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アストロバイオロジー:地球外生物はどこにいるか?
Astrobiology:Where we can find extraterrestrial life

6月27日(月)と28日(火)に日本学術会議で公開シンポジウム「フロンティアを目指す、サイエンスとアート」が開催され、数々の興味深いテーマが議論されます。

私もその1つ「地球外生物(1)人知は神の摂理(生命)を超えられるか。」に参加させていただくことになりました。京都大学大学院の木村大治先生とJAMSTEC の高井研先生とのセッションです。当日、どんな話になるのか、まったく予想はつきません。

地球外生物あるいは地球外生命について考えるアストロバイオロジーという学問に対して、最近関心が高っています。惑星探査や系外惑星の探索によって、地球外生命が存在する可能性がある場所について、いろいろなことがわかってきました。1960年代から行われているSETI(電波を用いた地球外文明の探査)も、テクノロジーの進歩によって新たな段階に入っています。しかしながら、地球以外の天体に存在する生命は、まだその痕跡すら見つかっておらず、地球外生命に関する情報を私たちはまったく手にしていないというのが現実です。

私たちは宇宙に一人ぼっちなのでしょうか。生物学者の中には、地球上の生命は非常にユニークなものであり、他の天体に同じような生命が出現する確率はきわめて低いと考える人もいます。木村資生先生はそのような考えをお持ちでした。確かに生命の巧妙なメカニズムを知れば知るほど、この考えはもっともだと思えてきます。しかし多くの科学者は、その形態はどうであれ、宇宙にはたくさんの生命が存在すると考えています。

系外惑星探査衛星「ケプラー」は、ハビタブルゾーンに存在する地球型惑星を次々と発見しています。これらの惑星では、今後、地球に似た生命の探索が行われていくでしょう。最近のNASA の発表によると、恒星に非常に近い軌道をまわる巨大ガス惑星ホット・ジュピターの中には、大気中に水蒸気を含み、雲が存在するものもあるとのことです。こうした惑星には、私たちが想像もしないような生命が存在するかもしれません。

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太陽系内での生命探査では、現在、火星で活動中のキュリオシティーの成果が待たれます。キュリオシティーは火星に大量の水が存在した時代に誕生した可能性のある原始的な生命の痕跡を探しています。

木星の衛星エウロパの内部には海があり、なんらかの生命が存在する可能性があると考える科学者もいます。木星のガニメデやカリスト、土星のエンケラドスも、内部に海があるとみられます。氷におおわれたこれらの衛星の表面下に液体の海が存在できるのは、木星や土星の重力による潮汐力が働いているためですが、海の下に熱源が存在すれば、地球の熱水鉱床と同じような場所ができているかもしれません。地球の生命は熱水鉱床で誕生したという説があります。

先日、東京薬科大学の山岸明彦先生と太陽系内の生命についてお話しする機会がありました。山岸先生は現在、宇宙での生命の起源を探る「たんぽぽ」実験を国際宇宙ステーションで行っています。

山岸先生は、エウロパをはじめ氷衛星の海に地球型の生命が誕生する可能性については否定的です。地球型生命の出発点は「RNA ワールド」ですが、有機物の材料からRNA がつくられるには水分子が抜ける反応が必要です。すなわち乾燥した環境がないと、地球型生命は生まれないと考えられるのです。

そのようなわけで、山岸先生と話が盛り上がったのが、土星の衛星タイタンの環境でした。タイタンの大気と表面ではメタンが循環しています。高層大気ではさまざまな化学反応が起こっており、それらの物質はメタンの雨と一緒に表面に降り注いでいるでしょう。カッシーニ探査機はタイタン表面にメタンの湖を多数発見しています。周囲には地球と同じような地形をもつ陸地があり、メタンが川となって湖に流れ込んでいます。下の画像は、カッシーニの観測データからつくられたタイタンの南極近くにあるメタンの湖「オンタリオ湖」の鳥瞰図です。

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タイタンのメタンの湖は、いわば生命の材料がたくさんたまったスープです。RNA の合成に必要な乾燥した場所(陸地)もあります。こうした場所で、生命がつくられているかもしれません。
STAP 細胞問題:小保方さんと瀬戸内寂聴さんの対談
『婦人公論』誌に掲載された小保方さんと瀬戸内寂聴さんの対談に関し、いくつかのテレビ番組やラジオ番組からコメントを求められました。

