りに進めば、ポストISS 時代の有人宇宙活動は、アメリカと中国の2極によって運用されることになるでしょう。中国が提唱している地上における「新型大国関係」と同じ構図が、宇宙で実現するわけです。

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中国は実験モジュール「天宮2号」を今年打ち上げの予定です。また、2018年にはコアモジュール「天和」を打ち上げ、これらを結合させた独自の宇宙ステーションを2020年頃に完成させる予定です。人員輸送には「神舟」宇宙船を、物資補給には「天舟」輸送船を用います。

この宇宙ステーションは中国にとって科学研究以上の価値をもちます。おそらく、中国と関係の深い国々の宇宙飛行士がここを訪れることになるでしょう。その最初はナイジェリアの宇宙飛行士になるかもしれません。同国は以前から有人宇宙飛行に意欲的で、2030年に宇宙飛行士を打ち上げる計画をもっています。最近、同国の多数の技術者が中国で研修を行うことに両国が同意したとも伝えられています。ナイジェリアはアフリカ最大の産油国で、中国は近年、同国との関係を深めています。

これは、かつてソ連が共産圏の結束を固めるためにインターコスモス計画で用いた手法です。当時、共産圏諸国の宇宙飛行士が次々とサリュートやミール宇宙ステーションを訪れたものでした。中国も地上世界での権益確保や影響力の拡大に、宇宙ステーションをフルに利用するでしょう。

ISS は現在のところ、2024年までの運用が決まっています。ISS 計画は国際宇宙基地協力協定にもとづく国同士のプロジェクトですが、2024年以降は民間がかなり関与した形で運用されていくでしょう。その一方で、ISS 以遠、すなわち月や火星への有人飛行への国際枠組みができていきます。地球周回軌道においては独自の宇宙ステーションを運用して、アメリカに対抗するスーパーパワーの位置を維持し、地球周回軌道以遠への有人飛行には、アメリカにとって非常に重要なパートナーとして関わっていくのが、中国の戦略といえます。

ロシアとヨーロッパは宇宙分野ですでに中国とも関係が深く、ポストISS の時代にも重要な位置を占め続けますが、日本にはほとんど出番がなくなるでしょう。

日本はISS 計画の重要なパートナーであり、ISS 利用に関してアメリカと強い関係にあります。2015年9月11日に、宇宙に関する包括的日米対話第3回会合が開催され、宇宙における強固な協力関係が改めて確認されました。また12月22日に両国は、新たな日米協力の枠組である「日米オープン・プラットフォーム・パートナーシップ・プログラム(JP-US OP3)」に合意しました。これにより、日本が2024年までのISS 運用延長に参加することが決定されました。JP-US OP3 の文書でもふれられている通り、ISS 計画おける日米間のパートナーシップは、政治的・戦略的・外交的重要性を踏まえた日米協力の象徴的存在となっています。

JP-US OP3 の文書ではISS 計画について、「地球上の全ての人々の福祉を促進し、各々の宇宙政策の目標を追求するために利用されるべきである」とした上で、「アジア太平洋地域における宇宙途上国を含むISS 非参加者との国際的な協力を増大させることは、重要な共通の関心事項である」と述べています。日本は1993年以来、アジア太平洋地域における宇宙利用の促進を目的としてAPRSAF(アジア・太平洋地域宇宙機関会議)の活動を進めてきました。現在、40以上の国や地域、機関が参加し、地球観測、防災などの他、ISS の利用などに関しても取り組みを行ってきました。一方、中国は2008年にAPSCO(アジア太平洋宇宙協力機構)をスタートさせています。

ポストISS の時代においても、日本はアメリカの重要な同盟国であり続けるでしょうが、ISS 計画と同様の役割を国際宇宙探査計画において果たすことができなければ、宇宙における新型大国関係が事実上できあがっていくことになります。宇宙における「日本外し」を自ら招くことになるのです。宇宙空間とサイバー空間は、地上の安全保障体制と不可分の関係にあり、宇宙におけるプレゼンスの低下は、日本の安全保障や外交力にマイナスの大きな影響を与えることになるでしょう。

ポストISS の時代への準備は、各国ですでにはじまっています。次のアメリカ合衆国大統領が誰になるかによって、宇宙における米中の関係は変わっていく可能性があります。次の政権が明確な宇宙政策を打ち出すには、少し時間がかかるかもしれません。その間にも、中国の宇宙への進出は休むことなく続いていきます。

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