長征5号:打ち上げ再開に成功

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    Long March 5 LaunchedSuccessful Return-to-Flight

     

    12272045分(北京時間、日本時間2145分)、中国の重量級ロケット「長征5号」が海南島の文昌衛星発射センターから打ち上げられ、技術試験衛星「実践20号」の静止軌道投入に成功しました。

     

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    実践20号はDFH-5衛星バスを使用した重量約8トンの大型通信衛星で、Q/Vバンドでの通信やレーザー通信の試験を行うとのことです。

     

    長征5号は201611月に初打ち上げに成功しましたが、20177月の2回目の打ち上げで、第1段エンジンに不具合が起こり、「実践18号」の打ち上げに失敗しました。今回の打ち上げ成功でリターン・トゥ・フライトを果たしたことになります。

     

    今回の打ち上げ成功により、2020年には長征5号による火星探査機「真容」や、月物質のサンプル・リターンを目指す「嫦娥5号」の打ち上げが行われることになります。また、長征5Bによる中国の宇宙ステーションのコア・モジュール「天和」の打ち上げも行われる可能性があり、中国の宇宙活動に拍車がかかるとみられます。


    スターライナー:ホワイトサンズに帰還

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      Starliner Lands at White Sands

       

      ボーイング社の新型宇宙船スターラーナーは、ニューメキシコ州ホワイトサンズに帰還しました。

       

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      スターライナーは1222日午前723分(日本時間2123分)に軌道離脱のエンジン噴射を行いました。約3分後にサービル・モジュールを分離。

       

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      降下を続けたクルー・モジュールは約20分後に大気圏に再突入するエントリー・インターフェイスに到達しました。748分には地上チームはスターライナーの追跡を開始。地上はまだ夜明け前でしたが、すぐに赤外線映像での捕捉が開始されました。

       

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      赤外線の映像はドラッグ・シュートの開傘、さらにメイン・パラシュートの展開をとらえました。

       

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      その後、ヒートシールドを分離。

       

      758分(日本時間2158分)、スターライナーはホワイトサンズ宇宙港に着陸しました。かつて、スペースシャトルも着陸したことのある場所です。

       

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      地上チームのうち、まずゴールド・チームが有害ガスであるヒドラジン除去のためカプセルに近づく様子は、スペースシャトルの着陸をほうふつとさせるものでした。やがてシルバー・チームに続いてクルー回収のためのブルー・チームも到着しました。

       

      カプセル内の点検作業には、NASAのマイク・フィンク宇宙飛行士、ニコール・マン宇宙飛行士、ボーイング社のクリス・ファーガソンらも参加しました。

       

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      下の写真には、今回の飛行で宇宙飛行士に代わって搭乗したダミー宇宙飛行士、ロージーの顔が見えています。

       

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      素晴らしい着陸でした。久しぶりに、有人仕様の宇宙船がアメリカの大地に着陸したのです。


      スターライナー:ホワイトサンズに着陸へ

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        Starliner Capsule Expected to Land at White Sands Space Harbor

         

        スターライナーを打ち上げた有人宇宙船打ち上げ仕様のアトラス5は、第1段にケロシンを燃料とするRD-180エンジン2基が使われ、これに固体ロケット・ブースターが2本装着されています。上段はRL-10A-4-2エンジン2基を用いた新型のデュアル・エンジン・セントールでした。

         

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        RD-180エンジン点火4秒後に固体ロケット・ブースターが点火され、アトラス5は離昇します。その後、以下のようにシークエンスが進んでいきます。

        06秒:ピッチとヨーのマヌーバー開始

        41秒:最大動圧

        0105秒:音速に到達

        0222秒:固体ロケット・ブースター切り離し

        0429秒:アトラス・エンジン燃焼終了(BECO

        0435秒:アトラス・ロケット切り離し

        0445秒:セントール上段エンジン・スタート(MES-1

        1154秒:セントール上段燃焼終了(MECO

        1454秒:セントール上段切り離し

         

        今回、ここまでは計画通りに行われました。これによってスターラーナーはサブオービタル軌道に投入されました。この後、スターライナーのエンジンンで、国際宇宙ステーション(ISS)への軌道に入る操作が行われます。サブオービタル軌道は放物線軌道なので、宇宙船側で何もしなければ、やがて地上に降下していきます。宇宙船をまずサブオービタル軌道に入れるのは、宇宙船に何か不具合が発生した場合に、何もしなくても地球に帰還できるからです。スペースシャトルでも同じシークエンスがとられていました。

         

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        スターライナーは打ち上げから31分後に、自らの軌道操作エンジンと姿勢制御エンジンの噴射でISSへの軌道に入る予定でした。軌道変更のエンジン噴射は行われたものの、何らかの原因で、計画されたISSへの軌道に入ることができなかったのです。

         

        1222日のスターライナーのホワイトサンズ着陸機会は2回とのことです。午前8時(日本時間22時)、午後350分(日本時間23日午前1050分)です。

         

        大気圏再突入時の温度は1650℃にもなります。ヒートシールドがこの高熱からスターライナーを防護します。高度約9kmで2個のドラグ・パラシュートが展開し、さらに3個のメイン・パラシュートが開きます。その後、ヒートシールドを分離し、高度900mでエアバッグが膨らみ、着地の衝撃を吸収します。

         

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        今回の帰還場所はニューメキシコ州ホワイトサンズ宇宙港ですが、スターライナーは全部で5か所の着陸サイトを設定しています。ホワイトサンズ・ミサイル実験場内にもう1か所、ユタ州にあるダグウェイ実験場、アリゾナ州のウィルコックス・プラヤ乾湖、そしてカリフォルニア州のエドワーズ空軍基地です。