STAP 細胞問題について、私が語るべきことはもはやほとんどないのですが、対談を読んだ私の率直な感想は、「小保方さんはSTAP 細胞の呪縛から逃れられなくなっている」ということでした。STAP 細胞が存在しないことはすでに科学的に検証されています。また、小保方さんがSTAP 細胞としていたものの正体がES 細胞であったことも明らかになっています。科学の世界ではすべてが明白になっているにもかかわらず、小保方さんはSTAP 細胞が存在しないという現実に直面することができず、雑誌に掲載された写真から推察するに、精神的なトラブルにおちいっているようにも見受けられます。

私は昨夜、STAP 細胞問題を最初からウォッチしてきたカリフォルニア大学デービス校のポール・ノフラーさんとこの件でメールのやりとりをしました。ノフラーさんの結論は、小保方さんはSTAP 細胞以外の人生の目標を見つけるべきだということでした。私もこの考えに全面的に賛成です。

おそらく小保方さんの周囲には、適切なアドバイスをする人がいないのでしょう。そのような環境下で1月に講談社から出版された書籍『あの日』や、今回の『婦人公論』誌の対談は、小保方さんをSTAP 細胞という深みにますます引きずり込んでいくものでしかありません。書籍や雑誌は売れるかもしれませんが、日本を代表する出版社がこうした出版を行うことを、私は残念に思います。

小保方さんが元気になり、科学コミュニティーの人たちとSTAP 細胞について率直に語れる日が来るのを期待したいと思います。
国際宇宙ステーションから撮影した夜の地球と天の川
Milky Way and airglow from ISS

国際宇宙ステーション(ISS)から撮影された地球と天の川の写真です。

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画面の下半分は地球の夜の部分で、ISS は太平洋の島国キリバスの上空にいます。写真の右方向が北です。海は一面雲におおわれていますが、写真の右側には、雲の中で発生した雷によって青白く光っている場所があります。その光は、上部に見えるISS の太陽電池パネルに反射しています。

地球の縁には大気光が見えています。大気光とは大気中の分子や原子が太陽光で励起され、それらが反応して光を発する現象です。大気の縁に近いところではオレンジ色と緑色の大気光が見え、その上層に赤い色の大気光が鮮やかに見えています。

その先には天の川(銀河系)が雄大な姿を見せています。銀河系の中心はISS の太陽電池パネルの向こう側にあります。銀河系中心に近いために、このあたりには多くの星が集まっており、それらの星々の輝きは大気光を通しても見えています。また、星間ガスとちりの雲がシルエットになってつくりだす黒い筋も見事に見えています。
冥王星の全球マップ
Global map of Pluto

ニュー・ホライズンズ探査機が送ってきた画像を合成して作成した冥王星の全球マップが発表されています。

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解像度は、ニュー・ホライズンズが接近して観測した半球(マップの中央)が235 メートル、その裏側にあたるカロンに向いた半球(マップの両側)が30キロメートルとのことです。

マップ全体を見ていえるのは、冥王星の北半球が白っぽい氷の地形でおおわれているのに対して、南半球には黒っぽい物質でおおわれた地形が広がっていること、そして、中央に広がるハート形のトンボー地域が、なにかしら特別な要因にとってつくられたものであるということでしょう。冥王星はカロンにいつも同じ面を向けています。また、カロンも同じ面を冥王星に向けています。トンボー地域はカロンの正反対に位置しており、いわば冥王星-カロン系にとって宇宙空間を向いた外側の面にあります。トンボー地域の成因とその位置には、何か関係があるかもしれません。
ボストーチヌイ宇宙基地からのソユーズロケット打ち上げに成功
Soyuz rocket successfully launched from Vostochny Cosmodrome

ロシアの新しい宇宙基地ボストーチヌイから、本日午前11時01分(日本時間)に、最初のソユーズロケットが打ち上げられました。

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打ち上げの様子を現地で見守ったプーチン大統領は「これからしなくてはならないことはたくさんあるが、これはロシアの宇宙開発にとって非常に重要な、素晴らしい一歩だ」と語りました。ロシアの宇宙開発は、これで新しいステージに入ったことになります。

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