        スターライナー:48時間以内にホワイトサンズに帰還

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          Starliner to Return to White Sands in 48 hours

           

          ボーイング社の新型宇宙船スターライナーは、1220日午前636分(日本時間2036分)、ケープ・カナヴェラルの41射点から打ち上げられました。

           

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          ULAのデルタ5による打ち上げは完ぺきに行われました。しかしながら、セントール上段切り離し後のスターライナー自身の軌道操作エンジンおよび姿勢制御エンジンの噴射が計画通りに行われず、スターライナーは国際宇宙ステーションにドッキングするための軌道に入ることができませんでした。

           

          このため、NASAとボーイング社は国際宇宙ステーションへのドッキングを行わず、スターライナーを48時間以内にホワイトサンズに帰還させることにしました。宇宙船を無事に帰還させることも今回の軌道飛行試験(OFT)の重要な目的です。

           

          私は打ち上げからNASAの記者会見までをNASA TVで見ていました。ISSへのドッキングは行われないことになりましたが、ULAの打ち上げ管制室やNASAヒューストンのミッション・コントロール・センター、そしてボーイング社のミッション・コントロールの様子をみていると、スペースシャトル退役以後、久しく見ることのできなかったNASAの有人宇宙船打ち上げシーンがやっと戻ってきたという思いがわき上がってきました。

           

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          アメリカの宇宙船がアメリカの射場から打ち上げられる時代が、もうすぐ始まろうとしているわけです。

           

          NASAの記者会見にはブライデンスタイン長官のほか、スターライナーに搭乗予定のマイク・フィンク宇宙飛行士やニコール・マン宇宙飛行士も参加しました。

           

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          記者の質問に、言葉を選んで答えなければならない会見となりました。NASAにとって、ここは踏ん張りどころです。


          ボーイングの新型宇宙船:無人試験飛行の打ち上げは12月20日

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            Boeing’s Orbital Flight Test (OFT) launches on Dec. 20, 2019

             

            ボーイング社の新型宇宙船、スターライナーの軌道飛行試験(OFT)がいよいよ行われることになりました。

             

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            無人のスターライナーの打ち上げは、1220日午前636分(日本時間202036分)です。ケープ・カナヴェラルの41射点から、ULAのアトラス5によって打ち上げられます。

             

            アトラス・ロケットのセントール上段切り離し後、スラーライナーは自らのエンジンを噴射して国際宇宙ステーション(ISS)への軌道に入ります。

             

            ISSのハーモニー・モジュールにドッキングするのは1221日午前808分(日本時間212208分)の予定です。ドッキング完了後、クルーはスターライナーのハッチを開け、貨物の運び出しや内部の点検を行います。

             

            スターライナーは約1週間ISSに滞在し、1228日午前216分(日本時間281616分)にISS〜分離されます。同日午前502分(日本時間1902分)頃、軌道離脱のエンジン噴射を行い、サービス・モジュールを分離し、大気圏に再突入します。

             

            スターラーナーのクルー・モジュールは3基のパラシュートで降下し、午前548分(日本時間1948分)頃に、ニュー・メキシコ州ホワイトサンズ宇宙港に着地します。

             

            20日の打ち上げが延期になった場合、21日と23日にもローンチウインドウがあります。また、25日と28日も打ち上げ可能とのことです。

             

            軌道飛行試験は、有人試験飛行に向けたきわめて重要なステップです。軌道飛行試験が成功すれば、次はNASAのマイク・フィンク宇宙飛行士、ニコール・マン宇宙飛行士、ボーイング社のテスト・パイロットであるクリス・ファーガソンにより、スターライナーの初の有人飛行が行われることになります。

             


            新しい航空輸送システムを目指すNASA

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              NASA’s Aeronautics Research

               

              NASAは将来の航空輸送システムの実現に向けて、数々の研究を行っています。

               

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              最近、大きな話題になっているがUAM(アーバン・エア・モビリティ)です。無人あるいは有人の大型のドローン、いわゆる「空飛ぶクルマ」による都市内交通です。各社が実用化研究に乗り出しており、エアバスやポルシェのような大メーカーも参入しています。UAMは大都市圏だけでなく、大都市の周辺あるいは郊外の小都市でも有効です。ただし、実用化には機体や運航の安全性の確保、さらにはUAM同士あるいは他の航空機、ヘリなどとの干渉を防ぐ運行管理ステムが必要です。

               

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              旅客機の分野では、電動航空機の研究開発が進んでいます。電動航空機には、バッテリーのみでプロペラを駆動するピュア・エレクトリック方式と、機上に設置したガスタービン・エンジンで発電して電動モーターを駆動するハイブリッド方式があります。ピュア・エレクトリック方式は小型機に適しており、NASAは小型電動航空機の試験機X-57 マックスウェルを製作しています。ハイブリッド方式の電動航空機に関しては、NASAはボーイング社と提携して研究用の機体を開発しています。

               

              航空旅客輸送には高速化の要望もあり、超音速旅客機の研究開発も、最近脚光をあびてきました。超音速旅客機コンコルドは、超音速飛行時に発生する衝撃波(ソニックブーム)が問題となり、陸地上では超音速で飛ぶことができませんでした。現在は、ソニックブームを抑制した静粛超音速旅客機の研究が進んでいます。NASAはロッキード・マーチン社と静粛超音速旅客機の試験機X-59 QueSSTを製作する契約を結んでいます。

               

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              VTOL(垂直離着陸)機や高速ヘリも期待されています。ヘリコプターを高速化するには、高速を実現するローター・ブレードの開発、プロペラを併用した機体設計などが考えられています。VTOL機や高速ヘリが実現すれば、都市圏の移動時間が短縮されるほか、災害時等の救援活動が効率化されるなどのメリットが得られます。



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